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episode3 ②

☪︎·̩͙♩。*✡☪︎·̩͙♩。*✡kanato☪︎·̩͙♩。*✡☪︎·̩͙♩。*✡



「・・・・・・」



遠乃さんの哀しそうな目が頭にこびり付いて離れない。



でも、無闇に聞くのはあの子を傷付けるだけで心苦しい。



「はあ」



「おっお兄ちゃん!沸いてる!」



「えっああ!」



考え込みし過ぎて、危うく泡が吹き出す所だった。



「珍しいね、お兄ちゃんが考え事なんか」



「ああ、うん…」



「?」



「妖魔の事?」



「えっあーその類かな」



「ふーん、大変だね、見える力って」



「うん」



妹の志遠〈しおん〉、まだ小学5年の女の子で、志遠は俺のような力もないが、妖魔の事は信じてくれて反対に両親は信じていないので俺の力の事も一度も話した事がない。




志遠は基本的に俺の言う事は聞いてくれるからいいけど、両親や他の家族は非科学な事は信じないタイプだから扱いがめんどい時がある。






•͙┄✩ͯ•͙͙✧⃝•͙͙✩ͯ┄•͙✧⃝•͙┄✩ͯ•͙͙✧⃝•͙͙✩ͯ┄•͙✧⃝






「………」




今日もまたスマホを弄りながら電車が来るのを待つ。



昨日は妖魔の事件がなかったから記事は出ていないが、俺は妖魔に関するある事を調べていた。



(妖魔狩り…)



それは、妖魔を狩る専門の職業で、妖魔狩りになるには資格必要でその資格を突破しないとなれないのである。



本来妖魔というものは、どういう仕組みで作り出されているかは不明だが、体内を切り裂くと人間と同じように赤い血が出て人間のような鉄分の匂いではなく水のような匂いと言われている。



妖魔を倒すと妖石という結晶の石に姿が変わるそうだ。



結晶の石の色によって強いや弱いのが分かり、綺麗な色をしていたら強く、綺麗な色ではない普通の石と変わらない石の色をしていたら弱いらしい。



妖魔狩りになる為の資格はいくつかあって、1、18歳以上であること、2、力が一定以上の力があること、3、妖魔と闘えることの条件が必要で、更に能力テストや戦闘技術を全てクリアしたものだけが妖魔狩りになる事ができると。





妖魔狩りの記事を読んで、ほとんどすみれさんが言っていた説明と何なり変わらない。




「よう、奏兎!」



「!壱…びっくりした」



突然、横から現れた壱にびくっと驚く。



「電車来てるよ」



「ああ」



電車に乗り入り口付近で壱と並ぶ。




「遅いじゃん、先に行ってると思ってたのに、いたからびっくりしたよ」



「ああ、ちょっとね。そういう壱も遅くない?」



確かに俺も遅いけど、壱も同じように遅いと思う。



「ああ、俺は時間過ぎちゃって」



「ふーん、朝から大変だな」



「まあ、慣れてるからな」




壱はこんなチャラぽいのに以外と真面目な人間でもある。



むしろ、真面目人間だったのにどうしてこうなったか聞きたいぐらいだ。



「で、奏兎は何で悩んでんの?」



「えっ?」



「お前は昨日から何か変だよな」



「!」



(変…なのか)




やはり、遠乃さんに出会って少し変になっているのか。




「なあ、壱」



「ん?」



「遠乃さんってさ」



「あの女の子の事? 確か遠乃音唖ちゃんって言うんだよな」



「うん。あの子さ、妖魔狩りなのかもしれない」



「えっ妖魔狩り? でも、あの子まだ中学生じゃあ」



「なんだよねー」



そう、普通ならありえないことだ。



武器を手に入れれるのは妖魔狩りだと認められたものだけで、確か妖魔協会が支給してくれたり自分の力で作る事も可能だ。



「でも、そういえば」



ふいに壱が何かを思い出しように言う。




「去年、何か異例な事が起きたっていうのは聞いたな。うちの叔父上から」



「ふーん、それって遠乃さんの事なのかな?」



「さあ、そこまでは知らないけど、でも妖魔全体的に言えると思うけど」



壱は妖魔に関わる家系でもあるから、妖魔の情報や知識はすみれさん同様詳しかったりする。



ただ、全面的に情報や行動を持っているのが、壱の両親ではなくて祖父母だと言っている。



「よく分かんないなー」



「最近は本当によく分からなくなっているのが事実だしな」



壱の言うとおり、最近の妖魔事情はおかしくなっていて、どうおかしくなっていると、強い妖魔が増殖したり、ほとんど現れないはずの町に妖魔が出現したりと、変な事ばかり起きている。





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