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後編

 アレク達を乗せた、”雷鳥壱号”はもう少しで地球の”天空城”につく。


「アレク、後ろだっ」

 ”雷鳥壱号”を操縦していた、ニャンタが大声を出す。


「なっ」


 ギュピ~~~~~ン


 巨大なボドドルザー級、機動要塞がデフォールトして来た。


 元々は、”天空城”も、”雷鳥壱号”も先史宇宙文明のものである。


 ”雷鳥壱号”の無線から、


『キ~ス~、マ~カウケ~』

 

 と聞こえてきた。


「これは、竜人族に伝わる、古の言語っ」

 バハムは、竜人族の巫女なのだ。


 外部スクリーンオン

 宇宙に巨大なスクリーンが映し出される。


「アレクとマリッサ、キスをするんだ」


「なっ」


「ななななな、なんで、アレクなんかと」


「お前ら、想い合ってるのは、バレバレなんだよ~」


「まどろっこしい~」


「とっとと、くっつけっ」


『キ~ス~、マ~カウケ~』


「……マリッサ、ずっと前から好きだったんだ……」

 アレクの顔は真っ赤だ。


「……私も、ずっと好きよ……」

 マリッサが、うつむきながらもはっきり声を出す。


「キ~ス、キ~ス」

 仲間たちだ。


 アレクが、マリッサの頬に手を当てた。

 ゆっくりとお互いが顔を寄せる。


 外部スクリーンに映し出されている。


『オオ、オオ~オオ、キ~ス~』


「システィナ、歌だ、歌を歌うんだ」

 バハムが、指さす。


「ええと、これしか知らないわよ」

 古くから伝わる、古代語の聖歌を歌いだした。


「アア~♪、アアアア~♪」


 古代のラブソングなのだ。


『プ、プロトンカルチャ~~~~』


 話し合いの余地がありそうだ。



『文化を取り戻すのだ~~~~』


「駄目ニャあああああ」

 

 ”マク〇スウエルズ・キャット”のぶっといレーザーが、ボドドルザー級、機動要塞の表面を焼く。

 反応弾が、巨大な火焔の球を作った。


「なああああああ」

 スクリーンに、驚愕しているアレクたちが映った。


『でカルチャ~~~~』


 次の瞬間、機動要塞の表面から数えきれない程の、レーザーやミサイルが放たれる。

 地球に雨のように降り注いだ。

 地表が茶色に染まっていく。

 

『ふふ、”骸骨小隊”出動っ』


 左腕の空母から、”婆琉木離胃”が三機、飛び立っていく。


 ボドドルザー級、機動要塞は活動を停止した。


 さあ、とっとと”コスモクリーナー”で地球を直そうか。



「……段々やり方が荒くなってきてないか?」


『つ~ん』 

 ”ナビゲーター”は、明後日の方向に顔を向けている。


「また迷惑をかけてしまったニャ」

 (地球規模でだが)

 ネムリネコが、頭を下げている。


「何を言ってるのっ。 あの悪魔が全て悪いんでしょうっ」

 システィナが、ネムリネコを抱きしめる。

 システィナは、創造の女神に仕える司祭だ。

 ”ナビゲーター”は、創造の女神の一部と言える。


『あ~、う~』

 流石に、自分に仕える司祭に、悪魔と言われるのは気まずいらしい。


『……でも、スキルレベルは上がったのよ……』


 完っ全っに、無視された。


 ”ナビゲーター”が、超時空要塞、”マク〇スウエルズ・キャット”をアイテムボックスに収納しようとしている下で、


「ふふふ、マリッサ~」


「な~に~、アレク~」


 両手を繋いで、クルクル回る。


 ”春”が来ていた。


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