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第13話》褒め言葉を頂きました

 「もしかしてそれって、一番最初のステージで手に入れた物?」


 「そうよ。二時間もかかっちゃった」


 に、二時間!? 俺が凄く速かったのか、それともママルさんが遅いのか……。


 『彼女は平均より少し遅いぐらいしょう。マスターの様な発想がなければ、あの時間でクリアはできません。二時間ですと容量は20でしょう』


 20? それって個数?


 「なんかいっぱい入りそうだよね。そういうちゃんとした鞄持った人、初めて見たよ。それドロップなの?」


 「え?」


 「だからダイス振って出て来たラッキーナンバーでゲットしたのって事」


 そう思うもんなのか。そうだよな。みんながママルさんの様な鞄ならそう思うか……。


 「えーと。ちょっと壁を壊して一直線にゴールしたから速くクリアできて、この鞄になった」


 「はあ? あの壁壊せたの? そんな事思いつきもしなかったよ。途中でこれ、迷路だって気付いた時には遅かった……」


 「あ、そっか!」


 「うんうん」


 そうだよな。マップを見たから迷路だったって確信したけど、敵が出て来るかもしれないしって思って慎重に進めば、遅くもなるし。


 「20個しか入らないんじゃ、ドロップしたアイテムどうしてるの?」


 「使わない装備品は売ってる。アイテムは、使いまくって消費。で、個数じゃなくて重量ね。だからレアなのに、装備品を入れて置けないんだよね」


 「え!?」


 「だから使わない装備は、村で売った」


 「売れたんだ……」


 「売れなかったら捨てるしかないでしょうに」


 「それもそうか」


 俺は容量を気にする事がなかったから入れっぱなしだったからなぁ。


 「だから鞄をエンチャントしたいんだよね」


 「鞄もできたんだ……」


 「うん。できるよ。村でエンチャントの事を教えてくれるNPCのおじさん知らない?」


 「知らない……」


 「そうなんだ。あのね、魔法の糸がレベル5以上の敵からドロップするらしんだよね。それを使って鞄はエンチャント出来る。鞄が一番エンチャントしやすいんだって」


 「へえ。じゃドロップしたらあげるよ」


 「ありがとう。って、お金あまりないけど」


 「いや、いらないよ。相場わかんないし」


 「え!? 欲なさすぎじゃい? わかった! 靴がドロップしたらあげるね!」


 「……あ、うん。ありがとう」


 靴はいらないんだけどなぁ。防御上がらないらしいし。でもいらないとも言えないしな。


 「あ~!」


 「な、何!?」


 「すっかり話こんじゃったね。トライアルなのに……」


 「じゃ、もう一周しよう!」


 「え? 大丈夫? 話によると周回ごとに敵のレベル上がるらしいけど……」


 「大丈夫。シールドを張っているからね」


 「なるほど! 攻撃を受けないから死なないって事ね」


 「そういう事」


 って言うより、魔法で攻撃するから攻撃されないんだけどね、俺は。

 俺達は、ゴールに向かって走り出した。


 ――ダイス4で、敵が出現しました。


 大きなカエルが出現。あれは、魔法を吐くモンスターだ。あの敵だけは注意しないと、攻撃を受ける。まあ俺は、避けているけどね。


 「きゃー!」


 うん? あ……モンスターが二体出現して、一体がママルさんに狙いを定めたみたいで、彼女は見事に飛んで来た火の玉の直撃を受けていた!


 「コールド! 大丈夫? おっとっと」


 もう一体はが俺に向けて放って来た。それを寸前に交わす。


 「コールド」


 「あぁ、びっくりした。あっという間に火の玉が飛んできて……。よく避けられるね? って、なんであんなに速いの?」


 「速い?」


 速いかな? そんな風に思った事なかったけど。


 『速さはの感覚は、素早さに関係しています。彼女は素早さが低いようなので、マスターが出したレベル4の敵の速さについていけないのでしょう』


 「あ、そっか! ごめん、ママルさん。俺、6週目で敵のレベル4なんだよね」


 「6週目!? な、仲間じゃなかったのか……」


 「あ、一人で周ったんだ」


 「一人!? ただもんじゃないね、君!」


 「ほ、褒め言葉として受け取っておくよ」


 「うん。褒めてるよ? って、凄すぎ! もしかして、素早さすごいの? いくつ?」


 「750……」


 「………」


 ママルさんは、驚いたのか何も返してこなかった――。

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