第33話》それぞれの道。自分磨きをします
俺達はクリアして、ダンジョンから出て来た。待ちに待った経験値の発表です!
――三百のダンジョンをクリアして、経験値を1,080取得しました。
――おめでとうございます。レベル7になりました。
まじか! 凄い上がった! 俺は、ワクワクしてステータスを見た。
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名 前:エット
レベル:7
H P:130/130
M P:1,290/1,300
体 力:130
攻撃力:1,327
防御力:20
魔 力:13,000
魔防力:20
素早さ:4,332
ジャンプ力:1.4メートル
ラック:102
ランク:S
経験値:2,371 next:129
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やったぁ。HPが三桁いった。ジャンプ力も微妙に増えてるな。
「すご! 5つ上がって12レベルになった! あ、それでも素早さ325だって……」
ママルさん、5つも上がったのか。いや俺でさえ3つ上がったんだ。それぐらい上がるか。
「私は10上がって19になっちゃったわ。それでもHPは2桁どまりって……」
10って、一番少ない経験値なのに驚異的な上がり方だな。それでもHP2桁なのか。
「ステータス」
俺は気になって見てみた。
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名 前:ミチ
レベル:19
H P:97/97
ラック:91
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名 前:ママル
レベル:12
H P:689/689
ラック:101
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本当に2桁だ。でも次で、3桁いくな。しかし、19だと俺達が一緒に行けるかどうか……。暫くは上げられないな。
「はぁ……」
何故かミチさんが盛大なため息をついた。やっぱり上がればいいってもんでもないな。そうだ!
「ミチさん。この弓あげるよ。これなら素早さが攻撃力になるから」
「え? いいの?」
俺は頷く。
本当は、エンチャントしてから渡そうと思ったけど、そういうのも自分でした方がいいよな。
「ありがとう。使わせて頂くわ」
凄く嬉しそうだ。よかった。
「私も槍に替えようっと」
ママルさんは、手に入れた槍を武器として使うみたいだ。
ちょっと二人が羨ましい。早く杖を装備したくなってきた。
俺達は、ワープで街に戻った。そして研究所に手に入れたエレメンタルのフエを持って行った。
「おぉ! これが……確かに」
研究員が宝石箱の中身を確認すると、何やら出して来た。
「これが約束の品、ゲートの石だ」
「ゲートの石?」
『任意にダンジョンを出すアイテムです』
「へえ。なるほど」
「何? それ?」
「ダンジョンを自分で出すアイテムみたい」
「いいね! ありがとう」
俺達は、一つずつゲートの石を貰った。後でナビに、もう少し詳しく聞こう。
「おぉ、バディを手に入れたのかい?」
うん? あぁ、弓と槍の事か。
「残念ながら普通の武器なんだぁ。でも槍が欲しかったから」
「そうか。比較的バディが手に入りやすいって聞いたんだがな。残念だったな」
うん? 入りやすい?
「それって、他のダンジョンから比べてって事かしら?」
ミチさんの質問に、研究員が頷く。
「ラックが100のままでも出る時があるらしい」
「え!」
驚いた声を出したのは、ミチさんだ。彼女を見れば、何故か項垂れている。
「ねえ、ミチどうしたの?」
研究所を出て、ママルさんが聞いた。
「ごめんね。私ラックがかなり少ないから、バディの武器が出ないの私のせいね」
「何言っているのよ。運でしょう?」
そうママルさんが言うも、ミチさんは項垂れたままだ。
確かにママルさんと二人でダンジョンに入って、杖を手に入れた。
「ねえナビ、宝箱の中身もパーティ全体の運が関係あるの?」
こっそり聞いた。
『はい。パーティーのラックの平均値で、出現率と中身のレアやバディの確率も変わります』
出現率もか! そういえば百のダンジョンの宝箱は、2回とも1つだった。三百のダンジョンは、出現しなかった。
うーん。ラックを上げる方法がないかな? そうじゃないと、ミチさんはパーティーを抜けそうだ。それじゃなくても足を引っ張っていると思っているんだし……。
「ラックを簡単に上げる方法ってないものかな?」
『あります。ダンジョンの2回目以降のクリア報酬は、上限は30ですがラックになります。経験値がもらえないのでレベルは上がりませんが、ラックを上げたいのならダンジョンを使うといいでしょう』
「そっか! ダンジョンか! 確かに2回目はラックが1上がった!」
「え? 何? ダンジョンがどうしたの?」
ママルさんが、俺に聞いた。
「今ナビに聞いたらダンジョンの2週目からクリア報酬がラックだって! そこでラックを戻せるよ。上限が30だけどね、行こうミチさん」
「ありがとう、エットさん。でも一人で行くわ」
「え?」
「一人だと敵が弱いでしょ? もらった弓もあるし。二人は、好きな事をして」
「ちょっと好きな事っていうならついて行ってもいいでしょう?」
「わかった。じゃ、こうしよう。ここで待ち合わせ。俺は、錬金術を覚えに行くからさ。だから必ず戻って来て」
「エットさん……。ありがとう」
「そうだね。じゃ、私は鞄の容量増やしに没頭する!」
俺達は、頷きあった。一旦別々に行動する事にする。俺達は、パーティーを解散した――。