さるたぬ合戦
たぬ「おにぎりおいしいたぬー」
さる「うまそう。この魔法の柿の種と交換しないか?」
たぬ「たねはおいしくないからいらないたぬ」
さる「芽が出て木になれば柿が100個は実る」
たぬ「かき100こ、すごいたぬ!こうかんするたぬー!」
さる「取引成立 (しめしめ)」
たぬ「つちをかぶせて、おみずをあげて、ついでにおまじないかけちゃうたぬ。
はやくめをだせかきのたね~でないとちょっきんしちゃうたぬ~」
ちょっきんされてはたまらないと柿の木はがんばって、100個の実をつけました。
でもたぬちゃんは木登りができないので、おいしそうな柿を下から見上げることしかできませんでした。
たぬ「かきたべたいたぬ。でもてがとどかないたぬ……」
さる「ならば取ってきてやろう」
たぬ「ありがたぬ!」
さる「ただし半分俺がもらう」
たぬ「たぬのかきのきたぬ。はんぶんはおおくないたぬ?」
さる「たしかにこの柿の木はお前のものだッ! だが、貴様には取ってくる手段がないッ!
つまりッ! 貴様が得られる柿は0個に過ぎないッ!
だがしかしッ! この私が柿を取ってくればッ!
貴様は50個もの柿を入手することができるッ!!!
柿0個と50個ッ! どちらが得だか考えるまでもあるまいッ!!!」
たぬ「なっとくしたぬ! はんぶんあげるからかきとってきてほしいたぬー!」
さるの取ってきた柿を、二人は仲良く食べました。
たぬ「かきおいしいたぬ! つぎみのったら、またとってきてくれるたぬ?」
さる「半分もらえるならOKだ」
次の日。50個の柿から取れた200個の種から、200本の柿の木が生え20000個の柿が実りました。
たぬ「はんぶんあげるから、かきとってきてほしーたぬ」
さる「………」