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後編

『来たキタきた~』

 惑星”エンド―ア”のはるか上空に位置する、”ボール・プレイング・キャット”の最高指令室である。


 ネムリネコが、司令官用の椅子に座って眠そうにしている。

 

『えっ、入港の許可要請っ』

 三艦のスタタターデストロイヤーからだ。


「当たり前だにゃっ」

「これは、ダーク帝国軍の宇宙要塞にゃ」


『くっ』

『ううう』

『……撃破命令……』


「えっ」

「こちら砲戦指揮所」

「もう一度命令を」


『破壊しなさいっ』

『スーパレーザー発射あああ』


 着艦体制に入りつつあった、三艦が炎に包まれる。


「ギャアアアア」

「IFF(敵味方確認信号)確認頼む、 IFF確認頼む」

「どうしてだ。 最高司令室ううう」


 惑星を破壊できる威力だ。

 宇宙戦艦では、ひとたまりもなかった。



「侵入者だニャ」

 ネムリネコが眠そうに言った。

 中央の熱核ジェネレーター制御室が、モニターに映る。

 

 白い柔道着のようなものを着た金髪、青い目の青年と、全身真っ黒の黒騎士。

 フードを目深に被った魔術師が見えた。


『私の宇宙要塞よっ。 どう使おうと私の勝手じゃないっ』

 ブツブツとつぶやいている。

 無抵抗の戦艦を沈めたダメージはでかそうだ。



 モニターの中で金髪の青年は、青い雷を付与した剣を持っている。


 パクパクパク 

 

「音は出ないのかニャ?」


「残念ながら集音器の無いエリアです」


 何かを話しているうちに、青年が怒りのあまり黒騎士に腕を斬った。


「過激だニャ~」


「剣を捨てたニャ~」

 青年が剣を捨てた。

 冷静になったようだ。


「ありゃニャ~」

 魔術師が雷の魔法を、青年に浴びせている。


「ライト二ングボルトは貫通しませんっ」

 (今必要な知識じゃないニャ)


「何してるか分かんないニャ」

 黒騎士がいきなり、魔術師を熱核炉に叩き込んだ。


『熱核炉に変なものを投げこまないでよっ』

 ”ナビゲーター”が今気づいたらしい。



 いつの間にか、ダーク皇帝が倒されていた。

 惑星”エンド―ア”の地上では、モヒカンのクマたちが、サバト、もとい宴会を開いていた。


 ドンドコドンドコ


「ヒャッハー」


「ヒャッハー」


 ネムリネコも帰ってきている。


『ひどいわ……』

『ここまでくると虐めよ……』


「何かあったのか?」

 アレクたちが、ネムリネコに聞く。


「……色々ニャ……」


「えーと、よくわからないが、元気出せよ」

「何か調子がくるうじゃない」


『レべルは上がったの』


「よかったじゃねえか」



「×字ウイングが、一機突っ込んできます」


「迎撃、迎撃だっ」


「タタイファイターを全機出せっ」

 ダーク皇帝も召喚主もいない最高指令室は、ハチの巣をつついたようになった。 


 ”ボール・プレイング・キャット”の表面の溝の中を、×字ウイングが猛スピードで飛んでいる。

 金髪の青年が乗っていた。


「フォフォースをつかエー」


「!」

 照準器をオフにする。

 通気口に、プロトン魚雷を叩き込んだ。


「レッド、5任務成功っ」 



 惑星”エンド―ア”の青空に浮かんでいた、”ボール・プレイング・キャット”が突然、爆発四散する。


『何でええええ』


 そりゃあ、ダーク帝国の象徴みたいなものだからな。 


「だ、大丈夫ニャッ」

「アイテムボックスにしまう手間が省けたニャッ」


 しゃがみ込んで泣き始めた”ナビゲーター”を、ネムリネコとアレクたちは必死に慰めた。


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