それぞれ sideクラス
本日二度目です!!
「何だろ?このリング?講師の人は魔力補正のかかるものとかって言ってたけど?」
美咲の指には先ほど渡された銀色に光るリングがはめられていた。
「気にしなくてもいんじゃない?悪いものじゃないんだし」
「そうだぜ!気にするようなもんじゃねえだろこんなもん。
それに、俺は魔法なんかあんまし使えねぇから関係なんだよなぁ」
戦争に参加しなければいけないという逃げることのできないことに直面した美咲は幼馴染の由香と、登也の支えもあってか、何とかその精神状態を安定させていた。
「それもそっか、それより私もっと実力をつけなきゃいけなんだいし、ある意味うれしいリングかも」
「フフフ、美咲の笑顔久しぶりに見た気がするわ」
「そ、そうかなぁ」
「そうよ、だって美咲ダンジョン、うんうん、ここに来てからずっと笑ってなかったでしょ?」
「そうだぜ美咲、なんだか、最近笑わねぇなーって思ってたんだぜ?
どうした?生理でも来たか?」
「な、な言ってんのよ!登也君の馬鹿!本当スケベは治んないのね!」
「はぁ、美咲ごめんね、この馬鹿には後で言って聞かせるから」
「何だとぉ、二人そろって馬鹿馬鹿言いやがって!?」
「「本当のことです!!」」
「くそぉ!隼人に言いつけてやらぁ、、、ありっ?隼人は?」
いつもなら必ずいるはずの幼馴染の間に隼人はいなかった。
「そういえば、さっき訓練してくるとか言ってわね」
「なんか、あいつダンジョンから帰ってから鬼気迫るっちゅうかなんちゅうか、まぁ、あいつらしいわな」
「そうね、隼人らしいわね。
ふぅ、じゃぁ今日は何もないらしいから私たちはお風呂にでも入ろうか?美咲?」
「うん、そうしよっか」
「ぐへへへ、お二人さん俺もいきまっせ?」
「「馬鹿!!」」
そこには、依然と何ら変わらぬ幼馴染たちの茶番が繰り広げられていた。
変わったとしたら、そこにいないリーダー格か、、、
はたまた、一人の無口な少年なのか、、、
~女子風呂にて
美咲と由香はゆったりとお湯につかり、全身の疲労をいやしていた。
「ねぇ?由香?わたしね、この戦争はほんとは嫌なんだ、、、」
「うん、知ってる」
由香は美咲の言葉を真摯に聞き入れていた。
「でもね、さっき戦争に勝たなければって話を聞いてね、私決めたよ?きっとひどいこといっぱいするし、もしかしたらされるかもしれない。
でもね、きっと生き抜いて、また空護君会うんだって」
「うん、わかってる。
美咲の空護君ラブは世界を超えるみたいね、フフ」
「あ~!馬鹿にしたでしょ!!いま由香私のこと馬鹿にしたでしょ!!」
「してないわよぉ」
「むぅぅぅぅん絶対したもん!」
「フフフ、美咲の覚悟はすごいわね。
でもね、美咲約束して?絶対死んじゃ駄目よ?これは、幼馴染であり、大親友のからのお願いよ?」
「うん、、、、うん」
「フゥゥゥゥ、ほら、そろそろ出ましょ?わたしのぼせちゃう」
「分かった。あのね美咲?」
「うん?」
「ありがと」
「なによぉ?こういうときばっかり、いつも感謝しなさい?」
やがて、二人のあどけない少女たちの笑い声が浴場に響いた。
一人の少女が覚悟をした日である。
~訓練場にて
「おいおい、どうしたんだよ隼人?いくらお前でもここまでやるってのは見過ごせねぇぜ?」
そこには、過剰な訓練のせいでふらふらになった、隼人の姿があった。
「なぁ?登也ぁ?お前は俺から離れないよなぁ?」
「お、おう、俺とお前それにあの二人は幼馴染だろ?それがどうしたよ?」
「そうか、それなら、いいんだ」
「お、おう」
ふらふらの足で隼人は訓練場から出て行った、一瞬肩を貸そうとした登也だったが、すれ違いざまに除いた隼人の目に宿る狂気に動けなかった。
一人の少年が狂気を宿し始めた日である。