2/2
独白
根源的な恐怖がもたらしたのは、
それから逃れる術であった。
しかし、
生れ出たものが全て
正しいものであるわけがない。
その性質は徐々に飲み込まれていった。
無視できない蛮勇は、
そこに突っ込んでいった。
舌で語るための武器もなく。
丸腰で。
彼が考えていたのは、
ただひたすらに、
悪から善を救いあげることだけだった。
彼にとって、ヒトとは、
救う対象であった。
情けをかけるべきか弱きものであった。
守るべき小動物であった。
確かにそれは
自己満足にすぎなかった。
けれど、
彼はそれが、
自身を守ってくれる唯一の味方だと
思っていた。
確かにそう
思っていた。
いじょうです。