表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/109

33話 不安定な彼女と突然の襲来



翌日以降も、カーミラさんによるわがままは断続的に続いた。



なんというか、不安定な言動だった。


「これ、あたしが作ったの。…………ど、どう?」

「これ、犬ですか! 可愛いです、とくにたくさん並んでる犬の姿勢が一匹一匹違うのが可愛いですね!」


なんて、木片から手作りしたらしい可愛いチャームを期待に揺れるまなざしで見せてくれることがあったり、


「この白い花がつくのがレリーフ草。たしか、日当たりがよくて風通しがいい場所を好むハーブで、落ち着かせる効果がある。

 それで、こっちのチルチル草はごつごつした葉が特長で、根っこを使う。魔力を外に放出させる効果がある。それから――」


真面目に畑仕事に取り組んでくれるようになり、よく畑を知らないなりにメモをとって植物の特徴を把握してくれる、なんてことも増えたのだが……


かと思えば、唐突に「疲れた」と言ってみたり、「夜更かしで寝不足だ」とわめいてみたりするのだ。


もはや、なにかおかしいことは分かり切っていた。

が、彼女に聞いても「なにが?」と言われるだけで、答えてはくれなかった。


しかしまぁそれでも、カーミラさんの要望が改善の参考になるのは、たしかだ。


なので私は寝心地のいい環境を作るため、ベッドに敷いている藁にレリーフ草を干したものをくわえたり、体力回復に効果てきめんという野草・リストロ草の花を採取してリカルドさんにスープを作ってもらったりなどして、できる対応方法を編み出していった。


そんなある日のことだ。

もう就寝していた私は、窓の外から唸るような声が聞えてきて、はっと目を覚ます。


『……いる。おき………』

「トレント達……?」


普段はおとなしく、こんな夜には私たちへの配慮から絶対に騒がない彼らだ。


私は眠気を押して、窓を開ける。

するとそこには、一匹の大きなトレントがべったりと貼りついていた。顔は見えないが、間違いなくトレちゃんだ。


こんなこと、平時ではありえない。


「トレちゃん、これどうしたの!?」

『おぉ、やっと起きたか、マーガレット嬢。とんでもない侵略者が来ている! 早く対処をせねば、畑が終わってしまう! あれは我らの天敵。屋敷はこうして守れるが、畑すべてとはいかなかった……!』


トレちゃんはそう言うと、窓の周りの枝や葉だけをのけてくれる。

そうして窓から見えたのは、大量の魔黒鳥まこくちょう・オムニキジが畑を襲う姿であった。


雑食である彼らは、ゴミでも野菜でも、なんでも食い荒らす凶悪な魔物だと聞いたことがある。


一応カラス避けなどは使っていたが、彼らには無効果だったか、ついに見つかってしまったらしい。


そして驚いたのは、もう一つ。


体の大きさにして成人男性程度、そのうえ鉤爪や翼は、鋼鉄のような強度を誇るオムニキジ。


町一つを破壊しつくすなんて噂もある凶悪な群れに対して、カーミラさんが寝巻き姿のまま勇敢にも農具を振り、追い払おうとしていたのだ。



夜も投稿いたします!

次回は、カーミラさん視点からお届けします。その真相もわかるかも?


【恐れ入りますが、下記をお願いします】


・面白かった、楽しかった


・続きが気になる




などと少しでも思ってくださった方は、画面下部の☆☆☆☆☆を★★★★★にして応援して下さると嬉しいです。


ブックマークも歓迎です!(╹◡╹)



よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【大告知】
本作、2巻が発売されています!
MFブックス様からの2月下旬の発売となりますので、ぜひに✨!画像がMFブックス様へのリンクになっております。
322411000126_01.webp 【ついで告知】 新連載はじめました!
大変面白い作品になりましたので、併せてよろしくお願いいたします。
焼き捨てられた元王妃は、隣国王子に拾われて、幸せ薬師ライフを送る〜母国が崩壊? どうぞご勝手に。〜

― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ