ステータス
稚拙な自分の小説にブクマありがとうございます!
更新が一日遅れてしまいすみませんでした!
その後、グリフ達に誘導されて案内された場所は王の待つ玉座だった。
「うむ、案内ご苦労グリフ、もう下がってよろしい」
「ハッ!」
そう言ってグリフに下がる許可を与えたのは自身の服を自ら破かんとばかりに腹の出た、油の滴る壮年の男。
そして、その横で一見人の良さそうな笑みを浮かべているのは、相当の美を誇る、隼人たちと同じくらいの歳であろう、少女。
「我が名はアルフリック・バン・べリア。この国の王だ。そして、これは我が娘カトリシアだ。
諸君らは突然の形で非常に困惑していると思うが、どうか私の言葉を聞き入れて欲しいのだ。これは、私の私利私欲で行ったものではなく国民総意だということを理解してほしいということを」
「ハイッ!僕たちはみんなそのつもりです!しかし、僕たちの力が必要とは一体何にですか?」
「うむ、よくぞ聞いてくれた。君名前は?」
「皇 隼人です、どうぞお見知りおきを」
隼人は完璧なしぐさで自己紹介すると、それに気を良くしたのか王は下品な笑い声を一つ上げた後、説明を始めた。
「君たちを呼んだのは今まさに我が国と領土に進行しつつある憎き魔族どもを滅亡に追いやってもらうためなのだ。
君たち異世界人はこちらの人間よりもステータスというものが一段と高いのだよ、その値は成長次第では魔族など敵にすらならないほどにな」
「ステータス?ですか。それは一体どういったもので?」
「うむ、それを今から測ってもらおう。
カトリシア!あれを出せ!
貴殿らには悪いがここからは娘と部下に手配させるから、頼むぞ」
そう言い残して消えていった王の後に残されたのは丸い水晶のようなものを用意したカトリシアと王の部下たちだった。
「皆さまここに並んでください。ステータスの測定をいたします」
その言葉に従い順々に測定をしていった結果、上から 隼人 登也 美咲 由香 の順で上から生徒会メンバーがクラス内の実力順位を占めていた。
「すごいです!隼人様!すべてのステータスが999などまさに勇者でございます!
それに、ほかのおさん方もそれぞれ引けを取らないなど!」
「なんだぁ!隼人に魔力値負けたぜぇ」
「まぁまぁ、登也だって筋力値は999じゃないか?」
「んでもよぉ」
そんな、やり取りをほほえましく見ている由香と対照的に何かを探し心配そうにしている美咲の姿があった。
美咲は先ほどからずっと思い人の姿を探しているが一向に見つからず落ち込んでいるのだ。
それから、ステータスの順位で四人分けされたパーティーで行動してもらうことと、必要以外の外出禁止、専属のメイド、部屋が与えられるという説明を受けた隼人たち四十人は、それぞれの部屋に案内されていった。
~美咲の部屋にて
美咲は一人憂鬱げな表情を浮かべ、部屋の窓から夜風にあたっていた。
もちろん考えていることは空護のことである。
「はぁ、空護君会いたいよ、少しでもいいからその顔をまた眺めたいなぁ」
その願いは思わぬ形で実現するのだが、それはもう少し未来の話である。
それから、数日一通りの訓練を終えた、隼人たちはダンジョンの前にいた。
「昨日言った通り今日からダンジョンに入ってもらう!メンバーはいつものパーティーに一人こちらから指南役でつけさせていただく!
何か質問は?」
みな、今日までの訓練である程度知識があるため、質問はなかった。
「うむ!ではいってきてくれ!」
その一声で隼人たちは順にダンジョンに入っていくのだった。
一方、そのころウォーカーは
「あと一日歩けばつく、か」
遥か彼方に見える都市を目指して歩いていた。
周りには、通常では考えられないような木々の生える丘を。




