第46話》ダンジョン商会に登録です
俺達は、ダンジョン商会を訪ねた。前にここで、ポイントを貯めてギルドを設立すると聞いたからだ。
「なあ、ナビ。設立する予定がないプレイヤーもダンジョンに入るなら登録した方がいいのか?」
『はい。ポイントが入りアイテムなどと交換できます』
なら、一緒に登録した方がよさそうだ。
「あのさ、ダンジョンに入るならここに登録すると、ポイントが貰えてアイテムとかと交換出来るんだって。みんなも登録したら」
「おぉ。それならする!」
「そうね。でも登録料とかかからないのかしら?」
「……そこまで聞かなかった」
「掛かるわよ。ダンジョンアイテム袋っていうのが支給されて、クエストで集めるアイテムは自動にそれに入るようになっているわ。因みに重量は1」
ナビに聞く前に、リラさんが答えた。彼女は、登録済みらしい。
「ありがとう。取りあえず俺は設立しなくちゃいけないから登録するね」
「私もする!」
「そうね。私もしておくわ」
二人もする事になり三人揃って登録だ。
で、登録する前にダンジョン商会の規約というカードを渡された。
――ダンジョン商会の規約。
◎登録する事により、クエストを受ける事が出来るようになります。
◎クエストをクリアすると、報酬としてダンジョンポイントを取得できます。
◎ダンジョンポイントは、ダンジョンを脱出した時に取得します。
◎ダンジョンポイントは、アイテムなどと交換ができます。
◎ダンジョンの脱出方法
○スタート地点のセーフティエリアに戻ると脱出できます。ダンジョンの前に戻ります。
○脱出魔法陣を使っての脱出。
脱出魔法陣は、ダンジョンポイントと交換できます。一度使用すると消滅する魔法ですので、つど購入して下さい。脱出場所は、ダンジョン商会内になります。
また、ギルドポイントによる脱出魔法陣もございます。こちらを取得している場合は、何度でも使用できます。脱出場所は、ギルド部屋内になります。
◎パーティーによるクエスト攻略時の注意点。
○パーティーで攻略する場合は、パーティーを組んでからリーダーがクエストを受けて下さい。クエストを受けた後にメンバーを増やす事は可能です。
○ダンジョンポイントは、パーティーに均等に振り分けられます。端数が出た場合は、リーダーに付与されます。
○宝箱開封権利のデフォルトは、リーダーになっています。宝箱開封権利とは、ダンジョン内の宝箱を開け取り出す事が出来る権利です。いつでも切り替えができます。
◎クエスト内容について。
○アイテム回収――モンスターを倒す事により手に入れる事が出来るアイテムになります。パーティーを組んでいる場合は、全体の合計になります。自動的に、渡した袋に入ります。
○ボス討伐――ダンジョン内にいるボスを討伐するとクリアになります。
○レアアイテム回収――こちらのアイテムは、宝箱に入っています。
○その他に、イベントなどで色々な条件があります。
読み終えてカードを返しお金を渡すと、袋を貰った。それを鞄にしまう。
「じゃ、クエストを見てみようか」
奥の方に衝立があってそこに、薄いボードが張り付けてある。それにクエストが書かれていた。
衝立には、クエストの受け方が書いてある。
――クエストの受け方。
ボードに触れると、確認のコマンドが出ますのでクエストを受ける時はYESを受けない時はNOを選択してください。
クエストは、一度に複数受ける事は出来ません。パーティー内にクエストを完了せずにいるメンバーがいた場合も、受ける事が出来ません。
クリアせずにダンジョンから帰還した場合は、クリアするまで何度でも挑戦できますが、無理だという場合はカウンターに申し出て下さい。手数料を頂きますが、キャンセルする事が可能です。
なるほど、一個ずつしか受けられないって事か。
「エット。まずは、ポイントを貯める為に、一人でチャレンジしたら? 複数で行ったら時間がかかるでしょう?」
「え……」
「アイテム回収なら余裕だと思うのよね。30ポイントのを4回。どう?」
リラさんの提案だけど、指差すボードを見ると確かに報酬30ポイントだ。
「三人は、その間どうするの?」
「三人で適当にダンジョンを回るわ。いいわよね?」
「「………」」
二人は、唖然としている。言っている事は理にかなっているかもしれないけど、一方的なんだよなぁ。三人にするのは怖い。
「あのさ。俺の目的は、ギルド作成じゃなくて、みんなでダンジョンだから。俺は一人では行かないよ。みんなで行こうよ。急がなくてもいいだろう?」
「うん。私もエットと一緒にダンジョンがいいなぁ」
「あら? 私だってシールド張れるし、全体攻撃も出来るわよ?」
「そういう事じゃなくて、みんなで楽しくやる為にギルドを作るんだから、それを犠牲にしてギルドを作らなくてもいいって事。四人で行こう」
俺がそう言うと、リラさんは納得して頷いてくれた。大丈夫だろうか。ちょっと不安だ。




