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草野球でママさん投手に完敗した話

作者: いのりん

 北国はストーブが温かく外は銀世界に染まり、スポーツ紙面はストーブリーグが熱く金(契約金)の話題に染まる今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。


 おっと、申し遅れました。私いのりんと申します。

 本業はなろう作家(収入ゼロ円)なんですが、副業で草野球をやっています(収入ゼロ円)。でもほら、何かの拍子に才能が覚醒して出版社さまやプロ野球からドラフト指名されたら一攫千金ですし……


 まあ、そんな冗談はさておき趣味で草野球をしている者です。


 楽しいんですよ草野球、2025年も沢山の素敵な思い出が出来ました。本日はその中でも特に印象深かった一試合をエッセイにしましたので、お楽しみ頂けますと幸いです。それではどうぞ。





 スポーツの秋、まだ試合したことのないチームと練習試合をすることになりました。

 私たちは平均年齢40歳台のおじさんチームなのですが、お相手はぱっと見た感じ20~30歳代のお兄さんが多く、強敵の予感がします。


 さて、そんなお相手の集団のなかに、一人の女性がいました。

 年は20代半ばくらいでしょうか、小柄な方で多分身長は150㎝前後。すらりとした美人さんと言うよりは、丸みと愛嬌のあるタイプで狸系のほんわかお嬢さんって感じです。

 某人気球団のレプリカユニフォームを着ていましたが、2歳くらいのお子さんがいたので「夫婦そろって野球好きで、今日は旦那さんの応援に来たのかな?」くらいに思っていました。


「集合」


 審判に促され試合前の整列。

 私の目の前に先ほどのお嬢さんがいました。


 えっ、貴女も試合に出るんですか?

 しかもポジションはピッチャーですって?!


 もちろん、これはあまりレベルの高くない草野球。ソフトボール経験者の女性とかがメンバーに入ることも時々あります。でも、どうしても肩の強さや足の速さ的に大活躍は難しく、比較的負担の少ないセカンドやライトでの出場が多いんです。それが試合の8割を決めるといわれている先発投手で出てくるとは……しかもそちらのチーム、男性だけでも11人くらいいますよね。


 もしかして、ウチがおっさんばかりなので、ちょっと舐められているのでしょうか?

 ほら、野球漫画によくある『名門校がリードされてから本気出してくる』的な。


 よろしい、ならばその油断を命取りにしてあげましょう。これでも我々、今シーズンはチーム打率3割越え、勝率6割越えと絶好調なんですよ。ふっ、なろう小説でよく見るような「後悔してももう遅い」展開にして差し上げます。


 そんな決意をした私。その日は一番バッターだったので、女性投手を早期攻略するべく、彼女の投球練習を超真剣に見ました。するとですね、あることに気付いたんです。


『あれ、もしかして……普段対戦している投手達よりレベル高くない?』


 スピードは程々でしたが、投球フォームがめちゃくちゃ綺麗でコントロールも素晴らしかったんです。多分、ハイレベルな女子硬式野球かそれに準ずるレベルでピッチャー経験がある人なんだろうなと分かりました。というか体格や筋力に大きなハンデがある中で『スピードは程々』っていうのも冷静に考えると結構ヤバい。


 プレイボールがかかり勝負開始。


 始めの2球は見逃しました、審判の判定はボール。ただ、ストライクでもおかしくない相当きわどいコースに投げ込んできました。その後フルカウントまでいき、結果フォアボールだったんですが甘い球は一球も無し。最後の球は、こちらの打ち気を誘ったうえでストライクからボールゾーンへと逃げていく変化球でした。危ない危ない!


 さて、なにはともあれ出塁に成功。早速盗塁を試みます。

 ちなみに補足がてら言っておきますとレベルの低い草野球では盗塁ってあまりアウトになりません。なぜなら『クイック』っていう盗塁を防ぐ動きが下手な投手ばかりで、捕手の肩もたいして強くないから。


 リードしてリードして……GO!


 ……ってこの方クイックめちゃくちゃ上手!そして捕手も肩強い!

 幸い送球が逸れてセーフでしたがタイミングは完全にアウトでした。危ない危ない。


 ともあれ、二塁ランナーになれた私。


 二塁ランナーってピッチャーがどういう球投げているか良くわかるんですよ。

 それで見ていて……大変驚きました。女性投手さん、球種はストレートとカーブだけのシンプルな組み立て……と見せかけて、カーブは球速や曲がり幅を変えて3~4パターンを使い分けていました。しかも注意しておかないとバッターからはほとんどわかんないレベルで投げ分けて、上手に幻惑しています。案の定、後続打者は打ち取られ、首をかしげながらベンチに帰っていきました。


 さらに不味いことに、半分以上のチームメイトの表情にはまだ若干の油断がみえました。これはまずい!

 なろう小説なら完全に負けフラグだと思った私は、敗北ルートを変えるべく今までに得た情報を早速仲間と共有し『格上の好投手と思って打席に立った方がいいと思います』と伝えました。よしよし、これでフラグは折れたハズ……


 その結果……


 7回4失点で完投され、5対4で敗北!

 私もヒットは打ったけど、『打ち取られたのがたまたまいいところ飛んだ』って内容。


 ちなみに4点取ったのもラッキーヒットやエラーがらみでした。


 でも、ママ投手さん、全然崩れませんでしたね。

 味方がエラーしても「大丈夫、次抑えるわー」

 守っているときにお子様がぐずっても「監督、そこのお菓子食べさせといてー」


 メンタルまで含めて実に強かった。

 いろんな面で完敗です。


 なお、後で分かったのですがそのママさん投手は普通にエースとして登板してきた模様。その証拠に、二試合目は相手チーム、他の男性投手が継投してきましたが全員打ち崩して十点以上とりましたから。


 試合前は、野球漫画によくある『名門校がリードされてから本気出してくる』的な展開かと思っていた私ですが、正解は『物語の序盤に優秀な女性を舐めていた男性がコテンパンにやられるなろう小説展開』でしたね。そうです、「ざまぁ」される馬鹿野郎役が私でした、残念!


 とまあ、その日の結果だけ見れば残念な結果でしたが、それ以上に学びの多い試合でした。


 私、同い年のプロ野球選手はほぼ引退しているくらいの年齢になったんです。でも彼女に倣って技術を磨けば、今の草野球レベルなら体力が落ちる40歳や50歳になってもバリバリピッチャーで活躍できるんだなって勇気を貰いました。


 あと、もしこのエッセイを読んでいる中に部活や社会人チームで野球をしていて、でも引退後に続ける場がないって女性がいましたら、是非草野球に遊びに来てください。

 超ハイレベルなところはまた別でしょうが、その辺の草野球レベルならきっと貴女は戦力として輝けることと思います。


 対戦できる日を楽しみにしています。

 あっ、でもノーヒットで帰るのは私も悔しいので、その時はどうかお手柔らかに(笑)


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その野球小僧、前世知識で鍛錬中につき
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