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俺が正義でお前が悪で  作者: あらた
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第5頁 転校生来る①

やっと高校編です。


電波な魔王様とマリーはどうなっちゃうんでしょうか?

奏人のツッコミはさらに磨かれる!?

魔王たちと出会い数日がたっていた。


何にたいしても騒動を巻き起こす二人に、奏人は疲れ果てている。


結衣と高校に行ってるときだけ平和を感じ、いや、幸せを感じることができたのだが、それもすぐに打ち砕かれることとなった。



「と、言うわけで帰国子女の阿久野真央(あくのまお)だ。よろしく」

「でぇぇ〜っ!」

黒板の前に立つ見たことのある男が奏人を見つけ手を挙げた。

「そういうことだ」

「どういうことだぁ!!」



私立光陵学園は中高一貫の進学校であるが、学園長の方針は『青春は今』。

学生の個性を尊重する校風で山の中という悪い立地条件ではあるが、生徒はきちんと集まってきている。


そして制服がよく似合い、長身で美しい面立ちの転校生はあっという間に学園の噂になった。


「なんか、すげいのを飼ってるんだな…」

昼休みになり、奏人の同級生の神楽坂道信がにやにやしながら話しかけてくる。

「俺は、妹の万里ちゃんがいいなぁ〜あのよく育った胸〜っおい!!今日遊びに行ってもいい!?」

「勘弁してくれよ…」


頭を抱えながら奏人は呟く。

石橋家の下宿人という話もすでに広まり奏人まで巻き込み美男美女な二人は学園に大旋風を巻き起こしていた。


たった半日で…


だが、実は魔王やら魔法使いやらが、次元を越えこの世界に来ているなんて、

「口が避けても言えない…」

「なにがだ?」

「魔王なんて、この世界の人間が信じるか?俺がバカにされるぞ…」

「そうだな…」

「あっ!!まおっ…」

あの、少し悲しげな表情がいつの間にか隣に居た。


「黙っていてすまなかった…メガネの父上に高校へ行けと言われてな…お前には余計な心配をかけないよう父上と手続きを済ませたのだ」

「父さんが…」

まあ、あのお人好しの父ならやりそうなことだなと納得はできた。


ひどいことを言ってしまっただろうか、魔王は奏人の隣の席で悲しい顔をし、下を向いている。

「あの…さっきのはそういうことではなくて…」

「いいのだ、気にしてはいない」

そしてさらに下を向き、机の中からゴソゴソと、なにかを出しながら呟く。


「お前が俺たちを信じようが信じまいが、俺は魔王である。その事実は変わらない…現に魔王である俺にはやはり…こんなに敵がいる」

机の中に入っていたたくさんの封筒に、葉書に、メモのようなものをどっさりと引き出し、広げた。

「なんだそりゃぁ〜」

「なんだ、って…果たし状だろう?」

「違うだろ!どう見たってラブレターだろ!」


「いや、この封の紋様…呪いが込められている…」

「それ、ハートのシール!」


「ではこの、見たことのない呪文の羅列はなんだ…呪いが込められている!!」

「それ、メアドだろ!!」


「校舎裏で待つ…決闘の申し込みでは!?」

「それは告白の待ち合わせじゃ、てかどれだけ恨まれてきたんだよ…」


「う〜ん、ということはすべて女性からと言うことか?」

悲しみの表情から困惑の表情に変わる。


「すげ、たった半日で噂になり、すでに女子からあんなに手紙をもらい、告白の待ち合わせまで受けとるとは!!侮りがたし!帰国子女!!」

道信が腕を組んで、関心というよりは羨望の眼差しで真央をみる。


「そうだな…」

魔王改め真央はへの字に結んでいた口を緩め、一枚の紙を指差した。

「これからいこう。メアドという呪文は未知だからな、やはり会いに来てくれと言うのが分かりやすい」

「り、律儀なやつだな…」

「というか、用事があるならそちらから来てもらいたいのだが…仕方ない」


若干不満そうに眉を寄せるもなんだか、楽しそうに瞳を輝かせた気がした。


彼は彼なりにこの世界に馴染もうと頑張っているのかもしれない。

面倒を見ると決めた以上真央と、万里を見守ってあげないといけないな、と、奏人は思った。


「ところで、メガネ…」

「奏人です…」

「あぁそうだったな。ユイはどこにいるのだ?相談したいことがあるのだが」

「え…」

そういえば真央は結衣には優しかったりする。

そして、あの日、真央に抱き締められた結衣の表情が忘れられない。

真央も結衣の優しさに触れ気に入っていると言うのか…

一緒にすんでいる奏人ではなく結衣に相談したいこととはなんだ?


「結衣ちゃんは…隣のクラスだよ」

抵抗したってあんな何でも持ってるやつに敵うわけがない。

「そうか」

にっこり微笑むと真央は奏人を置き去りにして行ってしまった。

「結衣って折笠結衣?あの二人できてんのか!?」

「どうだか、関係ないさ」

感情に反して行動してしまう自分。

そんな自分にイライラする気持ちを抑え、奏人はカバンから弁当を出す。


「メーガーネー」

頭が急にズッシリと重くなり、柔らかいものが乗っかってきた。

そして、低い声が耳元に重たくのし掛かってくる。

「!?」

驚いて顔をあげるとそれは大きな胸だった。

「うわぁぁ!!」

奏人は乗っかっていたものから慌てて離れた。


そこには金髪ではなく茶髪に髪を染め直し、学園の制服を来ているマリー改め万里が眉間にシワを寄せ、怒りを抑えきれない表情を湛えて立っていた。


「あーのーおんなーなんとかしろー」

まるで呪いの呪文を唱えるように恨みを込め万里は声を出した。


大体察しはつく。

真央と結衣の事だろう。

「そっとしとこうよ…君はいわゆる召し使いだろ?」

「召し使いとは失礼しちゃうわね!」

「魔王はモテて大変だろう、昔から」

「は?なぜ!?」

「だってあんな容姿に性格だって悪くないし、好きにならないやつなんていないだろ?」

「悪の大魔王が好かれてどうするのよ!!好意的な視線を向けるやつらはみんな敵よ!!侮辱だわ!!」

「万里さん、それは嫉妬と言います。いくらお兄様がイケメンだからといってブラコンも大概にしないと〜どうですか、僕と一緒に帰りませんか?まずはお友だちから…」


「誰?」

「神楽坂道信と言います。奏人君の旧友、お兄様のクラスメイトです」

「ふ〜ん」

組んだ腕の上に胸を乗せ背筋を伸ばして偉そうに立ちながら、道信を見る。

「腹黒さは合格ね。だけど、優しそう…だめです」

「そんな〜でも、お兄様はもっと律儀にこんなとこにもいく予定ですよ!!」

「ちょっ!!道信!それは!」

道信は机に置きっぱなしになっていた、校舎裏で待つ。そう書かれた手紙を万里の前に突き出した。


「なにこれ!!」

「お兄様は、たくさんの方に手を出し…」

「決闘の申し込み〜!?」

万里は突然目を丸くして髪を逆立てた。

「素晴らしいわ。何処へいっても悪を撒き散らす。流石魔王様!」

「え、やっぱりそうなるの?」

「さて、魔王様、どうやって退治なさるのかしら〜放課後が楽しみね!!ふふふ」

そう言って、万里は笑いながら帰っていった。


「万里さん、ちょっとイタイ子なのかな?さっきお兄様のこと真央さまとか言ってたよね…」

「ははっ…ずっと二人だったからかな?」

奏人は適当な言い訳でしのいだ。

それが精一杯だ。


「まあ、いいや、飯、食おうぜ!!」

そこへ真央が帰ってくる。同時に先程のモヤモヤした気持ちも復活した。


「おっ!!真央くん!一緒にどう?」

道信が少し嬉しそうに真央を呼ぶ。

人懐こくてあんまり深いところには突っ込んでこない道信は、奏人には居心地のいい友達だった。

小学校からさっぱりした性格でメガネでからかわれていた奏人にも至って普通に接してくれていた。

そのため友達も多い。

道信にしても数居る友達のなかでも奏人が付き合いやすいのだ。

「昼食か。どれ、俺も…」

真央がカバンから弁当箱をだした。


「どういうことだぁ!!」

「いや、母上が…」

「何で重箱だ!!」


「いや、母上が…」

「母上〜同じもん作れよ!!てか、よくそんな重いもの持ってたな…」


「いや、母上が…」

「そこは関係ないだろ」


「落ち着けメガネ。母上の作る食事は絶品だ。弁当なるものを作っていただけると聞き、楽しみにしています、と言っただけだ。母上の心意気感謝し、持ってきたまでのこと」

非常識な親を持つと苦労するが、さらに追い討ちをかけ常識が通用しない同居人をもっても苦労する。


つくづく自分の置かれた環境を後悔した。


「うまそー!!貰ってもいいか?」

道信が重箱の中身に手を伸ばした。

「そうだな…残してしまっては示しがつかないからな…皆で分けるとするか…」

その台詞を、どこから聞き付けたのか女子が私も!!私も!!とお弁当の中身をもらいに来る。

その度に名前を名乗り、握手やらを求めていく。

クラスの男子もその波に乗り真央に話しかけに来た。

だが、その度に真央は丁寧に対応する。

いつの間にか、真央の周りには人だかりができていた。

「もう溶け込んでるな。いいきっかけじゃないか!」「そ、そうなのか?」


ときとして、非常識な行為も向けられた人によっては最善の指針となるのだろうか。

みんなの中に囲まれ、どことなく嬉しそうな真央を見ながらそう思った。


次回はアイツが登場!?


奏人、がんばれ…

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