薄汚い中年不倫カップル編-1
その後文花は自宅の書斎に閉じこもりSNSを漁り、智香の裏アカを探したが、見つからなかった。向こうはやっぱりそこそこ賢いらしく、浅山ミイと違ってネットでの振る舞いは大人しかった。
目立つネットでの振る舞いは、仕事である少女小説の編集者としては、ショボい炎上をして叩かれてた事ぐらいだろうか。
智香は少女小説レーベルの公式ブログを私物化していた。韓国アイドルの演劇舞台の感想やコンサートの様子など、おおよそ少女小説と関係のない話題を投稿して、読者に叩かれていた。
少女小説ファンの間では、評判のよい編集者では無いようだ。そのブログで少女小説作家を名指しで「つまらない」「男尊女卑思想が目立つ」打ち切りになって当然」などと暴言を吐き、その界隈で炎上。
もっとも少女小説の読者自体があまり多くないので、たいした炎上にならなかったようだが、この事で智香も警戒心がついたらしい。当時少女小説ファンが見つけた智香の裏アカが閉鎖されたのだという。
文花はもしかしたら、少女小説ファンが智香の裏垢について詳しいのでは無いかと調べる事にした。
するとハンドルネーム・橋本ちゃんというものが、ブログやSNSで智香を叩いていた。少女小説の感想と共に、智香のブログでの言動の問題点がわかりやすくまとめられている。また、出版業会の問題も丁寧にまとめていて、「本の打ち切りを絶対に許さない会」(通称UZ)の会員だともいう。その会は漫画家も参加していて、そこそこの盛り上がりを見せているらしかった。
文花は橋本ちゃんにメールを送った。少女小説のファンをするのも難しいので、『愛人探偵』のファンのフリをして、困っていると悩みを書いた。仲良くなり、そこから智香の事を聞き出そうと考えた。『愛人探偵』の打ち切りでとっても困っている事は事実だったので、文章に熱がこもった。
これは嘘ではない本心だった。




