episode1 ①
☪︎·̩͙♩。*✡☪︎·̩͙♩。*✡kanato☪︎·̩͙♩。*✡☪︎·̩͙♩。*✡
「‥‥‥‥」
【昨日の夜、公園近くで妖魔に襲われた模様―――――――襲われた方はそのまま亡くなったようです】
「また妖魔」
この世界には妖魔という摩訶不思議な魔物生物が存在している。
その生物は夕方からの暗い時間帯だけしか現れなくて、襲う人間も普通の人間は覆わず力のある人間しか襲わないのである。
ただどうして出現するようになったのも、力の持った者を追ってきたと言われている。
でも、根本的には何も分かっていないのである。
「よう、奏兎。おはよう」
スマホで昨日の妖魔の事件の記事をを見ながら電車が来るのを待っていたら、後ろから友達の壱〈かず〉に声を掛けられる。
「おお、おはよう」
「あれ、愛華は?」
「あー日直で先行った」
「そっかあ」
俺の名は桐峻 奏兎〈きりたか かなと〉、高校1年生。
エメラルドグリーンの瞳にブラックにシルバーの色の入った髪が特徴の至って普通の高校生である。
そして、隣にいる友達のパープルの瞳にブラックの髪を遊ばせて、なぜかいつも首元にストールを巻いているのが、有咲 壱仁〈ありさき かずひと〉、俺と同じ高校1年。
壱は女子からかなりモテるのだけど、中身はかなり変な奴でむしろ変態気質な奴である。
「何見てたの?」
「昨日の妖魔の事件」
「ああ、昨日もあったなー事件」
最近は妖魔の数が増えているせいか毎日出現しているようだ。
「でもさー」
「うん?」
壱は含みを持ちながら俺に声を掛ける。
「メディアとかさ妖魔の事を流すのはいいけどさ、一般の人間はどう思ってんだろうな〜? 俺らは見えるけど見えない人間は妖魔の事信じていない奴結構いるみたいだし」
「ああ、それは考えものだよな」
実質、俺にも妖魔と闘える力もないから襲われる事もないけど、俺としては微妙な立ち位置だ。
「そういえばさ、最近強い妖魔狩りがこの町に来たらしいよ」
「へー」
妖魔狩りとは妖魔を倒す専門の職業みたいなもので、ただし条件が必要でなれる人間は極わずかである。
「どんな人かなー?」
「18以上の人間だろ?」
「女かな?」
「でも、強いのか」
「気の強い女性か!」
「知らないよ」
その頃の俺は妖魔については言う程は理解しておらず、ただ見えるだけと周りの人間が力を持っているだけの話しだった。
だから、どこか曖昧な感じで見ていた―――――――――――――。