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episode6 ⑤

「よし」



いつもより家を出て学校に着き、職員室で鍵を貰い部室に向かった。



部室の中にある冷蔵庫に持ってきたタッパを入れた。



「………受け取ってくれるといいな」



ポツリと呟いた後、ぱたんと静かに冷蔵庫の扉を閉じた。



その後、何事ないように職員室に部室の鍵を返して教室に戻った。





◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌




「なあ、奏兎」



「んー?」



「お前さ、愛華と付き合っている誤解が広がってんぞ」



昼休み、壱が唐突に愛華の事を言い出した。



「はあ?」



「えっ違うの?」



と、別の友達、秋崎 風翔〈あきさき ふうが〉が食い気味に聞いてきた。



「違うに決まってんだろ。ていうか、どうしてそういう誤解が生まれんだよ」



「いやだって、いつも一緒にいるじゃん」



風翔は当たり前のように言われる。



「いや、いるけどさ。そういうんじゃないし、つーか単なる幼なじみだし」



「えー絶対付き合ってると思ってるのに」



なぜか風翔は不満気そうな表情を漏らされていた。



「じゃあ、今好きな奴とか居ねえの?」



「えっうーん?好きな奴って」



と言われても、はっきりする人っていない気がする。



「いないかな」



「でも、気になる子はいるんだろう」



否定したところ壱ははっきりと呟かれた。



「まあね」



確かに気になる子がいるのは事実だ。



事実だけど遠乃さんはそういう気持ちではないから。




「はあ、まったく」



それから、なんとなく中庭に出てきた。



「あ、あの…えっと」


と、どこからと小さめの困った声を出した女の子の声が聞こえてきた。




「?」



と、その声になんとなく辺りを見渡すと、思わず目を見開いてしまった。



(なぜ!?)



というのも…。



「さあさあ、行こうか」



「いや、あの…」



「頼むから私の実験台になってくれ」



「困ります…」



なぜ、あの人が遠乃さんに頼み事しているのだろうか。



そもそも実験台って…。



「はあ、何やってんだよ、あの人は…」



せっかく遠乃さん見つけたのに。




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