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だらけ部  作者:
5/10

雨でずぶ濡れ 心はズタボロ

 今日は雨が酷く、外で実験する事も出来ずにただ部室で佇んでいた。


優子「これから夏シーズンだっていうのに…」


長政「梅雨だから仕方ないだろう」


翔月「いっそ雨を利用した遊びでもする?」


一同「う〜ん」


トム「水鉄砲対決をしましょう」


翔月「雨だから当たったって分からないでしょ」


トム「心配いりません。家庭科室で染料の粉を取ってきたので、当たったら分かります。」


翔月「雨が降ってるから玉の補充も要らないし、雨で濡れて染料も無くなるってことか!トムお前、天才じゃないか。」


優子「でも肝心の水鉄砲がないよ。」


麗華「セバス…」


セバス「はい…」


麗華「水鉄砲…あるだけ買い占めてきて」


セバス「お嬢様の言う通りに…」


 セバスは水鉄砲といっていいのか分からない物まで買ってきましたが、気の利いたセバスは雨合羽等も揃えていました。


優子「早速、外に出て対決だぁ!」


長政「3対2になってしまうがどうするんだ?」


麗華「今夜はパーティがありますの。汚れるわけにはいけませんので、私は辞退して見る専門にしますわ。」


翔月「これで2対2だな…行くぞトム。」


トム「足を引っ張らないでよ翔月。」


 舞台は校庭…いつもは陸上部が使うが雨により誰も使っていません。そしてここに、若き4人のチャレンジャーが現れた。

 

 まず1人目は中野優子!!運動能力は平均クラスですが持ち前のオタク力がここで発揮するのか。

 

 2人目は堺長政!!運動能力こそ中の下だが頭脳では学園第一位に輝く実力者。頭の回転の速さで戦況を上手く操れるのか。

 

 3人目は宇宙翔月!!足の速さは陸上部の主将と同格であり、何故だらけ部に入部したのかと未だに言われる隠れた天才。今回は雨で濡れて滑りやすいが脚力が発揮できるのか。

 

 最後にこの男…トム・レヴァンティー。なんといっても10カ国語を話せる人間であるにも関わらず、英語の成績は下から2番目。産まれも戸籍も純度100%日本人で、本名は日野大和ひのやまとだが、外国の人に憧れを抱いて金髪に染めて戸籍を偽り登校している努力家。


優子「この状況は漫画で見たことがある。」


長政「まだ始まってもいないんですけど…」


麗華「なお平面だと味気ないので、学園の倉庫から色々持ってきて障害物として置いてますので怪我など注意して下さい。」


セバス「ゲームスタート!!」


長政「あのバカ2人の考える事は…優子、そこの障害物を撃ってくれ。」


優子「あいよ。」


 優子は某イカゲームのス◯ラシ◯ーターで障害物を撃つと…


翔月「ゲゲ…居場所がバレてた…トム退却だ!」


トム「翔月、ここは障害物を盾にして進んだ。僕が囮になる…翔月は見つからないよう裏から回って二人を…」


翔月「了解したぜ、トム軍曹!」


トム「健闘を祈っているヨ。」


 トムは玉に当たらないように少しずつ障害物を盾にして前に前に進んでいった。


優子「威力が足りないかも。長政、アレを。」


長政「はいよ。」


トム「それは…」


 長政が取り出したものはM134である。

玉は水風船になっており、もし当たってもビンタされた感覚くらいなので安全性も高いと言えるが、玉の補充がネックでいちいち水風船を作らないといけない。


トム「当たらなければどうということはない」


長政「砕けろ!」


 攻めの長政…守りのトム、この二人の争いがこの後の戦いの勝ち負けを大きく変える。 

 優子は長政とトムの攻防に目が離せなくなり、翔月を見失いました。


翔月「後少し…もうちょい…」


 翔月は優子と長政の背後をとりつつ、トムの合図で動く準備をしていました。


 トムが上に向かって水鉄砲を撃ちました。


長政「もう諦めたか…」


トム「いや…違うヨ。」


 翔月は障害物の影から出てきて優子と長政を狙い定めました。


トム「行け翔月!!そのまま二人を頼む…」


 トムは疲労していたのかバタン…と倒れました。


翔月「トムの仇…ここで果たす…」


長政「なにも仕掛けてないと思ったのか?」


 長政は地面にカモフラージュさせた水風船を自分たちを囲うように張り巡らせていました。


翔月「うぉぉぉぉぉ…」


 翔月は咄嗟の判断で地面の若干膨らんでいる場所以外をジャンプしながら通りました。


翔月「この距離なら狙える…いっけー!!」


優子「長政、」


長政「うしろに下がって障害物の影に隠れるぞ…」


 優子は自分が埋めた水風船を踏んでしまい、自爆しました。


長政「誤算だった。だが、M134の前に堂々と来てどう避けるんだ…」


トム「お前は負けだ…長政…」


 トムは、なんとか起き上がって長政の足を掴んで足止めしました。


長政「ト…厶…」


 長政が振り向いた時には翔月のス◯ラ◯ューターが顔面スレスレの位置で構えられていました。


翔月「終わりだ!!」


長政「翔月!!」


 長政は翔月に撃たれました。


翔月「勝ったのか…」


トム「あぁ…翔月、俺達は勝ったんだヨ。」


 二人は手を取り合いそう言った。


翔月「俺達は勝ったんだ!!」


???「何に勝ったんだって?」


翔月・トム「ゲゲゲ…体育教師の岡本…」


岡本教師「何やっとんじゃお前等!」


翔月「で…でも…優子と長政も…」


岡本教師「見るからにお前等二人だけじゃないか」


翔月「アイツラ逃げたな…」


岡本教師「お前ら明日生徒指導室な」


翔月・トム「はひぃ…」


 この後戻ってきた優子と長政と一緒に4人で後片付けをしました。



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