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エピローグ
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白い空間に誰かがやって来た。
背中に白い羽根を生やした小学生くらいの少女が言った。
「…ったく、だめじゃないですかスピカ様。1人死んだから結局プラマイゼロですよ」
スピカが怒って言い返す。
「あなた、私に仕える天使の分際でなんて口の聞き方をするの!」
「はいはいすみませんでした~」
「全然反省してないみたいね。…そもそも、どうして失敗したのかしら…。さっさとスギが公園でトウカに笑顔を見せて駅まで送れば、通り魔に遭遇せずに帰れたはずよ。……それなのになぜモタモタ長話をしたのかしら」
「愛ってやつですよ、愛」
「愛?…私にはわからないわ」
「だからだめなんですよ、スピカ様は」
「あなたには愛が何かわかるの?」
「へへ、実はあたしもよくわかんなくて」
「…ちょっと、何よそれ」
スピカがムッとする。
「…ただ、人間にはあたしたちが分からない何かがあるみたいなんです。天界史を読んでお勉強なさったこと、お忘れですか?」
「…“何か”ねぇ…」
考え込むスピカ。
「あ、そうか!」
「?」
「今度はトウカをここに連れてきて“やり直し”をさせたらいいのねっ?!」
「…違いますよ。…ったくスピカ様はほんっと歪んだ女神なんだから」
呆れた口調で、天使は言った。




