※ここからはえげつない描写があります、苦手な方は読まない事をすすめます
(少し長くなっております)
人が集えば何ができるか……派閥やらができれば手を取り合って助け合い偏見と侮蔑に劣等感からくる差別が思想化して閉鎖的にや排他的になる、大体思考が一人一人異なる奴等がまともに一つに収まるのなら苦労はしない
それでもただ平和に暮らしたいから其処に居させろというだけでなく、此方にも利益を提示して欲しいと主張する身勝手な不届き者脳無しの只の屑虫共も意味不明理解不能な"根・拠・"で喚き叫び周りへ当たり散らす引っ掻き噛み付き回る手合いクソ野郎もやって来る事もある
お前は何が言いたいんだと聞かれるなら、そんなの仲良しこよしは余裕ある富める者の特権気紛れでしかないと言わせて貰おう
実際そんなもので、その程度でしかないのであると…
「…。」
「《…ゥー》。 《…ゥー》。」
今日もまたあの場所拠点跡から何か探そうと出かけたある日…ソ・イ・ツ・はその目的地から少し離れた位置にある裂けたドラム缶の中に居た、恐らく"出荷"の準備中に隙を見て脱走したと思われる手足肘・と膝・の短いから先が無い"牝メス"だった…としか言えなかったのを憶えている
煤すすけているが艶つやのある薄い土色の髪が肩辺りまでは伸びていて此方こちらを向いているが視線が一切合わない目には赤い瞳があるものの暗く淀んでいる、だらしなく開いた口からはピンク色の"半分しかない"舌が下がってその先と顎下から涎ヨダレをポタポタと垂れ流していた
……何と言うか、あまりお近付きになりたくない手合いが居た
その口元をじっくりと…神経質に注意深く観察する、この理由は此処で小競合いドンパチが起こる随分前に口周りを白い泡で覆う様に吹いていた野犬がいて…それに襲われた奴が暫しばらく見ない内に同じ状態になって周りの連中へ獣の如く襲い掛かった事があったからだ
……数分程観察したがその心配はなさそうだったのだが別の問題が残っている、耳に札が付いているところから何処かの商品であり確実にコイツを探し回っているのは間違いないだろう
しかし当時のオレは何の気の迷いか、この厄介者の首輪から伸びる縄紐リードに手を伸ばして掴み取り…引いてかつて在った住処すみかへと連れていってしまった
憐あわれんでの同情だったのか今更になって心細くなったかはもう分からないが、あの頃は連れて来てしまった以上責任を取るしかないと思い直してソイツとの奇妙な"共同"生活を始めたのだった__