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ソシャゲみたいな世界に転生した俺が必死で生き抜いていく話(仮)

作者: 緋松 節

なんかできた。






 唐突であるが、銃撃戦である。

 銃弾とか謎ビームとか火炎放射とか冷凍光線とか斬撃とかが飛び交う中、俺は舌打ちをしながら物陰に飛び込む。手にした【SV(ストレイヤーヴォイト)インフィニティ・カスタム】のマガジンを交換。スライドをリリースし、少し引いて薬室に弾丸が送り込まれているか確認(チャンバーチェック)。状況を知るためインカムに吠えた。


「エリーターズリーダーより各員、生きてるかぁ!?」


 さすれば部下たちの反応が返ってくる。


「レフト1、生きてます」

「レフト2何とか!」

「ライト1死んでない!」

「レフト3生きてるけど残弾やべえ!」

「ライト3、むしろなんで生きてんのかな!?」

「ライト2なんで当たってんのにピンピンしてんすかあいつら!?」


 どうやら連れてきた連中は全員無事なようだ。その事実に胸をなで下ろしつつ、俺は言う。


「9パラなんぞが有名人(ネームド)に効くモンかよ! あいつら「いったぁ~い」で済ますような連中ばっかだぞ! だから最低でも45ACP採用しとけって言ったのによ!」

「隊長が自腹切って得物揃えた理由がやっと分かりましたわ。……で、どうしますこの状況。逃げますか?」


 副長を任せてるレフト1が冷静さを装った声で聞いてきた。俺も逃げたいのはやまやまなんだけどな。


「なんもせんと逃げたら【代表】にこっぴどく絞られるわ。俺が。そうでなくとも立場上ほっぽり出すわけにもいくまいさ。……やらかしてる連中は確認したか? こっちは【ナイトブレイズ】と【渦巻く十字団(ヴィルヴィルクロイツ)】を確認した」

「レフト1、渦巻きの連中はこちらでも確認しました。それと【失墜天使(エンジェルダスト)の下っ端もちらほら」

「ライト3、ダ(メ)天使ならこっちも見たです。他は【ベルセルククリニック】とかいましたです」

「【クワイエットレディース】と【シルベスタファミリー】、【777(スリーセブン)マフィア】が派手にやらかしてるっす。あ、ライト2」

「よりにもよって問題児ばっかかよ。あとは日本語通じねえチンピラ(ラッツ)どもがうようよしてやがる。便乗してる連中か。……よし、チンピラと下っ端を優先的に黙らせるぞ」

「有名人どもはどうするんすか隊長」

「連中の相手なんぞまともにできるか。互いに潰し合わせてろ」

「【スペシャルズ】に援軍要請するのは?」

「あの爆発物ども呼んだら余計に話拗れるわ。この状況を軟着陸……はできそうにないからせめて延焼を防がにゃならん。そういう意味じゃ瞬間湯沸かし器は不向きだろうよ」

「墜落爆発は不回避なんだ。……ってか燃えまくってるしなあ現状」

「そういうこった。どうにかしようとしたって言う事実くらいは作っておかにゃ言い訳できん。あとは弾切れたら順次撤退……『たいちょーさん! 聞こえるー!?』【お嬢】か!」


 突如脳裏に響く声。指揮系の【テック】によるテレパスだ。俺の知り合いでこれを使えるのは一人しかいない。


「総員! 騎兵隊が来たぞ! お嬢、状況は把握しているか?」

『うん、またいつものごとく複数の【クラン】がしょうもないことで喧嘩してるんだね?』


 全力で暴れ回ることを喧嘩というのかはさておき、しょうもないのは確かだ。


「全く、こしあんか粒あんかでおっぱじめるとか何考えて生きてんだかあいつら。どっちも小豆だろうが」

「隊長隊長、そういう問題じゃないです」


 まあどうでも良い。ともかくテレパスで連絡を取ってきたのは、俺が【お嬢】と呼ぶ少女だ。指揮の能力を買われてある組織にスカウトされた、新米のクラン指揮官である。彼女が来たと言うことは、その指揮下にあるクランが介入してきたと言うことだ。

 数少ないまとも……まとも? まともとは一体……? ともかくどちらかと言えば秩序側で俺達とは協力関係にあるクラン【ホープブリケイド】。色々とアレな所はあれど援軍としては心強い。


「お嬢、チャンネルは合わせてるな? 【オペ子】に位置情報をよこせと言っといてくれ」

「誰がオペ子じゃスタイリッシュヤクザ! ……ん、こほん。こちらHBマム。エリーターズに位置情報を送ります」


 向こうのオペレーターから、こっちのサングラス型デバイスにデータが送られてくる。網膜投射による疑似立体映像ディスプレイを確認すると、彼女らの位置はそう遠くない。


「お嬢、正面から鉄火場押さえられるか?」

『ん、今のメンバーならなんとか』

「OK、俺達は側面から回って下っ端を蹴散らす。その後そっちのフォローに入る。うちの権限を一時的に預けるから、遠慮なくふん縛れ」

『りょうかい~!』

「総員聞いたな? 攻勢に出る。頭は俺が取るからついてこい!」

「結局こうなるのね」

「なんだかんだ言って乗り気になるんだもんなあ」

「ぼやくなぼやくな。手当が付くんだから」

「割に合わないような気がするんだけど」


 通信越しに部下がごちゃごちゃ言っている声がするけど気にしてる場合じゃない。俺はタイミングを計って物陰から飛び出した。






 おっと、言い忘れてたが俺の名は……仮に【エリーターズ隊長】とでもしておこう。

 なぜだか前振りもなく、やたらと危険で女の子多めなこの世界に転生した、ちょっと強めのモブキャラだ。











 人物紹介

 【エリーターズ隊長】


 多分この話の主人公。突如どっかの異世界と繋がりダンジョンと化したシンジュク(新宿ではない)駅周辺を中心に封鎖され、立ち入りを制限されたトウキョウ23区、通称【封印都市】。無法地帯と化したその地区にて治安維持活動を行う半官半民組織【ガーディアン・システム(通称GS)】に所属する上級部隊【エリーターズ】の隊長。

 何の前触れもなく気がついたらこの世界に転生していた。そして特殊能力【テック】に目覚め、いくつかの勢力からスカウトを受ける。その中で一番まともそうなGSに就職。それなりに頭角を現し調子に乗るが、天狗の鼻をへし折られてちょっとやさぐれた。


 この世界で封印都市に放り込まれる人間は、犯罪者か特殊能力に目覚めた者たちばかりなので、彼の周囲にまともな人間が少ない。また特殊能力に目覚めるのはなぜか女性の方が圧倒的に多いため、結果的にまともじゃない女性とばかり関わる。明らかな女難。

 転生前のことは記憶がおぼつかないが、銃器やアクション物が好きだったらしく、そういった物はよく覚えている。またそれらから受けた影響が大きく、ノリがアクション映画の登場人物っぽい。なんかあったら巻き込まれる運の悪さも。

 彼はこの妙に女性が強くてエロい格好している世界を、何らかのゲームや創作物の世界ではないかと思っているが、本人の記憶にそのようなものはないので首をひねっている。


 制服である黒スーツと、多目的電子デバイスを兼ねたサングラスという出で立ちで、様々な銃火器を用い時折格闘なども織り交ぜた戦闘スタイルで 戦う。ぶっちゃけジ●ン・ウ●ックじみたアクションで立ち回る。テックは基本的なものしか使えず、基本能力は上澄みと比べて一歩も二歩も劣るが、正式な戦闘訓練を受けた上で経験を重ねた結果、総合的な戦闘力は上位陣に食い込む。もっとも本人はちょっと強いモブと言ってはばからない。


 使用するハンドガンは【SV・インフィニティ・カスタム】。米国のストレイヤー・ヴォイト社(現インフィニティ・ファイヤアームズ)製の多弾倉ガバメントコピー(所謂ハイキャパシティ)であるストレイヤー・ヴォイト・インフィニティの45口径6インチバレルモデルをカスタム化したもの。見た目は元の銃に東京マルイのハイキャパデュアルステンレスカスタムのデザインを施した感じ。かなりごつい。趣味と実益を兼ねた物で、彼はこの銃の制作にボーナスをつぎ込んだらしい。その他にも多数の銃器や武器を使いこなす。


 外観はイケメンに見えないこともないといった程度。スタイリッシュヤクザとか似非アクション俳優とかキリングマシーンとかヤベーのとか色々言われている。ゲームキャラだとすれば、F●Oのエミヤかクー・フーリン的な立ち位置。

 イメージソングはポルノグラフィティで【敵はどこだ?】か柴田恭兵の【TRASH】。











ちょっとしたゲームへの転生モノッぽい話を思いついたので、冒頭だけ書いてみました。

そしてハーメルンとの2重投稿を試みてみることに。反応が良ければどっちかで続きができるかも知れません。

なんか感想があればください。(何様)


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