第3章 出撃
~北の街 ルーラッタ~
「ここがルーラッタか。思ってたより普通だな。」
そこはいかにも異世界!って感じの街だった。しかし、ゲームとかでも同じような光景を見たことがあったのであまり驚かなかった。
「そりゃあそうでしょ。異世界って言っても日本ほどでは無いけど、ちゃんとした設備くらいはあるわよ」
「そんなもんか?まあ、いいや。それより来たはいいけどここからどこに行きゃいいんだ?」
「パッドは開いたの?」
「そういやまだ開いてなかったな」
パッドを開いた。すると、ルーラッタの地図が映し出された。地図の西の方向を見ると、赤い星マークが示されている所があった。
「赤い星マーク...ここに行きゃいいのか?」
「その他にマークは無いし、行ってみましょう」
「そうだな。早速行くか。」
こうして俺たちは星マークのところに向かった。向かう最中に武器屋をみつけたのでに寄り道した。しかし、その武器屋は、最初の街とは思えないくらい品ぞろえが悪かった。
・勇者の剣(木製) 1200G
・勇者の盾(木製) 800G
・モンスターの首輪 2000G
「なんだこれ!?高過ぎだろ!勇者の剣なんて木製だし!モンスターの首輪なんて今の所持金じゃ買えねぇし!!」
「まあまあ、そう言わないで。まだ最初の街なのよ?武器や防具が弱いのは当然よ。そんなことより早く行きましょう。」
「待て。ちょっといちゃもん付けてくる。」
「え。待って。やめたほうがいいわよ...っていう前に行っちゃってるし」
「おい、定員さん。ここの店どうやったらこんな武器とか防具の値段がこうなるんだ!?」
(へいらっしゃい。いい武器揃えてるよ。ぜひ見てきな。)
「おい!話聞いてんのか!?」
(へいらっしゃい。いい武器揃えてるよ。ぜひ見てきな。)
「お、おい。これってまさか...」
(へいらっしゃい。いい武器揃えてるよ。ぜひ見てきな。)
「なあ、メグ」
「なに?」
「これってもしかして...」
「ゲームでいうならNPC状態の人ね」
「はああああ!?なんで定員さんがNPCなんだよ!!?これじゃ買い物できねえじゃねえかよ!」
「まあ、そこら辺は気にしないんでしょうね。ここの人たち」
「どういう神経してんの!?ここの人たち!?」
「それより早く行きましょう。日が暮れちゃうわ」
「そうだな。装備はまた後でにしよう」
悔みながらも星マークの所へ向かった。
~司令塔~
「ここが星のマークの場所だな。えっと...司令塔だって」
「中に入りましょう」
司令塔に入るといかにも司令官って感じのごつい人がいた。
「我がルーラッタの医学薬学は世界一ィィィィィィィィィィィィ!!!」
そして誰がもがビビるくらいの声であの名言を叫んでいた。
「よく来たな諸君!待っていたぞ!」
「僕たちのこと知ってるんですか?」
「もちろんだとも。なにせ君たちはこの世界で初めて異世界からこの世界に連れてきた実験体だからな!」
「・・・は?」
「この世界は昔からこことは違う世界。つまり異世界を知っていた。しかし知っているだけで何も知らない。そこである研究者がこっちから向こうの世界に行ける装置を作ったのだ。するとそっちの文化が広かってきたのだ!しかし、今度は戻ってくる手段が無いとなって大騒ぎした。そこで南の街にいる博士がこれを何とかしようと異世界からこの世界に来れる装置を作ったのだ!その時の実験体が君たちだったわけだ」
驚愕した。ただその一言だった。俺はこの真実を知り動揺していた。しかしそこで冷静にメグが口を挟んだ。
「私たち以外に異世界から来た人は未だ0なの?」
「いや、もう何人かはこちらに空間転生しているはずだぞ!」
俺たちの他にもここにきている人がいる。あとで探してみるのもいいかもな。それより
「なんで俺たちはここに呼ばれたんだ?」
「それはだなあ、ルーラッタの医学薬学世界一といっていただろう?まさにその通りでここはどの国にも負けない医学を持っている。だから医学や薬学に関するもの以外は最小限にされているんだ!」
だから武器屋とかでもあんなにしょぼい武器とか防具だったのか。これで合点が一致した。
「だが最近材料が不足してきていてな、その原因がここから東に2キロ離れたところに住み着いた魔物のせいらしいんだ。そこで・・・」
「そこで俺たちがその魔物を討伐して来いと」
「そういうことだ。なに、武器や防具はこちらで揃えている。安心して討伐にいきたまえ。」
その武器や防具が一番心配なんだけど...
「まあ、これやんないと物語が進まないんだったらやるしかないよな。」
「ありがとう!さすが我が友人!あとそこのメグとかいうモンスター」
「はい」
「君はこの薬を持っていくがいい。倒しに行く際に重要になるかもしれないからなあ!」
「ありがとうございます」
「それじゃあ討伐頼んだぞ!」
『はい』
こうして俺たちは東にいる中ボスを倒しに行く。