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第36話》装備錬金は奥深い

 そういえば俺、一番最初に錬金術を目指した時、エンチャントで色んな能力を付けるつもりでいたんだっけ? 今思い出した。


 「あの、エンチャントの時に、色んな能力をつける事って出来ますよね? それって教えて貰えますか?」


 「伝承の事かしら? 魔晶(ましょう)(せき)を作れる様になれば可能だけど、普通のエンチャントでも確率は50%だけど引き継がれるわ。それでも覚える?」


 そうなのか。確率は半分か。でも絶対ほしいのは、確実に移したいよな。


 「はい!」


 「ではまず、魔法の石+を2つ作ってごらんなさい」


 俺は頷いて、魔法の石を握り、魔法の石+を2つ作った。


 「こうやって両手に一つずつ持って合わせる。成功すれば取得できるわ」


 魔法の石は、エメラルドグリーン色をしているが、魔晶石は濃い緑色だ。いとも簡単に作ってみせたけど……。

 俺の足元で、サイコロが振られた。


 ――ダイス7とダイス3で、失敗しました。

 ――魔法の石+は、粉々に砕け散った。

 ――魔法の石+は、粉々に砕け散った。


 「え!」


 合わせた手の隙間から、砕けた魔法の石が散っていく。

 これって、失敗すると壊れるの? 回復薬の時は、元に戻るだけだったからそうなるのかと思っていた。


 「失敗の代償は大きわ。まあ根気よく頑張って」


 「………」


 いやこれは……気軽に出来る錬金術じゃないよ。50%に掛けるしかないかなぁ。


 「そうそう。装備錬金だけど、道具が必要なのよ」


 「道具? まず、それを作るって事ですか?」


 「いいえ。それは私が作るわ。だから魔法の石1,000個頑張って集めてね」


 「え! その道具に1,000個必要って事?」


 レレドラベルは、ニッコリ頷いた。魔晶石を作る前にこっちを先にやった方がよさそうだ。

 うん? 装備錬金って、武器、防具を作るって事だよね? 装備品ってそんなに作るもん? 魔法の石を集めるより、手に入れた装備品をエンチャントした方がよくないだろうか?


 「あの、質問なんですけど、装備錬金って装備品を作る錬金術なんですよね?」


 「そうよ」


 「覚えるほどの価値というか、必要性ってありますか? 装備品はそれぞれ、一つあれば十分の様な気がするんですけど。エンチャントもあるし……」


 「そうね。考え方は人それぞれよ。Sランクなら特にそうね。レベルが上がりづらいからバディを装備する人は少ないわ。バディにはパッシブがある。でも普通の装備にはないわ。そこで、自分で作る装備品に最初から色んな効果を付けて作成するのよ。エンチャントだと継承率50%だけど、装備錬金なら100%よ」


 「え? そういう方法もあったんですか?」


 「ええ。そしてエンチャントでは、その装備の特性しか上がらないわ。例えばそのローブ。普通にエンチャントすると魔防しか上がらないのよ。バディは、パッシブも上がっていくわ。そこで、用途で使い分け出来る様に、効果が違う装備を複数作るのよ」


 「なるほど」


 「勿論、色んな街に居る私の弟子たちに装備作成依頼を出来るけど、効果付けはしてくれないのよ。だから作ってもらった装備品に、自分でエンチャントの時に効果をつけるしかない。どちらを取るかは、本人しだいよ」


 確かにそれなら自分で作れる方がいいかもしれない。


 「それに壊れてしまった装備品を修復できるのも装備錬金だけ。エットは、錬金箱を持ち運べるから、魔法の石さえあればダンジョンでも修復可能よ」


 なるほどね。その場で修復可能って事か。


 「でもまあ、誓約書があるのですから1,000個調達頑張ってね」


 「え!」


 結局強制じゃないか……。

 仕方がない、作ってもらえるんだから頑張って集めよう。


 「あ、そうそう。設計図さえあれば装備品でなくても作れるわよ。興味があるモノがあったら手に入れておく事ね」


 設計図! そう言えば、引換券なるものを手に入れている。どこかで引き換えられるって事だよな。何があるか見てみたいな。

 よし当面は、魔法の石集めと、設計図集めにしょう!


 「ありがとうございました。集まったらまた来ます」


 「えぇ。楽しみにしているわ」


 俺は、街へワープした。

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