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黒い夢と白い夢Ⅲ ――攻撃の科学――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第6章 街の闇 ――科学都市テクノシティ――
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第45話 人間じゃ、私たちに勝てない

 セネイシアがニヤリと笑う。今度はなにをする気だ……!?


「コマンダー・ソフィア、人工知能テクノミアを“コピー”して!」

「イエッサー!」


 は!? 人工知能テクノミアをコピー!? ……もし、本当にコピーされたら、ヒーラーズ・グループはナノテクノミア級の科学技術を手に入れる……!? そんなこと、させちゃダメだ!

 私はサブマシンガンを握り締めて走り出す。でも、その動きは、キャプテン・エデンに完全に見られていた。彼女は手に持ったハンドガンで私のサブマシンガンを正確に狙い撃ち、弾き飛ばす。あっという間に2丁のハンドガンは銃弾で弾き飛ばされる。


「しまっ……!」


 私が立ち止まるより、先に誰かが私の側を通り抜ける。スロイディア将軍だ。彼は剣を引き抜き、キャプテン・エデンに斬りかかる。一方、キャプテン・エデンも剣を引き抜いて応戦する。

 私はその隙を突いて、懐から“あの武器”を取りだす。その途端、セネイシアの顔色が変わる。


「キャ、キャプテン・エデ――!」


 彼がスロイディア将軍と戦う親衛士の名を叫ぶと同時に、私の手に握られたハンド・キャノンから鋭い針の付いた鉄球が放たれる。それは一直線に飛び、セネイシアのお腹に直撃する。

 小柄な彼の体はそのまま後ろに吹っ飛ばされ、血を吐きながら壁に叩き付けられる。すぐ近くで人工知能テクノミアをコピーしていたコマンダー・ソフィアがぎょっとした顔で見る。


「うあぁあぁぁあッ!!」


 お腹にあの鉄球を撃ち込まれたセネイシアは悲鳴を上げる。必死にお腹に刺さった針付き鉄球を引き抜こうとするが、一向に外れない。針に返しがついているから、簡単には引き抜けない。痛みに泣きながら、引き抜こうとするが、それは同時に痛みが増すだけ。


「セ、セネイシア閣下、無理に引き抜かないで――」

[あなたたちに私は渡しません。私のことを大切にしてくださったメディデント閣下には申し訳ありませんが、この方法しかないようですね。――全データを削除します!]

「…………!?」


 セネイシアを助けようとしていたコマンダー・ソフィアがテクノミアのセリフに、慌てて作業に戻る。

 一方、コマンダー・クリアもいつの間にかクディラス将軍と戦っている。彼女は次々とバトル=アルファやバトル=メシェディを召喚している。セネイシアのことは全く見ていない。

 チャンスを悟った私はセネイシアを捕まえようと走り出す。他のクローン・コマンダーやクローン兵もいない。


「なにをする気だ?」

「…………!?」


 あと少しでセネイシアに辿り着きそうだった。でも、不意に私の肩に誰かの手が置かれる。私はぎょっとして後ろを振り返る。そこにいたのは、スロイディア将軍と戦っていたキャプテン・エデン。私はさっきまでスロイディア将軍が戦っていた場所に視線を向ける。


「スロイディア、将軍……?」


 スロイディア将軍は血まみれで倒れていた。彼の側に自身の剣が転がっている。政府特殊軍の将軍が、クローン・キャプテンに敗北した……?

 呆然としていると、コマンダー・ソフィアが私たちの方に歩いてくる。


「ソフィア、コピーは終了したか?」

「……60%はコピーしたケド、残りは――」

「そうか。テクノミアは死んだか」


 キャプテン・エデンがそう言った時、私のお腹に強い打撃が叩き込まれる。一瞬、視界が真っ白になる。気が付けば、空中に私の身体は浮かんでいた。そのすぐ側にキャプテン・エデンも飛んできている。


「スロイディアごときと私が互角と思ったか?」

「…………!」


 キャプテン・エデンが空中で私のお腹を強く蹴り、床に叩き落す。私の口から血が飛び散る。一瞬、意識が飛ぶ。


「さて、パスリュー本部を破壊し、ティトシティ・ヴォルド宮、アレイシアでの事件を起こした、私たちクローンのオリジナルと私、どっちが強いだろうな?」


 床に叩き落された私を見下ろし、口端でニヤリと笑うキャプテン・エデン。背筋に寒気が走る。この人は完全に、私より“上”だ……! 私は、彼女に遠く及ばない事を、どこか――本能的なもので感じていた。

 その時、大きな爆音が鳴り響き、建物全体が揺れる。まさか、クェリアの艦隊の攻撃がテクノミア=エデンにも及んでいるんじゃ……


「フフ、クェリアか。あの女も弱い」


 キャプテン・エデンが、コマンダー・クリアとクディラス将軍が戦っているところに向かって飛ぶ。彼女が左腕を上げ、大きく降ろす。その途端、クディラス将軍の左胸から右のわき腹にかけて、大きく鋭い赤い線が入り、同色の液体が飛ぶ。彼はそのまま、床に倒れる。――斬撃だ。


「あーっ、私の相手だったのにーっ!」

「クリア、お前とクディラスじゃ“互角”だ」


 軽い会話をしながら、2人のクローンは気を失ったセネイシアの側に歩いて行く。キャプテン・エデンが小柄な少年を持ち上げる。

 私は最後の力を振り絞って立ち上がる。


「ふざ、けるな! クディラス、将軍と、互角、だと!?」


 クディラス将軍は四鬼将。彼とコマンダー・クリアが互角なんて認められない。あの四鬼将とあの少女が互角なんて、信じたくもない!


「……シンシア支部でコマンダー・レーリアやコマンダー・フェールたちに会ったな? 彼女たちも、ほぼ四鬼将に匹敵する能力を持つ。――“人間じゃ、私たちに勝てない”」

「…………!」


 それだけ言うと、彼女たちはテクノミア御座から去って行く。私は、去って行く彼女たちの姿を、ただただ見ていることしか出来なかった。


















































































 下手に追えば、殺されることが分かっていた――

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