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第7話:遺された不純物

「……美咲……美咲……ッ!」

変身を解除したりんが、膝をついて激しく泣き崩れる。

美咲だった怪人は、銀色の光の粒子となって消えていった。小太郎の時の佐藤と同じように、そこには彼女が身につけていたお揃いのヘアピンだけが転がっている。

だが、今回は違った。

「……待て。あれは何だ?」

黒田駒が、消えゆくデジタルの塵の中に「異質な何か」を見つけた。

怪人のコアがあったはずの場所に、消滅せずに残っている黒い立方体。それは、自然界や異次元のノイズではありえない、**極めて精巧に造られた「マイクロチップ」**だった。

「何これ……。機械、なの?」

小太郎がそれを拾い上げようとした瞬間、チップの表面に赤いグリッドラインが走り、不気味なロゴが浮かび上がった。

『汚染適合率:72%。サンプル回収失敗。自動消去プロセスを開始します』

「伏せろッ!!」

駒が叫び、二人を突き飛ばす。

直後、チップは小さな電子音とともに発火し、小太郎の手の中で灰となって崩れ落ちた。

「……間違いない。これは『事故』じゃないぞ」

駒が、灰になった破片を鋭い目で見つめる。

「誰かが、意図的に美咲の中にこれを植え付けたんだ。次元ノイズを増幅させ、あえて怪人化を促進させるために」

「誰かって……誰だよ! 何のためにこんなこと……!」

小太郎の怒りが爆発する。

その時、更衣室の入り口から、冷ややかな拍手の音が響いた。

「ようやく気づいたか。鈍いな、科学部」

神野浩介だった。彼はシルバーのデバイスを弄びながら、嘲笑うように告げる。

「お前たちが『実験失敗』で開けた穴を、外から広げている連中がいる。奴らは、この学園を巨大な実験場ラボだと思ってるのさ。……名前は**『ネクサス』**。次元エネルギーを兵器転用しようとしている、狂った組織だ」

小太郎は、神野の胸ぐらを掴み上げる。

「知ってたのか!? 知ってて、佐藤や美咲を見殺しにしたのかよ!」

「……知っていたらどうした? お前たちに、あのチップを止める技術があったか?」

神野の瞳には、かつてないほどの深い闇が宿っていた。

「いいか赤間。犯人は学園の中にいる。生徒か、教師か、あるいは――」

神野の視線が、一瞬だけ、地下にいる城ヶ崎校長の方角を向いた気がした。

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