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第3章:尻と胸 ―美力審判会議―

◆ 1.王都への凱旋と声明

巨乳&貧乳&普通の“胸愛平等団”は、浮遊城セイクリッド・バストリアの試練を終え、王都ラブリウスへと向かっていた。広大な街並みが彼女たちを出迎え、その中心に堂々たる大聖堂がそびえる。


「いや、本当に首都って感じだね──魔法都市ラブリウス」

桃子は街中を歩きながら、ちょっとした浮遊を見上げる。


「私たちの“胸調和”を讃える大儀式があるそうね」

九条は聖女然とした笑みを浮かべた。


だが、その日、王都を揺るがす事件が起きる──


◆ 2.尻クイーン襲来

ラブリウスの広場に群衆が集まる中、突如重低音の振動が地面を揺らした。空が割れ、巨大な尻の形をした尻型浮遊要塞が出現する──その名は、“尻クイーン”ヒップシア・ダンクローズが統べる「尻の国」からの使者だった。


「跪きなさい。これが“王の座”よ」

ヒップシアは尻をぐっとつき出すようにして全体魔力を解放。重力を操る「桃圧崩壊」の余波により、周囲の魔力が渦巻き、不安定地帯が出現する。


「尻の国、卫矶ヘイキだと……!?」

神官長が動揺する中、桃子は「……尻派まで来たのか」と苦笑した。


そこに割って入る形で現れたのは──天宮が心からの敬意を込めた女王、胸クイーンの“聖乳姫”ミルフィア・グランバストだった。


◆ 3.胸クイーン vs 尻クイーン

胸と尻の二大王者が、王都を舞台に衝突──その姿はまさに美力バトル。群衆は歓声と悲鳴を上げ、桃子たちは壇上からその戦いを見下ろしていた。


“胸派”ミルフィアはその巨乳から聖水属性の癒し魔法──「乳滴癒しの雨」を繰り出し、尻クイーンの重力魔法を和らげる。


尻クイーンヒップシアは「桃圧崩壊」を胸に叩きつけるように使用し、局地的に地形を割る威力を示す。


砕ける地面と飛び交う胸と尻の魔力がぶつかり合い、城壁にはヒビが入り、大聖堂の天井が崩れかける。


◆ 4.討論会議——胸 vs 尻

群衆を緊急退避させつつ、王国評議会は即席の“美力審判会議”を設置。王と神官長を筆頭に、胸派・尻派に分かれて議論が勃発する。


胸派代表:ミルフィア(聖水/巨乳)

尻派代表:ヒップシア(重力/桃尻)

中立派:胸愛平等団、王都の神官長

議題は「戦闘における魔力の起点は胸か尻か」。戦略的・哲学的テーマに議場が揺れる。桃子が壇上で「そもそも女王が魔力の出自を肉体に頼りすぎでは?」と辛辣なツッコミを入れると、一斉にざわめきが起こる。


◆ 5.陰謀の兆し

その頃、城の地下奥深くでは、尻教団の幹部が何かを企てていた。彼らは“胸派の失脚”を目的に、魔王軍と繋がり、禁断の“尻魔力増幅装置”を製作中と判明──次章への大きな伏線になる。


◆ 6.胸愛平等団の調停と決意

混乱の中、ミルフィアとヒップシアの士気が落ち始める。巨乳と尻の両方にかける負担は大きかった。そんなとき、桃子が壇上で動く──


「胸だ尻だで争っても、この国も世界も救えないっ!私たち胸愛平等団は、胸と尻、どちらも大切にしようって信じてる。身体のどこだって、魔力を宿す器だもの!」


天宮、凛、九条、黒崎もそれぞれ拳を掲げ、壇上に上がる──


「胸と尻……融合の鍵は、私たち“胸尻シンフォニー”よ!」(天宮)

「胸も尻も、どっちが正義とかじゃなく、戦い方だろ!」(凛)

「胸と尻の均衡が魔力制御の真髄です」(九条)

「闇乳と桃尻が共存すりゃ、誰も止められないっス」(黒崎)


その宣言により、議場は一気に静まり返る。議長の王までもが胸と尻の調和を求め、議会は一時休会。新たな使命として「胸尻調和の旅」が決定される。

―王都ラブリウス、未明の襲撃―


王都ラブリウス。豊かな文化、長きにわたり築かれた伝統、そして何より「胸の美学」を尊ぶ価値観で栄えてきたこの都は、その日、突如として異常事態に見舞われていた。


空が裂けたかのような轟音とともに、巨大な影が王都の上空を覆った。


「お、おい……あれを見ろ……!」


市街に集う市民が指さすその先に、空を滑る異形の建造物があった。まるで城塞のような外壁に、艶やかに丸みを帯びたフォルム。艦体の底部には、堂々と張り出した“双丘”――いや、もはや“双尻”と呼ぶべき巨大な突起物があった。


「な、なんだあれは……!」


「ケツ……飛んでるケツだァーッ!!」


それは、尻型飛行要塞――「グランド・ヒップ」。尻教団の誇る空中移動拠点であり、これまで山岳地帯や僻地に潜んでいた尻派が、ついに公然と世界の表舞台に姿を現した証であった。


―混乱の中の再会と分裂―


「凛! 桃子! 命っ! 無事!?」


瓦礫の間をかき分けて天宮桜が走る。揺れる豊かな胸を抑えることすら忘れて、彼女は仲間の安否を確認していた。


「ふっ……まさか空からあんなバカデカい尻が降ってくるとはな」


神崎凛は、剣を鞘に戻しながら軽口を叩いた。彼女の炎属性の剣技は、第一波の襲撃に立ち向かう民兵の中でもひときわ目立っていた。


「命、あんた……何してるの?」


桃子が呆れ声を上げる。黒崎命は、尻教団のローブ姿の者と向かい合っていた。


「くく……この闇の精霊力を感じ取ったか。さすが尻教団。だが――勘違いするなよ」


尻教団のスカウトに笑いながら中指を立てる命。


「私は“貧乳派”。この小さき丘にこそ真実が宿るのだ。くだらぬケツ教などに寝返ると思うな!」


「そうか、残念だ……だが心変わりしたら、いつでも迎え入れよう。我らは広く受け入れる。胸の大小で差別はしない」


「それがいけすかないんだよ! 正義ってのは、尖ってるもんなんだよ!」


その一喝に、王都中が再び燃えた。尻教団の尖兵が次々に投下され、市街戦が開始される。


凛の炎剣、桜の大地の波動、桃子の風刃が街を守るために交錯する中、次第に見えてくる新たな敵の姿。


「……どうやら、尻教団はただの信仰団体じゃなさそうだね」


桃子は空を睨んだ。あの要塞の中には、まだ見ぬ強敵が潜んでいる――。


1. 尻型要塞、飛来】


空が裂けた。真昼の空に、巨大な影が迫る。王都ラブリウスの上空に、突如現れたのは……異形の浮遊要塞。


その形は、明らかに「尻」だった。


「ちょっ、なにあれ!? でかっ……! 尻!?」

風の属性をまとう佐藤桃子が叫ぶ。誰もが言葉を失った。要塞は、まるで彫刻のように形づくられた双丘のようなフォルムをしていた。


「……認めたくないが、あれは……尻型の空中要塞『ヒップ・ドミナンス』」

九条光が神妙な顔で言う。

「くっ、奴ら……ついに本気を出してきたのね」

神崎凛が剣を握りしめる。赤い瞳が燃え立つ。


ドオォォォン!!

要塞から無数の光弾が放たれ、王都の街並みを襲った。建物が崩れ、民たちが逃げ惑う。緊急防衛隊が展開するも、混乱は広がるばかり。


「王都が……! どうしてこんなことに……」

天宮桜は震える声で呟いた。彼女の胸が、ざわついた。


その時、上空から声が響いた。


「我らこそ、真なる審美を信奉する『尻教団』。この腐りきった“胸主義”の王都を、我らの理念で浄化せん!」


──尻教団。その名は以前から噂されていたが、表立って活動することはなかった。だが今、彼らは王都ラブリウスを、胸派の拠点と見なし、全面戦争を仕掛けてきたのだ。


【2. 市街戦と三派の衝突】


「全員、構えて! 尻信者が侵入してくるわよ!」

凛が叫ぶと同時に、黒装束の尻信徒たちが市街地に雪崩れ込んできた。


「尻が美しい! 尻こそが真理だァッ!!」

「胸は甘え、尻は哲学!!」

叫びながら繰り出される“美技”の数々――ヒッププレス、セクシーロール、ローズ・バットシュート。まさに尻の芸術が炸裂する。


桃子は冷静に状況を見ていた。

「……これ、マジで美的論争で世界終わるやつじゃん」


一方、戦場の中で一人――黒崎命が尻教団の幹部らしき人物と向き合っていた。


「ほほう、君のその薄き胸……まさに“可能性”に満ちている。貧乳こそ未完成の美。我ら尻派とは相性が良い。共に来ないか?」

「……ふざけるな!!」


命の目が赤く光る。くノ一としてのスピードを活かし、尻信者たちの間を舞うように切り裂いていく。


「私は“貧”の中にこそ信念を見出した! この小さき胸で……世界を斬る!」


その姿に、敵も味方も息を呑んだ。


だが、戦闘の最中、命はふと仲間たち――特に巨乳である光や桜の姿に目をやった。


「……どうせ、あいつらには分からないさ。小さき者の痛みなんて」


そのつぶやきは、凛の耳に入っていた。


【3. 仲間の絆と内なる亀裂】


戦いが一段落し、一時的に尻教団は撤退する。


桃子たちは負傷者を手当てしながら、避難民を支援していた。だが、その場の空気は、どこかギスギスとしていた。


「命……今、なんて言ったの?」

凛が問い詰める。


「別に……ただ、私は巨乳なんかに理解されたくないってだけ」


「ふざけないで!」

凛の叫びが響いた。

「私は貧乳よ。コンプレックスもある。でも、それを理由に仲間を拒絶するの? そんなのただの逃げじゃない!」


命の目が見開かれる。

「……凛、お前も……?」


二人の間に火花が散る。


だがその時、桃子が手を叩いた。


「はいはい、ストップ。仲間割れしてる暇ないよ。あたしら、戦ってた相手のこと、忘れてない?」


その言葉に、皆がハッとする。


「……そうだな。敵は、尻だ。いや、美を暴力に変える“狂信”そのものだ」

九条光が、静かに言った。


「胸も尻も、貧も豊も、結局は“想い”があるかどうかじゃないの? 私はそう思う」

天宮桜が微笑んだ。


その時、城の鐘が鳴る。王の使いが、彼女たちに呼び出しを告げた。



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