王女様救出ゲーム Ⅰ
「わ、分からないけど言わないほうがいいんじゃないかな…。」
小学校は同じだったけど、関わりはあまりなかったから、ぎこちない言い方になった。
「俺、力を倍増する能力だって〜!」
あの体育館で質問をしていた男子が周りに聞こえるように喋った。
周りの皆は気にもせずに自分の紙を不自然そうに見ていた。
「ある王女様が何物かにさらわれました。
助けた人には自分の位が王に替わります。」
そう言って話しは終わった。
「王女様!?そんな奴がこの学校のどこかにいるのか?」
皆は驚いているが好奇心なのか、ほとんどのクラスメイトが王女様を探しに行った。
私もイベント企画みたいな事に参加してるみたいだったから探しに行こうとしたが、
さっき見忘れがあった白い紙が手元から消えていた。
床に落としたと思い、自分の周りの床を探した。
しかし周りを探しても見つからなかった。
どうしよう…。
とても大切な物を無くしたような気持ちだった。
「うっ、うわっ!!!」
一人の男子が叫んで周りの数人は驚いた声と悲鳴をあげている。
そこには石崎 達夢の隠し持ってきた30?ぐらいのロボットが自発的に動いていた。
しかもそのロボットは石崎の前に立ち、
いかにも命令を下してほしいと言っているかのようだった。
その自発的に動いたロボットに石崎は顔が真っ赤になるほど興奮していた。
「ぼっ、僕の○○○ロボットが動いた!!!」
「それ、自発的に動くロボットだったんじゃね?」
その動くロボットを見ていた里中は馬鹿にするような口調で言った。
「ぼ、僕の夢が叶った!!!」
「はぁ?だからただ自発的に動く事を知らなかっただけだろ!?」
「動かな…『まず、お前んなロボット学校に持って来てたんかよ!馬鹿じゃねぇ?』」
「うっ…、」
「やっぱりいつも持ってきてたんだな!
そんな趣味悪いロボット持ってくるとか、
どんだけ気持ち悪いだよお前!!」
「へっ?
今、このロボットの悪口を言ったよね?」
さっきまで興奮していた石崎が急に凍りついたような表情に変わり、
石崎とロボットに暴言をはいた里中の元へ歩きだす。
「何だ?
ケンカでもしようってか?」
「あや……れ」
「?」
「あや…ま…れ」
「はぁ?
ちゃんと言えよ気持ち悪いなぁ!!」
「あや…まれ」
「はぁ?」
「僕のロボットに謝れ!!!!!」
その怒鳴り声は隣のクラスまで聞こえそうなでかさだった。
その怒鳴り声に里中は一瞬驚いたが、
すぐに対抗するため里中も石崎に向かって挑発的な言葉を怒鳴りつけた。
しかし石崎はその怒鳴りが耳に入らなかったようで自分のロボットの方へ向かい、憎しみを持ったような目で里中を睨みつけてこう言った。
「お前なんか死んじまえ!!!
僕の命令でこのロボットがお前を殺してやる!!!」
「はぁ?お前マジでクソ以下の野郎だ…な……」
急に言葉の勢いが無くなった思い里中の方を見ると、
里中の足から血が流れていた。




