クラス発表の後に…
そろそろ校門に着いちゃうな…。
校門の側に友達が待っていて、私に気づいたのか安心したような表情をしていた。
「マリ、おはよう」
この女の子は波野里沙子という名前で、気が弱いが優しい性格の持ち主で将来絶対いい奥さんになると私は思う。
だけどありえないことに彼氏がいる。
こっちの中学ではカップルがほとんどいない。
カップルがうまれても、すぐに別れてしまう。
そんなどうでもいい事を思いながら学校の体育館の中に入った。
久々の学校はやっぱり緊張するな〜…。
私は人混みを避けて、里沙と一緒にクラス発表時間まで待った。
「はーーい!クラス発表の時間です!自分のクラスが分かったら、組が書かれているプレートの前に、番号順で座ってください!」
体育系の先生の大きな声が体育館に響くと同時に他の先生達がクラス表にかぶっている布を一斉に取った。
皆はすぐさま自分のクラスを探しに行った。
私も去年の惨めな思い出しかないクラスから、
やっとあのクラスから逃げれる気持ちがいっぱいで、
里沙をおいて自分のクラスを探しに行った。
すると教頭先生が何やら深刻そうな顔で生徒皆に言った。
「今年の三年生はある特別な事に協力してもらいます。
自分のクラスメートを覚えておきなさい。
後にこの事は重要になるだろう。」
そう言うと体育館内にいた先生達が一斉に外へ出た。
特別な事って何だろう…?
教頭先生の顔が考えられないくらい深刻な顔だった。
作り笑いかもしれないけど、いつも笑っていて怒った顔やマジな顔は生徒皆、一度も見たことがない。
私以外に同じ事を考えている人はやっぱりいた。
そんな時、
何十人かの全身黒と白で統一した姿の男達が体育館内に入り、私達の前に横一列で並んだ。
「何なんだ…あいつら」
「なんか事件でも起きたの?」
体育館内の生徒達はざわめいた。
「静かに!君達は国から、いや…世界から重大な任務を任された。
是非とも協力してもらう。」
と、高価な服を着ている一人の男が舞台裏から出て来て、生徒達に話した。
「えっ、何なの?重大な任務って…」
「わかんないけど、世界が任すほどの任務って、相当スケールでかそ〜」
そこでこの中学で三番目に値する問題児の田倉 雄太がいかにもガキ大将的な大きな声で舞台に立つ男に質問した。
「何で世界からこの中学校に重大な任務を任したんですか?」
「それは秘密だ。」
「んじゃ、世界が任すほどの重大任務って何ですか!」
「それは今から簡単に説明する。」