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第35話》錬金の要は魔法の石

 「まずは、錬金の基礎を教えてあげるわ」


 足を組み丸太に座っているレレドラベルは、立って話を聞いている俺を見上げ言った。


 「魔法の石1つぐらい持っているでしょう?」


 そう言って彼女は、なんと大きく開いた胸の谷間から魔法の石を取り出した!

 どこに入れてあるんだよ。


 「ないの?」


 「いえ、あります」


 「あ、そうそう。私の事は、師匠って呼ぶのよ」


 「……はい。出しましたけど」


 俺は、魔法の石を鞄から出した。


 「では、手に握って魔力を注ぎ込む」


 注ぎ込むって……出来たんだそんな事。


 ――成否判定の為、ダイスを振ります。


 現れたのは4面のダイス。一瞬しか見えなかったけど、見えた2面には数字の『2』が書いてあった。最低でも成功率は50%だ。


 ――ダイス2で、成功です。

 ――アイテム錬金を取得しました。


 なんか凄く簡単に取得したな。


 ――アイテム錬金で、『魔法の石+』の作成に成功しました。


 って、プラスがついた。


 「これが作れてスタートラインよ。そうねぇ、エットならMPよね。MP回復の薬を持っているかしら?」


 それなら山ほどある。俺は鞄から出した。

 回復薬は、手に握れる程小さな小瓶だ。コルクで蓋がしてある。ラベルにMP回復薬と書いてあり、中の液体は透き通った青色。ちなみにHP回復薬は、透き通った赤色。どちらも少し色づいた程度だ。


 「では、その中に魔法の石を入れましょう」


 「え?」


 魔法の石は、小瓶と同じ程の大きさ。普通なら入らない。

 だが、レレドラベルはコルクの蓋を開けると、魔法の石を入れてしまった! ちょんと押すと、スポッと入ったように見えた。


 俺も真似て、コルクの蓋を開け、魔法の石を瓶の入り口から入れてみる。軽く指で押すと、吸い込まれる様に入っていった。


 「すご……」


 「では、蓋を閉めて軽く振ってみましょう」


 言われた通り、蓋をして軽く振る。液体が濃くなった。


 ――アイテム錬金で、『MP回復薬+』の作成に成功しました。


 「で、できた!」


 「これは、成功率100%ですからね。魔法の石+を作成出来る者は、失敗しないわよ」


 「………」


 そうですか……。


 「MP回復薬の回復量は300だけど、+が付くだけで10倍の3,000になるわ」


 「10倍!?」


 「まあ、この価値はプレイヤーによるわね。1,000もないプレイヤーにとって必要のない物だけど、10,000もあるプレイヤーには、必要不可欠よ」


 「うーん。でも、MPって一回の消費量が少ないから減らなくないですか?」


 「あなたは、まだヒヨコちゃんね。ダンジョンは、リタイアするかクリアしないと出れないでしょう? あなたが挑んだダンジョンは、まだ序の口って事よ」


 「え……」


 確かにそうかも。1,000までなくても500とかでランクCだと、レベルアップして上がる数値は250。10レベルで、2,750だ。100レベルまでに魔法の石を持ってこいって言うぐらいだからレベルの上限はもっと上だ。

 100レベルで、25,000以上になる。ずっとダンジョンに潜っているならMP回復薬+がないと、回復が面倒だな。まあ、300減ったら回復とかすればいいかもだけど。ただ俺みたいに、鞄が無限ならの話だけどな。


 「では、もう一度、魔法の石+を作成して下さい」


 「あ、はい」


 俺は、魔法の石を鞄から取り出し握る。


 ――アイテム錬金で、『魔法の石+』の作成に成功しました。


 「では、更にそれをMP回復薬+に追加しましょう」


 言われた通り、MP回復薬+に魔法の石+を入れた。そして先ほどと同じように軽く振る。

 足元でサイコロが振られた。6面体より数が多いサイコロだ。という事は、確率が低い?


 ――ダイス7で、失敗しました。

 ――アイテム錬金に失敗して、『MP回復薬』になりました。


 「え? 戻った?」


 「成功率は10%。失敗すれば、ご覧の通り元の状態に戻るの。成功すれば、MP完全回復薬になるわよ」


 「……完全回復か」


 今はまだ使わないからしないでおこう。魔法の石を1,000も集めないといけないし。


 「魔法の石は、錬金には欠かせないものよ。もし、魔法の石のダンジョンを発見したら是非チャレンジしてね。クリア出来なくても魔法の石は手に入るのだから」


 「あ、はい」


 そんなダンジョンもあるのか。って、ゲートの石でそういうの出せないのかな? とりあえず、魔法の石は沢山必要なのはわかった。大切にしないとな。

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