"果て"の果て
__黒一色の"中"で浮き上がる様な感覚の後、朧気な小さい光が見えた
遠い…遠い…でも近いような…まるで手を伸ばせば届きそうなあの日に見た星空を思わせるもどかしさ、もう何も感じない筈なのにそんな気がした
……呼んでいる、分からないが向こうに行くよう導かれている…声ではないが音でもないのに頭の芯から響いて中で反響する様に聞こえてくる
何となく…分かった気がした、光の方に行けば"戻れる"のだと__
………目が覚めた、何故かは分からない
理解したのは自分が間違いなく確実に"死んだ"事と、またこの【R.V.R.R】に入れられた事だ
でなければオレがこれを二回目だと感じない筈がない、まさか手足は動かせず目の瞬きしかできない状況を二度も経験する羽目になろうとは思いもしなかったよ…
ここにオレを入れたのは恐らく"恩師"だろうな…助かったのは良いがこの後が恐ろし過ぎる、ヤバい頼みでも来なければいいが…
※【R.V.R.R (リヴァイブ・リジェネレーター)】
●正確な情報が解っておらずこの奇跡の遺物に入れられたクレフト自身でさえ、そのスペックの大部分を開示されていない
ただ唯一判明している事は四肢の再生だけでなく、『死体すら"再生して蘇生させる"事を可能としている』という常識外の機能を持つ事にある
…しかしながら"完全に"という訳ではないようで…クレフトの顔の右半分からヘソの下までの大部分の『欠損』を再生させたが、細胞自体に残る負荷が深刻だったか失った目と耳はそのままに大きな傷痕を残している
それでも脳の再生自体は問題無く可能である時点で、尋常ならざる代物だと言えよう