性裏現象
平積みに置かれた段ボールの山を、使い道の決まってない空き部屋に運び込みなんとか寝られる場所は確保する事ができた。
「こんなもんで良いか」一仕事終え、家具の組み立てに取り掛かろうとしたその時、インターホンが鳴った。玄関へ向かい戸を開けると、そこには見知らぬ少女がいた。
「え~と…どちら様でしょうか」問いかけた途端少女は倒れた。「ええっ!ちょっと何なだよこれ いや何だよこれって女の子が倒れ…いやそうじゃなくて。おい!大丈夫か!」少女の両脇を持ち上げ部屋まで引き摺るように運びこみ本来ならば自分が最初に使うはずの布団を用意し少女を寝かせた。
「救急車呼んだ方、良かったかもな」咄嗟の行動だったため不備があったかもしれない。そんなことを考えていたら少女は目を覚ました。「お腹減った、なにか無いの」少女の第一声は食べ物の要求だった。
取り敢えず少女は無事そうだったそれよりも何故、玄関前で倒れ出したのかが気掛かりだ。
「なあ、ところで何で玄関前で倒れたりしたんだ。」少女に問いかけた。少女からの答えは、「疲れていたから、ただそれだけ、それ以外は無し。それよりもお腹減った何か無いの」疑問は残るが質問に答えたので少女の要求を受けることにした。といっても…
「あのー今日引っ越してきたばかりで食料品、用意してないんだよね。だからその…カップ麺でも良いかな。」
「それでも良いよ」
「わかった用意する。」
電気ポッドに水を注ぎ湯が沸くまで少女が何者かを尋ねた
「私は選定者、神様みたいな存在」
「…ホントの事言って」
「ここのアパートの大家なの…」
つまらないデタラメを挟みながら何者かを知ることができた。
「大家何だよね…歳幾つなの」
「じょ、女性に歳をき、聞くなんて失礼なのだわ」
急に慌ただしい口調になったがそもそも急に倒れこんできて食事まで頂こうとするもの失礼だと思うが。
「じゃあ歳は言わなくてい」
「15才 」
怒った意味無いじゃん、そう思いながら
「歳を聞くのは失礼じゃなかったのか」