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第34話》師匠は、ナイスバディの金髪でした

 二人がはじまりの村にワープするのを見送った後、俺は遺跡と反対側の西門から街を出て、錬金術を覚える為に向かった。


 「コールド」


 ――敵を倒して、経験値8を取得しました。

 ――ダイス5で、何も取得出来ませんでした。


 目の前には、鉱山が見える。ここで錬金術を覚えられるらしい。けど――。


 「前にはじまりの村から錬金術を取得しに向かった事あったでしょ? あの時もここに来るつもりだったの? ここの敵、レベル15なんだけど」


 ズルランの街の周りはレベル8。そしてどんどん強くなってレベル15。おかげでここに来るまでに1レベル上がって8レベルになった。


 『はい。そうです』


 「そうですって……あの時俺、まだレベル2じゃなかった? 死ぬだろう!」


 『いえ、大丈夫だと思われます。フィールドの敵は、多くても2体しか出現しません。魔力は3,000ありシールドを展開していれば、もし攻撃を受けてもHPは減りません。また二度の攻撃で敵を倒せます。連続演唱できるので問題ありませんでした』


 一応勝算はあったって事か。あの時俺は、敵の強さの事なんて考えていなかったからなぁ。普通ならあのレベルでいかない場所だったよなぁ……。今更だけど。


 「ここに入ればいいの?」


 『はい。ここが入口です』


 鉱山の入り口だ。


 「マップ」


 『一本道なので、マップは必要ないと思われます』


 「………」


 緩やかな上り道の洞窟を進むと、外に出た。なんと山の中腹だ。


 「おや、いらっしゃい」


 俺は、振り向いてギョッとした。

 大きく胸元が開いた赤い服に、股までしかない超短いこれまた赤系の短パンを履いた金髪のお姉さんが、足を組んで丸太に座っていた!

 こんな場所にそぐわない人だ。


 「もしかして、この人が錬金術を教えてくれる人?」


 『はい、そうです』


 まじか~!

 てっきり髭を生やした小太りのおじさんがいると思っていた。


 「あの……錬金術を教わりに来たのですが」


 「そう……」


 一言言うと右手を出して来た。握手ではなさそうだ。


 「あなた、まさかタダで教わろうとは思ってないわよね?」


 「え?」


 何それ……。お金取るって事?


 「ねえ、ナビ。お金かかるの?」


 『いえ。人によりけりです』


 どういう意味だ?


 「今、あなたが一番大事にしているものを出しなさい」


 「大事にしてるもの?」


 俺が一番大事にしてるものって……壊れた杖になるんだけど。そもそもそれを直す為に錬金術を習いたいのに、渡しちゃったら困るんだけど。

 それに、壊れていてもいいんだろうか?


 「ねえナビ、渡さないとダメなもん?」


 『教わるなら渡さないと教われません』


 どういうシステムだよ!

 はぁ……。

 俺は、仕方がないので壊れた反転の杖を渡した。


 「なるほど。この杖を直したいって所か……」


 わかったなら返してほしい。


 「合格だ」


 よかったぁ。


 「あの、じゃそれ……」


 「これは私がもらったもの」


 「え! でも……」


 「あなたは、Sランクだろう?」


 「………」


 突然なんだ?


 「これはランクルーペ。人によっては、こんな物も欲しがる奴がいる」


 「はぁ……」


 「その者にとっては、それが役に立つ。君には役に立たない。これもな」


 これはとは、渡した杖だ。


 「バディは、Sランクと一番相性が悪い武器だ」


 「え?」


 「あなたは、Sランクで特殊魔法のエンチャントをすでに取得済み。そして、マジックバックを持っている。ならば、装備錬金を取得するのが一番でしょう」


 「装備錬金……それを教えてくれるって事?」


 女性は、そうだと頷いた。


 「どうする?」


 「教えて下さい!」


 「そうか。では、これにサインを」


 うん? なんだ?

 誓約書――レベル100までに、レレドラベルに『魔法の石』1,000個を納める事を約束します。


 「はぁ?」


 「沢山入る鞄なんだから問題ないでしょう?」


 いや、入る入らないの問題じゃないだろう。凄い数なんだけど……。


 「約束すれば、今教われるのよ。それとも1,000個集めて来てから教わる? 私はどちらでも構わないわ」


 どっちにしても魔法の石1,000個必要なわけね。


 「はあ。サインします」


 俺はサインして渡した。


 「では、エット。あなたを私の弟子にしてあげる」


 彼女は、ウィンクを飛ばして来た。

 とんでもないNPCばかり作るのやめてほしいんだけど――!

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