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7話 外来種の害獣? 私が駆除します!

日間ランキング4位!

ご期待いただき、ありがとうございます。


引き続き、よろしくお願いいたします。


リカルドさんと二人、トレントの声が聞えてきた森の方へと足を向ける。


『たすけて』との声を頼りに森を進んでいけば、たしかにそこでは身体がかなり大きいトレントが荒れ狂っていた。

その幹にある大きな口を開け、苦し気な咆哮をあげる。


しかし、本当にかなりの巨体だ。

かなりの年数をかけなければ、ここまで大きくはならない。見上げても、その端が見えないようなサイズだ。


トレントは数が少ないかわりに、一個体が長生きする傾向にある。

もう何百年も生きている個体なのだろう。


そんな動く巨木が、枝を周囲の植物に絡みつけ、爆発する実をいたるところに撒く。自分も爆発に巻き込まれているがおかまいなしだ。


これでは、なかなか近づきようがない。

【庭いじり】スキルで状態を確認するまでもなく、状態異常だ。


「トレントさん、どうしたの、あなた! どうすれば、あなたを助けられる!?」


だから、少し離れからこう声を張り上げたところ……


『……おまえ。聞こえるのか、わたしの声が』


トレントの動きが鈍くなり、こんな返事があった。


本当に会話ができて、不思議な気分になる。

王城で植物魔の世話をすることもあったが、その時は会話ができず、反応から様子を窺うしかなかったのだ。


でもやっぱり聞こえているのは私だけらしい。

リカルドさんにその声は聞こえていないようで、きょとんと首をひねっている。


「うん、聞こえる。どうすれば、あなたは楽になる? なにかできることがあるなら、なんでもする。だから落ち着いた方がいいわ。あなた、自分で自分を傷つけてる」

『わたしだって、そうしたいさ。好きでやっているわけではない。ただ、幹の裏側がかゆくて、どうしようもないのだ』

「裏側……。ねぇトレントさん。反対を向いてくれる? 誓って、斬りつけたりしないから」


私がこうお願いするのに、トレントは素直に従ってくれる。

その場で大きく回転するのを見て、


「本当に話せているらしい。……なにものなんだ、マーガレットくんは」


リカルドさんは唖然としていた。

まぁ私だって、自分が話せるようになっていなかったら、信じられなかったと思う。



さて、トレントの背が見えるようになる。

彼がかゆいと、伸ばした枝の一本でさす部分は表皮が剥がれ落ちて、深い傷が入っていた。


「この傷……」


見たことのある形をしている。

この歯形はそう、げっ歯類のもの。それも、拳一つ分くらいはありそうな大きさから見るに魔ネズミという魔物だ。


『どうなっている?』

「魔ネズミにかじられているみたい。覚えはある?」

『やはりそれか……。昔、奴らはこの島にいなかった。だが最近やたら数を増やして、わたしたちの天敵になっているのだ。身体が小さいから、見えないうちに背中をやられていたんだな……』


なるほど、魔ネズミは誰かが持ち込んだ外来種らしい。

それらが繁殖するあまり、トレントは危機に瀕しているようだ。


だが、彼は今のところ致命傷には至っていない。


「でも、まだ大丈夫。これくらいの傷なら、少し療養すれば治る。自暴自棄になって、暴れるほどじゃない」

『……だが、魔ネズミが増え続けている以上、わたしたちに安寧の場所はない。この先、どうすれば生きていけるのか分からぬ。待つのは絶滅、それが運命なのかもしれぬ』


さっきまでは暴走していたトレントだったが、今度は一転して、その木の枝をたらして、はっきりと落ち込む。


だが、それなら心配はいらない。


「大丈夫。それなら、私が駆除する! だから少しだけ暴れないで待ってて?」


害獣の駆除も、王城の庭を整備していた頃に何度もやったことがある。

つまりお手のものだ。





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焼き捨てられた元王妃は、隣国王子に拾われて、幸せ薬師ライフを送る〜母国が崩壊? どうぞご勝手に。〜

― 新着の感想 ―
[良い点] 文章が丁寧で読みやすく、サクサク読めます。 ヒロインの真っ直ぐで物怖じしない姿が見えるようです。 [一言] ヘンテコな「◯抜き言葉」や「出鱈目四文字熟語」が無いと安心して読めます。 ありが…
[気になる点] かゆくてどうしようもないのに話しかけたら急に落ち着いたのと、このままでは一族が枯れてしまうって言ってたのは何でだ?
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