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episode6 ④

「ありがとうございます。明日、お礼いいます」



「うん、そうしたらいいよ」



それからすぐに出してくれたお茶を飲み干して、おいとまする事にした。



今日は母さんが早めに帰ってくるらしいから、夕飯買いに行かなくて大丈夫な日だし。



「あ、遠乃さん。明日もカフェに来るよね?」



「あ、はい。妖魔が出た日行ってます」



「そう、分かった。…ねえ、遠乃さん、俺さやっぱり君の事、気になるんだよね。だからその、俺は諦めたりしないから。じゃあね」



俺は遠乃さんにそう言い放ち、扉を開けて去った。



遠乃さんがその時どんな顔をしていたかは分からないけど、今言える範囲の事は言えたからそれでいい。




◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌



「うーん、遠乃さんって何が好きなんだろう?」



夕飯を食べて俺は料理本をペラペラとめくっていた。



「奏兎、何見てるの? 明日のお弁当?」



と、母さんが気にした顔で尋ねてきた。



「んー女の子ってどういうものが好きなのかなって思って」



「愛華ちゃんに渡すの?」



「えっ」



しまったという表情で目を泳がす。



「違うの? それとも他の女の子?」



「ああー」



遠乃さんの事は言わない方がいい。




なぜなら、母さんはずっと愛華と俺は付き合っていると勘違いしてるから。



どんなに友達と言っても信じようとしないから。



他の女子と仲良くなったなんて言うものなら、何言われるかしったこっちゃあない。



(めんどくさいな)



別に愛華は友達で好きだけど、そういう女性として好きで見た事はないんだけど。




◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌◌ 。˚◌



「よし、出来た!」



翌日、いつものように俺のお弁当を作りその合間にもう一つお弁当を作った。



「食べてくれるといいな」



作った食材をタッパに入れ鞄の中に自分のお弁当と一緒に入れた。




俺が遠乃さんに向けている感情はおそらく恋愛とは違うと思う。



でも、はっきりとは言い切れない自分がいるのは確かだ。



(これは、何なのだろうな)



誰かの言葉が引っかかるそんな感じがするのも事実だ。




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