(2)
そんな罵声を受けた。
「くそっ!」
俺はその場が耐えられず、学校を飛び出してしまった。
俺は曽於港家に入り、ベッドの中に潜んでいた。
すると、家の俺の部屋のベランダから、
コンコンっ。
音が聞こえた。
「蓮!開けて!」
美里の声だった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ふざけんな。
俺はその時窓を開けなかった。
そして、何日か学校を休みその愛だ、何日も美里はきたが俺は居留守を使った。
そしていつだろう、あいつが転校すると引っ越すと聞いたのは。
そして、俺はその引越しの日、その日ですら美里と顔を合わせなかった。
それからだ、俺が不良になったのは。
強くなれば俺を罵倒するものもいなくなる。強ければと。
強くなるのなんか簡単だった。とにかく拳を振るっていれば。
でも、人を殴るたび、心がどんどん・・・・・・・沈んでいくのが
――――――――怖かった
「そんなことがあったんだ」
「ああ、それ以来あいつとはあってなかったからな」
俺は碧波と朝会って一緒に登校中だ。
「でも、蓮君昔から優しかったんだね!」
あ、加藤もいるぞ。べ、別に忘れてたわけじゃ。
「でも、本当不器用ねあんた、なんでそこで逃げたかな」
「うるせぇ、お前には一生わからねぇよ、あ~あ、俺は本当にギャルのせいでよくい
じめられる」
「な;つ!?またあの時の事!?だからあれは謝ったでしょ!?」
「お前の方がスケールでかかったけどな、手に穴まであけたし、この引きこもり!」
「う、うるさい!」
周りからはクスクスと笑われる。
俺とあおなみが言い合っていると、ブーン。バイクがとおった。
「また夫婦漫才か」
「仲いいわね」
と、だけ言い残して田川とそのケツに載っていた春音が去っていった。
「あいつら違反じゃねぇか、バイク駅までだぞ」
「でも別に怒られないじゃない、そうよ!あんたもそれで私を送ってよ学校まで!」
「やだ、もし怒られたらめんどくさいだろ」
「もう!」
「お前も免許取れ」
「そうね、そうよ!私も取れば!」
「あ、悪いダメだ、お前じゃ足が届かねぇな」
「な、何言ってんの!?あんた本当意味わかんないし!」
ち、今日も派手なメイクと、髪型をわっさわっさ逆立てている。
「おはよう、愛ちゃん、麻耶ちゃん」」
と、後ろから話しかけられた。それは俺の幼馴染だった。
「おっはよう!」
ああ、美里ともうひとりのえっと・・・同じクラスの・・・・なんだっけ。
「おはよう」
「おはよう、桜!みっちゃん!」
そうそう桜だ。加藤も友達かやっぱり。
「紅君もおっはよう!」
と、元気よくギャルあいさつ。
「あ、ああ、おはよう」
もうヤダ。周りギャルばっか。ありえん。ああ、変な匂い。甘ったるすぎる。
碧波の匂いだけでも・・・・・・・・まあ、コイツはその・・・いい匂い・・・
じゃねぇ!
まあ、こんなのが4人って。
碧波ひとりでも飼うの大変なんだぞ?
「れ、蓮もおはよう」
「ああ、おはよう」
と、あれなんだ、いきなりなんでか美里がうつむいた。
「お、おい!碧波!」
俺は碧波に詰め寄る。
「近い近い!顔近い!あんたまた!?まだ朝!!充電とかしたら殺すから!」
何を言ってるんだ。
「おい、なんか俺今いったか?なんでか美里が泣きそうにうつむいてるんだが?」
「え?うそ?ってえぇ!?泣いてるじゃん!」
と、碧波がいい、いきなりえって顔をしだした。
「どうした?」
「なんか嬉しい、朝からちゃんと・・・さつしてくれたとかぶつぶついってる」
うれしい?さつしてくれた?
金でも拾ったのか?つか、そんな嬉しかった!?何が!?
「わ、わけわからん、同種だろ!?慰めろ!」
「ど、同種って何よ!」
今度はあおなみが声を張った。周りもびくっと驚いてる。
「声がでかい!同種ってそりゃあ、ギャル族だろ?」
「なによそれ!?てか、あんたなんかあれから結構いうようになったわね!?」
「言う権利くらいよこせ!仮一生分とかお前にほざかれた俺のみにも慣れ!」
「そりゃ、そうでしょ!あんなあんな!屋上で!」
――――――ファーストキス奪われて!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
周りが唖然としている。
周りというのは登校中の生徒たちも含む。
「お、おま、おまおま!」
「え?あっ!」
「何朝からそんなこと!?」
「あ、あんたのせいでしょ!?」
「・・・したの?」
え?
後ろから今度は暗い声が聞こえた。
その主は美里だった。
「なんで?蓮・・・・なんで・・・そんな・・・」
ま、また泣き出したァ!?
「ど、どうしたんだよ!?なんで泣いてんの!?おい!碧波!」
「え!?私!?イミフなんだけど!?なんで私!?」
「いいからあやせ!同種だろ!?」
「まだ言うの!?」
と、そんなやりとりをしてると、もっと泣き出してしまった。
「なんで・・なんで私じゃないの・・・・」
何を言ってるんだよ。
マジでこういうんやめて。