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歩くもの

魔力の目安的なものは

0=一般市民

1~500=下級から中堅冒険者

501~1000=上級冒険者(勇者召喚されたものは最低でも中級と上級の境目の魔力はあります)

ここから、真の魔力(真の魔力は普通の魔力の大体2倍です)

#1~500=アクセサリー等の形

 501~1000=武具の形

 1000~2000=人型

 2001~∞=???

となります!説明足らずですみませんでした。

どんな生物も必ず生まれてから死ぬまでずっと付きまとわれ続けなければならないものがいくつかある、それは、年齢や人種というものだ。

その中でも、人間という知能ある生物が失って最も困惑し恐怖するのは、記憶のはずである。



男が意識を取り戻したときそこは檻の中だった。いや、男には自分を取り囲むそれが檻だということは理解できなかったが、それが自分を捕まえておくようにするためのものだということは動物的な本能で感じ取っていた。そして、男は恐怖した。

なぜなら、自分が何者か?自分がなぜこんなところに閉じ込められているかが理解できなかったからだ。

男は吠えた。

力の限り吠えた、吠える以外に自身の状況を変える方法がなかったからだ。

すると、真っ暗だった空間に檻の向こうから光が差した。

男は救われるのだと思った。しかし、現実は甘くなかったのだ。


「うるせぇなぁ?ここは獣かなんかがいるのかねぇ?だったら獣にはきちんと調教をほどこさねぇとなぁ!!」


光の中から入ってきた男はそういうと突如手にしたこん棒で殴り掛かってきたのだ。

男は最初こそこん棒の猛威に恐怖していたが薄々気づき始めた。「この攻撃には痛みがないと」。

男は憤怒した、自身への不当な扱いに、そして、そして男は思った「俺の中にあったものはすべてこいつにうばわれた!」と。


バンッッ!!!!!


そんな音とともに道端で男を広いその容姿から貴族に売りさばこうとしていた奴隷商人の頭蓋骨は、男の後ろから放たれた不可視の一撃によりその生涯を閉じた。

男は驚愕していた。

それは、自身の目の前で生物が死んでいることに対してではなく、本能で自身から出ていると感じ取れる後ろの存在に対してだった。


それから、数日後


「てめぇは、何、者だ」


男はたどたどしいながらも自身の後ろの存在に対して問いかけていた。ちなみに言葉は奴隷商人が異種族を捕まえてきたときに最低限喋れるようにするために持っていた教本をこの数日の間ずっと読み込んで覚えていた。(自身の種族が人間であることと、髪の毛の色が銀髪で目が青いことも確認済み)


「、、、、、、」


男の問いに対して後ろの存在は答えなかった。


「むぅ、、、、、」


男は予想した回答が返ってくるのを確認すると、立ち上がり旅の用意を始めた。

後ろの存在に対する追及がこれ以上無意味だと分かったからだ。後ろの存在もその意図を感じ取ったのか男に吸い込まれるように消えた。

男は、すべての支度を終えたのち、自身の手の内にある奴隷商人の持っていたペンダントを見つめていた。


「、、、、な、名前はかな、らずいる、ウォーカーか、確か意味は、歩く、者、、、、、、よし、今日、から俺は、歩くものウォーカー、だ」


ペンダントに刻まれていた文字を自身に定義すると、ウォーカーはペンダントを投げ捨てると、行き先も分からない旅路へと歩き出した。



世界の隙間から


「ウォーカーかぁ、うん。中々いい名前だ、クフフフ、まぁ、前の名前も本来の名じゃぁないから、名前もなんてものは意味を持たないのはかわらないんだけどねぇ

そうは思わないかい?東条 空護 君?」


そこには空護もとい、ウォーカーから記憶を奪った張本人が笑っていた。



一方、そのころ城では


「君たちには明日からダンジョンに潜ってもらう!」


空護とは別に勇者として召喚された四十人が、城での基礎訓練期間を終えて、いよいよ本格的な訓練を開始されようとしているところだった。

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