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オレは面倒が嫌いなんだ  作者: ゆるせマン
追憶"灰色の長き前日談"
59/69

"仔牛"



※ここからはえげつない描写があります、苦手な方は読まない事をすすめます

(少し長くなっております)





人が(つど)えば何ができるか……派閥やらができれば手を取り合って助け合い偏見と侮蔑に劣等感からくる差別が思想化して閉鎖的にや排他的になる、大体思考が一人一人異なる奴等がまともに一つに収まるのなら苦労は(下らない争いなど)しない


それでもただ平和(静か)に暮らしたいから其処に居させろというだけでなく、此方にも利益(楽して稼がせろ)提示して欲しい(俺可哀想だから寄越せ)主張する(恐喝(タカ))身勝手な不届き者(脳無しの只の屑虫共)意味不明(理解不能)な"()()"で喚き叫び周りへ当たり散らす(引っ掻き噛み付き回る)手合い(クソ野郎)もやって来る事もある


お前は何が言いたいんだと聞かれるなら、そんなの(仲良しこよし)余裕ある(富める)者の特権(気紛れ)でしかないと言わせて貰おう

実際そんなもので、その程度でしかないのであると…



「…。」


「《…ゥー》。 《…ゥー》。」



今日もまたあの場所(拠点跡)から何か探そうと出かけたある日…()()()はその目的地から少し離れた位置にある裂けたドラム缶の中に居た、恐らく"出荷"の準備中に隙を見て脱走したと思われる手足(()())の短い(から先が無い)"(メス)"だった…としか言えなかったのを憶えている


(すす)けているが(つや)のある薄い土色の髪が肩辺りまでは伸びていて此方(こちら)を向いているが視線が一切合わない目には赤い瞳があるものの暗く淀んでいる、だらしなく開いた口からはピンク色の"半分しかない"舌が下がってその先と顎下から(ヨダレ)をポタポタと垂れ流していた

……何と言うか、あまりお近付きになりたくない手合いが居た


その口元をじっくりと…神経質に注意深く観察する、この理由は此処で小競合い(ドンパチ)が起こる随分前に口周りを白い泡で覆う様に吹いていた野犬がいて…それに襲われた奴が(しばら)く見ない内に同じ状態になって周りの連中へ獣の如く襲い掛かった事があったからだ


……数分程観察したがその心配はなさそうだったのだが別の問題が残っている、耳に札が付いているところから何処かの商品であり確実にコイツを探し回っているのは間違いないだろう

しかし当時のオレは何の気の迷いか、この厄介者の首輪から伸びる縄紐(リード)に手を伸ばして掴み取り…引いてかつて在った住処(すみか)へと連れていってしまった


(あわ)れんでの同情だったのか今更になって心細くなったかはもう分からないが、あの頃は連れて来てしまった以上責任を取るしかないと思い直してソイツとの奇妙な"共同"生活を始めたのだった__



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