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三匹の子猫


ままにゃ「ままにゃつかれたにゃ。いいかげんじりつしてにゃー」

 娘たち「わかったにゃー」

ままにゃ「おかねあげるにゃ。これからは自分でなんとかしてにゃ」

 娘たち「がんばるにゃー」


 一番上のおねいさんにゃんこは、ままにゃにもらったお金でお酒をいっぱい買い込んで、酒瓶をつみあげておうちを作りました。


おねいさん「いつでもお酒がのめるっていいわぁ」


 おねいさんにゃんこはウォッカを飲んだ。ぐびぐび。

 そこへ酒瓶屋敷のドアをたたく音。トントン。


あねいさん「あら、だぁれ?」

  えろ狼「こんばんわ、狼です。扉を開けてくれませんか?」

あねいさん「あけたらどうなるのかしらぁ?」

  えろ狼「貴女をおいしく食べてしまいます」


 ちょっと考えたおねいさんは、ひとりで飲むのも飽きてきたところだしねぇ……、と扉を開けてしまいました。


  えろ狼「素直なにゃんこですね。痛くないようにまるのみにしてあげま……むご」


 大口をあけた狼の口に酒瓶をつっこむと、おねいさんは一升瓶の中身をまるごと狼に注ぎ込んでしまいました。


おねいさん「おなか減ってるならつまみもあるから、あんたちょっとつきあいなさい」

  えろ狼「め、めがまわる……ぐるぐるる……」

おねいさん「そんな毛皮なんかぬいだぬいだ」


 脱がせて見ると、この狼けっこういい男です。おねいさんは酔った勢いで狼にきゅ、と抱きついて


おねいさん「……いただきます」


 と狼さんを(性的な意味で)おいしく食べてしまいました。


 めでたしめでたし。






 2番目のおさげのにゃんこは、森に入って木材を伐採し、得意の木工技術を生かして立派な木のおうちを建てました。


 おさげ猫「窓には綺麗なカーテンが欲しいし、お庭にはお花植えたいな」


 おさげのにゃんこが調度品を作りながらどんなお部屋にしようかと空想していると、とんとん、とドアをたたく音がしました。


おさげ猫「どなたですか?」

まぬけ狼「オレだよ、オレ」

おさげ猫「(バナナ・オレ? イチゴ・オレ?)」

まぬけ狼「オレだよ、ここ開けてくれよ」

おさげ猫「(あ、オレって牛乳のこと……かも?) 牛乳ならまにあってます」

まぬけ狼「は?」

まぬけ狼「いや、牛乳とかじゃなくて……」

おさげ猫「新聞も結構ですよー?」

まぬけ狼「(くそ、作戦変更だ)実はおいしいケーキあるんだけど」


 がちゃ(ドアをあける音)、ばたん、がつん!


まぬけ狼「ぐはっ」


 ドアが狼の鼻にクリティカルヒット! 狼に1253のダメージ。


おさげ猫「けーき! ってあれ……だれもいない」


 まぬけ狼はドアの影で痙攣している……。


おさげ猫「けーきなら買ってもよかったんだけどなー……。もう、最近の押し売りは根性が足りな~い!」


 ばたん。(ドアを閉じる音)

 狼は、二度とこの家には近づかないようにしよう、と固く心に誓いました。

 めでたしめでたし。






 末っ子のたぬは、ままにゃにもらったお金で大量の角砂糖を買い込むと、1個1個積み上げて角砂糖の塔、角砂塔を作りました。

  たぬ「かくざとうでっかいたぬー!」


 塔のてっぺんにのぼってご満悦のたぬちゃん。

 そこに狼がやってきました。


腹ペコ狼「貴様を食う。降りて来い」

  たぬ「かくざとう、ほしいたぬ?」

腹ペコ狼「肉を食う」

  たぬ「かくざとう、あげるたぬ! いくつほしいたぬ?」

腹ペコ狼「いっぱいよこせ」

  たぬ「いちはちでじゅうはっこたぬ?」


 たぬは塔のてっぺんから狼に角砂糖を投げました。

 おなかが減っていた狼は思わずぱくりと食べてしまいます。


腹ペコ狼「甘い」

  たぬ「おいしいたぬ?」

腹ペコ狼「虫歯がいたくなったから帰る」

  たぬ「また明日遊ぶたぬ!」


 次の日、雨がふりました。


腹ペコ狼「虫歯を治してきた」

  たぬ「かくざとう、とけちゃったぬ……。おうち、なくなっちゃったぬ……」

腹ペコ狼「……うちに来るか?」

  たぬ「あそびにいくたぬ!」


 ――たぬちゃんの運命やいかに!?(つづかない)

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