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第5話 渦間のアシュラ

久々の投稿ですが楽しいんで・・・

いや、重めだった気がする、話が・・・

 ・・・さあ、説明しよう。

 僕は今、古ぼけたとあるビルにお招きいただいたのだが・・・手足の自由は効かず、壁にある鎖に括られている。そんな僕は芳信です。


 「さぁ、どう料理しようか」


 ニタァと笑うそいつは鼻に絆創膏をつけている・・・誰だっけ?


 「すみませんどちら様であられますか?」

 「「「はぁ!?」」」

 「昨日の今日で殴り飛ばしたやつのこと忘れんのかよこいつ」

 「申し訳ないのですが、家族に食事を用意にしなければならない用事が御座います、拘束を解いて頂けますか?」 

 「そういって解くと思うか?」

 「そうだと思いました、なので逃げさせてもらいます」


 ギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチギチ!!!!


 鎖同士がぶつかり合い耳をきしませる音を発しながら火花を散らす。


 「そんなことして外れるはずねぇだろ、バカやってねぇでな!ははははは」

 

 ガキィィィィィン!


 「それでは失礼します」

 「「「ハァァァァァアアア!!??」」」

 「お、おい!ちょっと待ってくれ」

 「申し訳ないですが、それが人に頼む態度でしょうか?」

 「悪かった、その力を見込んで助力を願いたい」

 「あー、いいですよ?」


 手に鎖をつけるための鉄のリングを握力で握りつぶしてひしゃげさせ、手首から外す。


 「けど、一回帰らせてください。レインなら交換しますよ」

 「は、はい兄貴」


 なんか、ヤクザの総長的なのになりました。そんな僕は芳信です。


 少し昔話をしよう。

 何も隠そうと俺は新島麻衣好きだった(・・・・・)

 別に、嫌いになったわけでもなく――そもそも嫌いだったら家になんて上げない――純粋に彼女を応援しようと思い立ったからである。

 とある初恋をしたらしい麻衣は、その男とよろしくしてるらしい。

 ま、ありていに言えば告白をすることもなく崩れ去ったのだ。

 と言っても、原因はそれではない。

 それは小学3年生。

 その頃の俺は前髪を上げ、今よりはソフトな人当たりだったという。光騎曰く。

 よく行動を共にする俺と麻衣は付き合ってるだのと男子どもに囃されたが悪意はなかった。

 男子どもならよかったが、女子どもはその美貌に嫉妬した。

 小3で何をませたことを・・・と近所の奥さんたちには白い眼を剥かれ、学校ではいじめを受けた。

 何でも、その頃の俺はモテたらしく女子たちはそんな麻衣が羨ましかった。

 それなら、俺が幻滅されればいいと思い至り、前髪を下ろし、常に目つきを悪くする。あとは初対面はたいてい敬語で、というか麻衣と親しい男子以外には敬語だ。

 そして彼女をナンパし、強姦しようとした男が一度現れた。

 その時の俺はまだ小柄で――今もじゃないか聴くのは愚行というやつだ――ぼっこぼこにされ、全治二ヶ月のけがを負った。

 その後は山を登り、熊と戦い、どこぞの道場に乗り込んでは道場破りをし、なぜかここ一帯の格闘家には『渦間のアシュラ』と呼ばれている、不名誉極まりない。

 そうして、並外れた筋力を有することになったわけだが、その名誉のおかげで麻衣は何度も狙われた。

 彼女を守るはずが晒す羽目にも。

 

 ☆

 さっきの青年からの連絡だと、


 さとる:新島麻衣を攫え、そうすれば『渦間のアシュラ』出てくるからと脅されて、三日後に町はずれの空き倉庫に連れて来いって・・・


 意外にも甘党なのかモンブランの写真をアイコンにしているサトルという名のらしい彼から

 平和って何?が彼女を巻き込んでしまったことも事実、これは俺が出ない訳に行かない。


 カシン:麻衣を強姦しようとしたことはもう言及もしない・・・ゆっとくけど許しては無いよ?けどこういう形で俺のせいで迷惑を掛けたことは謝る、俺単身でそこに明日、いってくる。


 と取り敢えず返信した。

 ちなみにカシンは、渦間芳信の渦と信をとり、渦信(カシン)だ、というどうでもいい話だ。

 

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