天使の謝罪
・あらすじ:
アスカは全校集会で謎の爆死を遂げた。
「─── 申し訳ない。」
気が付くと私は、真っ暗な空間で人の形をした光の塊のようなものに頭を下げられていた。
光・・・? 光で合ってるんだよな、コレ? なんか眩しいし・・・。
「はぁ・・・いえいえ こちらこそ、どうもどうも。」
取り敢えず日本人の性で頭を下げ返してみる。
得体の知れない状況で、得体の知れない存在に強気に出るのは得策ではない。
「そうか、赦してくれるか。
だが貴方は確かに こちらの手違いで死んだのだ。
流石に、何も代償なしに罪を赦されるワケにはいなかい。」
・・・どうやら私は死んだらしい。
すごくビックリしているが、それは顔に出さない。
得体の知れない存在に自身の感情を見せるのは得策ではない。
「・・・私の権能で叶う限りの、望む次生を与えよう。 ・・・さて、何が良いか?」
「あの・・・生き返らせて貰うとかは・・・?」
そう、私の部屋のPCには親にも見られたくない夢小説やらエロ漫画やらが眠っているのだ。
凄く・・・スゴく未練がある。
「・・・残念ながら、それは出来ない。 こちらの問題で、済まない。」
・・・どうやら不可らしい。 さらば私の尊厳。
しかし その落胆は顔に出さない。
得体の知れない存在に気を遣われるのは、逆に精神的プレッシャーのようなものがある。
「代わりと言ってはなんだが、次の生では貴方の望むものを与えられる。
地位、名誉、金銭・・・人間が求めるであろう、そういったものを兼ね備えた生だ。」
「いえ・・・そういうのはあまり・・・。」
「・・・そうか、困ったな。」
得体の知れない存在を困らせてしまった。 凄い精神的プレッシャーを感じる。
とはいっても、私は完璧なので そういったものは与えられずとも得ることが出来る。
それをわざわざ与えられるというのは、孔雀を孔雀の羽で飾るようなものなので、本当に仕方ない。
「では・・・才能や知識、神秘といった高尚な人間が求めるものは どうだろうか?
これまで多くの人間が、それを求めて我々と接触しようとした。」
「すみません・・・そういうものが無くても私は完璧というか・・・。」
「・・・。」
・・・ついに黙ってしまった。
とても精神的プレッシャーを感じる。
しかし これは事実だし、本当に仕方がない。
「・・・それでは私に償う術がない。
どうか私に今回の過ちの代償を支払わせて欲しい。」
「えぇ・・・。」
再び頭(?)を下げられてしまった。
得体の知れない存在に二度も頭を下げられるというのは、とても精神的プレッシャーを感じる。
「じゃあ、その・・・剣と魔法の・・・ファンタジーな世界に転生させて貰うとかは・・・?」
「可能だ。」
「では そういう感じで・・・。」
「しかし それは当然の権利だ。
私は まだ代償を支払っていない。」
なんということでしょう。
何かワクワクする感じのゲーム的な世界に転生させて貰うことになったにも関わらず、まだリソースは尽きていないらしい。
正直、早くこの謎空間から脱したいというのに この得体の知れない存在・・・堅物すぎる。
早く得体の知れない存在と得体の知れない空間で二人っきりという状況から逃れたかった私は、最終手段に出ることにした。
「・・・私としては それだけで十分です。 後は貴方の好きにして下さい。」
丸投げである。
疲れてきたので些か口調が荒くなるのも止む無し。
ここからキャラクリエイト作業とか始まったら、この謎空間でゲボ吐くかもしれないからだ。
何が悲しくて、得体の知れない存在に真後ろからガン見されながら自分の癖を詰め込んだキャラクターを創らなくてはならないのか。
「・・・どうやら、近年 稀にみるような清い心の持ち主のようだ。
分かった。・・・私なりの方法で貴方への罪を償うとしよう。」
どうやら分かってくれたらしい。
そうして次の瞬間、私の意識は再び途切れた。
・天使:
とても堅物で、割と上位の者。
偶に今回のような とんでもないミスをする おっちょこちょいでもある。




