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…なぜこんなところに人が倒れてるの?
私の目の前には金色の蜘蛛の糸のように1本1本が細い髪に、青色の綺麗な瞳をした男が倒れていた。
王子様のような外見の男は騎士の格好をしていたが、返り血と自分の血で凄いことになっている。
無視しようか迷ったが、この顔が死ぬのは惜しい事なので治癒魔法で怪我を治した後、私が住む教会に持ち帰ることにした。
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「ただいま帰りました!」
「おかえ…あらあら。貴方が拾い物なんて珍しい」
驚いているのはこの教会のまとめ役で、私を拾ってくれたリリーさん。ここの小さい教会にはルールがいくつかある。
その内の1つが拾い物。拾い物というは動物でも人でも拾ってきたのなら拾った本人が世話をするのがルールだ。勿論みんな拾い物を暖かく迎えるのだが。
ここには多くの子供たちがおり、みんな拾い物だ。教会の前や森で捨てられていた子、奴隷だった子。みんなそれぞれ同情したシスターが拾ってきたのだ。私も教会前で捨てられていたところを拾って貰った。
さて、この男をどうしようか。大人を子供たちと一緒の場所で寝かせる訳にはいかない。空いてるシスターの部屋にでも寝かせよう。
男の傷は治っているので目を覚ますのを待つしかない。男のご飯でも貰ってくるか。
この教会はかなり豊かだと自負している。自給自足で食料は潤っているし、余った食材は少し離れた町で売っている。おまけにお金を恵んで下さる貴族や商人もいる。
例え彼らが偽善でお金を渡していてもそれでいい。行動をする偽善者は有難い以外の何者でもない。
さらに言えば子供たちが教会を出た後でもご飯に困らないよう、戦える子達は冒険者として頑張っている。
私には魔法の才能があったため、子供の頃からよくお小遣い稼ぎやお肉の調達として依頼をこなしていた。シスターとなった今でも冒険者を続けている。
教会に残った子も協会を出た子もお金が稼げる冒険者の子達は育てて貰った恩として教会にお金を納める子達が多い。それもあって教会がお金に困ることはないのだ。
「あらマリー、そろそろ来る頃だと思ったわ。とりあえずスープとパン、お肉も用意したわ」
私が台所に行くと男のご飯を渡された。どうやら既に私が拾い物をしたことは広まっているようだ。素直にお礼を伝えて台所を後にする。
部屋に帰ると男は目を覚ましていた。
「おはようございます。ここは教会ですよ」
私は男がここにいる経緯を話し、ご飯を与える。よっぽどお腹がすいていたのかすぐに平らげてしまった。かなりの量だったはずだ。
「おかわりをしますか?」
「いえ、大丈夫です。お気遣いに感謝します。」
男は随分と礼儀がよく、ちょっとした所作でも綺麗だった。どこかの貴族なのだろうか…
「申し遅れましたが、私は王都で騎士をしているレイモンドと申します。この度は助けて頂きありがとうございます」
やはり騎士なのは間違ってはいなかった。しかし王都とは…ここから随分と離れているはずだが?
「まぁ、とても立派なお仕事をされていらっしゃるのですね。お仲間がさぞかし心配しておられるでしょう。手紙を書く必要がありそうですね」
私は男…レイモンド様が仲間に居場所を伝えれるように紙とペンを用意した。
レイモンド様はすぐに内容を書き終えたので、一緒に街まで降りて手紙を届ける依頼をすることとなった。
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手紙の依頼を終え、ついでにと街を案内していた。
「手紙は早くても1週間後に届くかと思います。王都に帰れるようになるまでは協会で過ごしてくださって構いません。」
「…ではお言葉に甘えさせていただきます」
「そろそろ日が暮れます。帰りましょう。」
「あの、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」
(あら、私ってば名前を名乗ってなかったわ…)
「私はあの教会でシスターをしているマリーです」
私たちは雑談をしながら教会に帰った。
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「マリーさん、実は相談があるのですが…」
食事を終えたレイモンド様は私に話しかける。
騎士として腕が落ちるのは良くないので剣を振れる場所があるかどうかの相談だった。
「そうですね…教会にもスペースはあるのですが、子供たちがいるので…」
「難しいですよね…すいません、今のは忘れてください」
「魔物を倒すのはどうでしょうか?森のルールは私が教えればいいのですから」
魔物を相手にするのは良い案だと思ったのかレイモンド様はすぐに頷き、明日から一緒に森へ行くことになった。




