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転成 sideクラス

数日前


その日も、隼人は少々いらついていた。顔には出さないこそそれでも言葉には出るくらいにはいらついていた。

中学の時に突然異例の途中転入という形で入ってきた、東条 空護にだ。

元々容姿の良さや成績の良さなどで気に障ることが多かった空護だが、高校に上がってからなぜだか分からないが幼馴染の美咲が空護によく話しかけるようになったからだ。


「んな、ま「バタン!」」


強く閉められたドアの向こう側を忌々しそうににらみつけていた。横では美咲が何か言っているが、きっと空護の自分への態度に避難しているのだろうと思っていた。

そして、そんなことを考えているうちにチャイムが鳴る一分前になっていたのに気が付き席に着いた時だった、突如閃光が視界全部に広がり次の瞬間には見たことのない場所で甲冑?を着込んだ者たちに囲まれていた。


「ここどこよ!」

「そうだ!ここどこだよ!」

「うちに返してぇぇぇ!」


まさに阿鼻叫喚だった。

恐らく全員いると思われるクラスメイト達が突然の事態に発狂に近い状態に陥ってしまったからだ。しかも、教師は歳が若く女性のせいかおろおろするだけで、何もできていなかった。そんな状態をなだめようと隼人が立ち上がった時だった。

奥のから明らかに位が高いと分かる甲冑の男が下りてきて全員に呼びかけた。


「驚かせて済まない!君たちが混乱するのはよくわかるだが先に私たちの話を聞いてほしい!」


「ふざけんな!俺たちを返せ!」

「そうだそうだ!こんなことが許されると思ってんのか!」

「はやく「待ってくれ!!みんな!!」ッッ、、、」


「今の状況で頼れるのこの人だけなんだ!話だけでも聞こう!」


隼人の一声で、みな黙り込んだ。

その様子を見ていた甲冑の男はリーダーが隼人であることに目をつけて、喋りだした。


「私の名前はグリフ・ドバリア、今回は勇者殿たちに我が国を助けてもらいたく召還させていただいた!突然のことだ、非礼はする、だが、それほど我が国は危機なのだ頼む!」


そんな、グリフの必死の弁解を聞いていた隼人はみなを説得するべく口を開いた。


「みんな、聞いたろう!この国は今危機なんだ!ここは助けてあげるべきだろう」


「そうだぜ!助けてやろうぜ!みんな!」


「まっ、待って!ホントにいいのかな、、、」


「そうよ、ほんとに裏表のない話なの?」


話に乗りかかった登也と隼人を止めるべく口を開いたのは美咲と由香だった。


「そ、それにさっきから空護君の姿が見えないようだし、、、」


「ん?なんだここにいる以外にもまだいるのか?」


「は、はいじつは「美咲!いまは、いまはそれどころじゃないだろう!」」


美咲は空護のことを言おうとしたが隼人の荒げた声で意見を言えなくなってしまった。


「むぅ、まぁ召還魔法に感知されないくらい才能がなかったのだろう。そんなことよりも、手伝っていただけることでよろしいのかな?」


「はい、自分たちが手伝わせていただきます。みんなもそれしかないんだいいだろう?」


「お、おう!そうだな!」

「隼人君が言うなら」

「そうよ!分かったわ!」


そんな声が聞こえてきたのを確認したグリフはうなずきながら、近くの部下に耳打ちした。


「おい、次の段階だ。王女様と陛下のところまで誘導しろ」


「ハッ」


そうして、隼人たちは美咲を含む幾人かが不安の表情を浮かべながらも、グリフたちの思惑道理に誘導されていくのだった。

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