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第27話:『銀の断罪、偽りの魂』

第27話:『銀の断罪、偽りの魂』

祐史郎の冷たい手が小太郎の肩に置かれ、闇へと引きずり込もうとしたその時、鋭い銀の閃光が二人の間を切り裂いた。

「……そこまでだ、亡霊」

銀色のスーツをボロボロに損耗させた神野シルバーが、ブレードを杖代わりにしながら立っていた。そのバイザー越しに見える瞳は、祐史郎を「兄」としてではなく、排除すべき「異物」として捉えている。

「神野さん……? やめてくれ、この人は俺の兄貴なんだ! 唯一、俺を覚えてくれている……」

「目を覚ませ、赤間。……お前の隣にいる『それ』は、もう赤間祐史郎ではない」

神野の言葉に、祐史郎の口角が吊り上がる。

「……ほう。負け犬のシルバーが、何のデタラメを吐きに来た?」

「デタラメではない。ネクサスの深層データを読み取った。……本物の赤間祐史郎のマブイは、15年前の落盤事故の際、弟を助けるための『等価交換』として完全に燃焼し尽くされている」

小太郎の息が止まる。神野は容赦なく続けた。

「そこにいるのは、祐史郎の残留思念と、ネクサスの悪意を混ぜ合わせて作り上げられた……**『祐史郎を自称する人造人格』**に過ぎない。そのオレンジのスーツも、マブイ球も、お前をネクサスへ繋ぎ止めておくための『首輪』だ」

「……黙れと言っているんだ、神野!!」

祐史郎の咆哮。激昂して短剣を抜くその姿に、かつての優しい兄の面影は微塵もない。

「小太郎、信じるな! 俺はここにいる、お前を助けに来たんだ! この男は俺たちの絆を壊そうとしているだけだ!」

「絆だと? お前が持っているその『青いマブイ球』の中身は何だ? それは記憶ではない。……小太郎が絶望した瞬間に発動し、彼の脳をネクサス・コアと完全同期させるための『強制上書きキー』だ」

神野がブレードを突きつける。

「赤間、選べ。その『優しい嘘』に抱かれて壊れるか。……それとも、自分を忘れた仲間を守るために、その『化け物』を斬るか」

小太郎の視界が歪む。

自分を忘れた親友たち。自分を騙していたかもしれない兄。

雨の中に立ち尽くす赤い英雄に、世界はどこまでも残酷な真実を突きつける。

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