絶望、そして渇望
15歳、春。
王都ホライズン。
俺、レイン=エフォードは、そこに居た。
何故ここに居るのかという理由については、二週間前に遡る。
ーーーーーーーーーーーーー
「…………緊張するなぁ……。」
そう言って今日何回かもわからない溜め息をつく。
今日は就職式。
ステラルクス教の教会で職業を貰う。
ステラルクス教はこの世界で唯一の宗教だ。
ここで人生が決まると言ってもいい。
「おい、俺まで不吉な気持ちになるからやめてくれ!」
隣の元気な奴はカイン=ライルズ。
俺の幼馴染だ。よく目立つ金髪をなびかせ、薄いブラウンの眼が優しい光を宿している。
まぁ端的に言ってイケメンだ。
「良いよなぁ、お前はイケメンだから良い職業授かるんだろうなぁ。」
「いやどんな理屈だよ。」
実際のところ、どの職業につくかは職業を授かるまでわからない。
つまり、いきなり勇者や賢者、聖騎士になる事もあるが、突然村人とかになる可能性もある。
「まぁ、行ってみないと何もはじまらないし、元気だせって。」
「………そうだな。」
そう言って俺達は教会の門をくぐる。
時間で来る人間は限られてるため、すんなり通れる。
すると、奥でざわめきが生まれた。
「おおおぉ!!賢者と聖女だ!!!」
前には、貴族らしい男女二人が居た。
何でこんな辺境に貴族?
俺達二人は道を空けて端で膝をつく。
「いやぁ、流石ですなぁ!王女殿下!!いやはやまさか聖女とは!!」
しかも王女様か。
なら襲撃を受けないようにお忍びで来たのか。
男の方は銀髪のサラサラな髪をしているが、表情が欲望丸出しなのでキモい。
「今日はお忍びで来たんです。あまり大きな声を出さないで下さい。リッツバーグ様。」
王女様の方はかなりの美少女だった。
水色の髪を長く伸ばしており、その瞳は曇りのないブルー。
黄金比の目鼻立ちは幻想的ですらあった。
一瞬見惚れてしまった。
そのせいで頭が中途半端に上がっていた。
すると、こちら側を立っている王女様と目が合うのは必然でーーーー。
「…………!」
俺の事を見て何か変なリアクションを取った。
いやだなぁ、これは絶対に変に思われたぁぁぁぁ!!!!
「いやぁ、これは失敬。ところでアイリス王女。今夜共に食事でもどうですかな?私にかかればーーー。」
「申し訳ありません。今夜は急用が出来ましたので、遠慮させて頂きます。」
「そ………そうですか。では、また次の機会に。」
そう言って二人は別れて行った。
「…………なぁ。」
「…………どうした?」
「あれは絶対に変に思われたァァァァ!!!」
「アッハハハハハハハ!!」
くそぅ!コイツ絶対に解ってやがった!!
「いや、だってお前見た目はいいのに前髪で目とかほぼ見えないじゃん!!
その見た目で頭上げてたら変な奴と見られて当然だろ!」
俺は黒髪の前髪で顔を隠している。あんま目立ちたくないし、話しかけられたくないからだ。
眼の色は真紅の赤で、友人は悉くイケメンとからかってくる。
「イケメンに言われたくねぇぇぇぇぇぇ!!!」
そう言いながら奥に進むと、神父みたいな人に声をかけられた。
「静かにしなさい。神の御前ですよ」
そうだ、すっかり忘れてたが、授職しに来たんだった。
まずはカインから先に促される。
「この水晶に手を置き、私が詠唱し終わるまでじっと待っててください。」
「はい。」
何だコイツ急にキリッとしやがって。
そう思ってたら神父の詠唱が終わった。
その瞬間、
「な……………!?」
膨大な光が溢れ出し、彼が放つオーラが変わる。
「これは聖騎士…………!?」
は?
あーあーあーあーあーあー…………。




