表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/25

第24話:黒の残光、青の願い

――記憶消滅まで、あと48時間。

ネクサスの中枢、深層調整室「レテ」。

駒、りん、そして傷だらけの神野は、祐史郎から密かに託された**『青いマブイ球』**を手に、ついにその最深部へと辿り着いた。

「小太郎くん!!」

りんの叫びが、無機質な室内に響く。

巨大な培養槽の前に立っていたのは、かつての情熱的な赤を塗り潰したような、漆黒の装甲を纏った小太郎だった。そのバイザーからは、感情を排した冷たい紫の光が漏れている。

「……対象を確認。排除プロトコル、フェーズ1」

小太郎の声は、完全に機械化されていた。

彼は自分を殴ることなく、腰のデバイスを叩くだけで、周囲の空間を歪ませるほどの重圧プレッシャーを放つ。

「ダメだ、赤間くん! 完全に意識がネクサス・コアと直結している!」

駒がデバイスを展開し、必死にノイズを相殺する。

「りんさん、隙を作るのは一度きりだ。あの『青いマブイ球』を、彼のスーツのコアに叩き込むんだ!」

「わかってる……。小太郎くん、ごめんね……痛いのは一瞬だから!」

りんのイエロー・スーツが火花を散らし、超加速でブラック(小太郎)の懐に飛び込む。だが、小太郎の反応速度はそれを遥かに凌駕していた。

黒い拳が、りんの腹部を容赦なく撃ち抜く。

「カハッ……!」

吹き飛ぶりん。だが、彼女はその衝撃を利用して、手の中にあった青い球を駒へと放り投げた。

「駒先輩!!」

「受け取った……! 祐史郎さん、貴方の『マブイ』、確かに弟さんに返させてもらう!」

駒がブラックの猛攻を紙一重でかわし、その胸部中央、唯一の弱点であるクリスタル・コアへと肉薄する。

小太郎の漆黒の剣が、駒の肩を深く切り裂く。だが、駒は止まらない。

「思い出せ、赤間! お前には、あの日からずっと……お前を待っている兄さんがいたんだ!!」

駒の手が、青く輝く球を小太郎の胸に押し込んだ。

ギィィィィィィィンッ!

激しい電子音と共に、漆黒の装甲に「青い亀裂」が走り、小太郎の動きがピタリと止まる。

バイザーの奥、暗闇に沈んでいた小太郎の瞳に、15年前の、あのオレンジ色の夕日の光景が流れ込んできた。

「……あ……に……き……?」

小太郎の口から、掠れた声が漏れる。

だがその瞬間、天井のスピーカーから阿久津の哄笑が響いた。

「素晴らしい! 兄弟の愛が、最高の『拒絶反応』を引き起こしましたね。……さあ、小太郎くん。その過負荷オーバーロードで、学園ごと……灰になりなさい」

小太郎の身体から、制御不能の黒い稲妻が暴走を始めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ