第10話》初期値10の恩恵
今俺は、ナビの先導で南に向かっている。そこに錬金術に関わる隠れ里があるらしい。
さっきまではまだ、レベル上げをしているのだと思うプレイヤーがいたのだが、ここら辺まで来るといないな。まあ敵も強くなっている。
ナビの話だと、自分のレベル以上じゃないと経験値は入らないらしい。なので、はじまりの村付近では経験値を取得できなかった。
ここら辺は、経験値が3入る。敵のレベルは4って事になる。
『マスター! 後ろに敵が近づいています!』
「え! わぁ!」
バシッと体当たりされた。レベル4の一角兎だ。考え事をしていてボーっとしていた。モンスターが出現しているのを気づかなかった。
「げ! HP減ってる! シールド切れてたのか! えっとまずは、コールド!」
――敵を倒して、経験値3を取得しました。
――ダイス5で、何も取得出来ませんでした。
ふう。危ない危ない。
「シールド!」
右手をキツネの形にして、シールドを張る。
「ヒール」
初めて回復をした。勿論フルに回復する。
フィールドでは、シールド系は10分で消滅するらしい。それに、動かなければサイコロは振られないので、襲われる心配もない。考え事をする時は、立ち止まって考えよう。
そういえば、20もダメージ食らっていたな。他の人にしたら20しかだろうけど。
防御は装備で20ある。ダメージは簡単に計算できる。攻撃力-防御=ダメージだ。つまり一角兎の攻撃力は、40だったって事。
レベル4で40って事は、レベル1だと10ぐらいなのか?
「なあ、ナビ。一般的にレベル1の敵の攻撃力ってどれくらいなんだ」
『30程です』
「30かぁ……。レベル上がる前なら、食らったら一発で死亡だな」
でも思ったより増えてないんだな。レベル4と1の差が10だもんな。
「敵の強さってレベルが上がってもそんなに変わらないのか?」
『そんなの基準がわかりませんが、レベル3まで敵の攻撃力は30程です。HPの増え方が大きいです』
なるほど。HPがあれば、一回では倒せないって事か。
『また敵の素早さも早くなっていきますので、素早さが少ないプレイヤーは、敵の数が多いと追い詰められる事になります』
「へえ、そうなんだ。ちなみにレベル4だといくらぐらい?」
『300程です』
300かぁ。プレイヤーの平均値が100だとして、どのランクが多いんだろう?
「なあ、どのランクが一番多いんだ?」
『Cランクだと思われます。次がBランクで、EランクとSランクは1%ほどかと思われます』
俺、凄い確率でSランクになったんだな。
「実は俺、サイコロ運凄いかもな」
『はい。同じ確率で、Eランクになった可能性もあり、引きはいいと思います』
「そうだよな。1%だもんな」
『いえ、そう言う意味ではありません。パラメータの初期値で10があるとSランク、1,000があるとEランクがダイスに出現します。マスターは、両方の数値をお持ちでしたので、Eランクの可能性もあったのです』
「え!? じゃEランクの人は1,000の初期値持ちって事?」
『そうなります』
なるほど。俺みたいなのは滅多にいないよな。まず『10』と『÷』の組み合わせと、『10』と『×』の組み合わせだもんな。10出すのだって10分の一なんだし、どれくらいの確率かよくわからないけど、数人しかいないかも。
Eランクでも、レベルが上がれば100増えるから、Aランクの初期値100の人と変わらないもんな。
「まあ俺の場合は、魔力1,000のお蔭で、魔法が最初からいっぱい使えるし、特にナビと出会えたのは大きいな。ランクよりそっちの方が恩恵があるよな」
『ナビゲーションは、逆です。初期値10を持っているプレイヤーが取得している魔法です。また、体力が10の場合、直接魔法発動のパッシブもつきます』
「え? そっちの恩恵だったの?」
『はい。そうです』
そうか。確かに体力が10だと武器が持てないからそうしないと、攻撃が出来ないもんな。
だったら10も捨てたもんじゃなかったな!




