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夏休み最後の難題

 マルツファイバー学園は夏休み真っ只中…と言いたいところだが、ソワソワしている人間がここに2人いた。


翔月「とうとうこの日が来た」


 8月30日の朝、翔月とトムは集まって何かを考えていた。机の上には大量の宿題が並んでいる。


 夏休み始まってから麗華の家でみんなで宿題をやることになったのだが、翔月とトムは宿題を一切することなく遊び呆けていた。



翔月「これは厄介な事だ…」


トム「いつもは31日に気づいて慌ててやっているが…今日はまだ30日だ。」


翔月「あぁ…まだ間に合う。」



 翔月は宿題を早く終わらせるための「秘策」があるため外に出た。


 トムはスマホを取り出し電話を掛けまくった。人数が必要なのでマルツファイバー学園のスペシャリストを呼ぶことにした。



翔月「手に入れたぜ…」


トム「君ならやり遂げると思ったヨ。」



 翔月が右手に持っていた紙は長政の家から盗んだ長政の完璧な夏休みの宿題であった。



 長政は学年1位の記録を連発するほど頭が良いため、「長政=答え合わせ」みたいなものである。


 

 だが、翔月が持ってこれたのは一教科で英語のみであった。とってくる途中、寝ていた長政がたまたま起きて夏休みの宿題を盗まれそうなとこを発見し、争っていたら全教科あったのが一つだけになっていた。



翔月「すまん、一教科しか手に入らなかった。」


トム「案ずるな翔月…」


 トムの表情がいつもより大人びていた。


トム「2人が駄目なら大人数で取り掛かればいいだけの話。」


 そう言うとトムは電話で読んだ助っ人を呼び出した。



 まずは最初にコイツだ!!マルツファイバー学園一年生:朝日修一郎あさひしゅういちろう。運動抜群のこの男は毎日10kmのランニングを2セットこなすバケモンだ。

 その圧倒的持久力と粘りで最後まで宿題に手をつけていられる唯一無二の逸材だ。




 続いて…同じく1年:前田学人まえだがくと。眼鏡を装着しているから一見頭いいのかなぁ…と思わせる一方でテストの成績は学年最下位。何故コイツを選抜したか、そう聞きたいはず。


 勿論学年一位なら完璧な答えが出てくるが、僕達は下の下。答えなんて微塵も分からないがその下の下の頂点にいる前田は奇想天外…ここにいる誰もが思いつかない様な答えを見出してくれるはず。



 

 最後はコイツだ!!マルツファイバー学園で唯一二つ名を許された人物でもあり、宿題会のスペシャリスト。


 二つ名は「スーパーコピーマン」。その圧倒的なスピードで長政の回答を瞬時に覚えて皆の回答欄に書いてくれるぞ。



トム「完璧な布陣だヨ。」


修一郎「パワーなら任せろ!」


学人「回答が一通りじゃない事を教えてやる!」


スーコン「早く…俺に…書かせろ…」



 トム達が威張りちらかしているところ、翔月は手を挙げてこう言う。



翔月「問題解ける奴は?」


トム「あ…」


翔月「回答欄を埋めても一教科につき8割正解じゃないと再提出だったはず…」


トム「5人の脳をフル回転させて解くしかないヨ。」



 その後、31日の夜9:00になんとか終わらせるのであったが…



翔月「皆ここまでよくやった。これで明日からいい気持ちで学園に行ける。」


修一郎「部活し放題だ!!」 


学人「放課後残らないで済ますね。」


スーコン (ニヤリッ) 


トム「よし、夜遅いし解散!!」



 トムが立ち上がった瞬間、宿題のページがひらりと開きこう書いてあった。



 ・美術館で絵を見て模倣して感想

 ・技術で木製のDIY一つ

 


翔月「トム…美術館って行った?」


トム「行ってないヨ。」


修一郎「木材なんて買ってないし…」


学人「今から作るのって無理に等しい」


スーコン「専門外…」



 この後5人は解散して明日、怒られて放課後居残り勉強の刑になるのであった。

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