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KRASH♪  作者: 緑川明莉
3/8

伝言

お久しぶりです、緑川です!

夏休み暇な癖に更新がこんなに遅くなりましたー!あははー(´ω` )

5人が朝ご飯にと支給されたおにぎりを食べ終えた時、車はやっと高速道路に入った。聖シャレンド学園はとんでもない田舎のとんでもない山奥にある。高速道路に辿り着くのもやっとだ。副社長たちが何時に家を出たのかはみんな聞かないでいるのは、もんでもない程早い時間しか出て来ないのが分かっているからだ。


「あ、そういえば5人に…」


副社長、水無月陽花はバックからスマートフォンを取り出した。1年前の機種なのに両手持ちをしているところが彼女の不器用さを物語る。カタツムリと同じくらいのスピードで操作をする副社長に早くも隼人がイライラし始める。明莉もウズウズしている。桜はそんな明莉をお馬鹿さんねとでも言いたいような目つきで明莉を見て、考輝はイライラし始めた隼人に恐怖を覚える。涼太はウトウトし始めている。一番のお寝坊さんはまだ眠いようだ。


「あ、あった!これこれ!ヤマさんから!」


ヤマさんというのはKRASHが所属する事務所の社長、山科楓の事だ。本人が社長と呼ばれるのを大変嫌っており、みんなに半強制的にヤマさんと呼ばせている。

副社長はヤマさんからの動画が添付されたメールを5人に見せる。明莉が再生ボタンを押すといつも通りスーツ姿のヤマさんが映っている。


「はいみんな〜起きてますか〜?うふふ、朝早いから涼太はウトウトし始めているんじゃないかしら?うふふ〜」


涼太は体をビクッとさせた。ついでにやっと目が覚めた。


「さーてっ、今回のコンサートの事だけど〜…これと言って言うことはありません!うふふ。まあ、現場の皆様に感謝をたくさん伝えること!それ以外は無いわ、共演者はメンバーだけだし。お客様に最高のスマイルをお届けするのよ?では、どこかの会場のどこかで見てます!以上、ヤマさんでした〜」


満面の笑みで手を振るヤマさんの姿で動画が止まった。


「明莉、ちょっと緊張が和らいだ気がする!」

「え、明莉緊張してたの!?」

「失礼な涼太!昨日なんて寝れなかったんだから!」

「いや…うちより早く寝てたけど…」

「さくらぁ〜」


車内がまた笑いに包まれる。


「ま、ヤマさんもこう言ってるし。私からも言う事は特に無いわ!元気でいてくれればいいわ!もし、もしよ?ツアーの途中で体調が悪くなったら言うのよ?舞台で倒れるのだけは困るから!」


「「「「「はーい」」」」」


「副社長ー!最初の会場までどれくらいかかりますか?」

「んー…4時間くらいかなぁ…」

「えええええー!!!そんなに…」

「まあまあ、仕方が無いわ。ゲームでも寝るでもして頂戴!お手洗いは早めに言ってね!」

「ういー…じゃあ、ゲームしようぜ!ゲーム機持ってきたか?」

「もちのろん!」

「おうよ」

「ほれ」

「うちも」

「通信プレイしよーぜー!」

「いいねー!リーダー俺な!」

「えー、隼人いつも暴走するだけじゃん」

「るっせ、倒れれば良いんだよ」


大勢のファンの中で誰も思わないだろう、アイドル5人が早朝からゲームをしている事を…

ヤマさんどこの会場のどこにいるんですかねぇ…

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