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黒い夢と白い夢Ⅲ ――攻撃の科学――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第6章 街の闇 ――科学都市テクノシティ――
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第36話 うっそ!?

 【科学都市テクノシティ 中央市内 テクノミア=エデン正門付近】


 私たちはグールや軍用兵器を倒しながら、やっと中央市内のテクノミア=エデン正門の近くへと辿り着いた。

 ビルの影から正門の方を見ると、無数の黒き軍用兵器が配備されている。バトル=アルファ、バトル=ベータ、バトル=ガンマ、バトル=ベーゴマーはもちろん、シンシア支部やサラマシティで見たバトル=メシェディ、バトル=エアロ、バトル=サンダーといった軍用兵器まである。更に低空飛行戦車が何台も配備されている。


「テクノミア=エデンを囲む敵の総兵力は10万を超えそうだな」


 あんなに囲まれていると、さすがに厳しい…… 数が多すぎて、黒い大軍となっている。こんなに軍用兵器が集まると不気味だ。

 敵の上を見れば、黒いガンシップが何機も飛んでいる。ガンシップだけじゃない。バトル=スカイやバトル=デルタまで……


[リーグ中将、パトラー=オイジュスはすでにこの近くにいると思われます]

「…………!」


 バトル=コマンダーが声をかける相手は連合軍のリーグだ。黒い装甲服に白いマントを羽織った男性。片手には大きな剣のような武器を持っている。ログリムやグレートと同じ連合軍・九騎の1人。


「リーグか…… 連合軍の名将の1人だな。わたしも何度か戦ったが、なかなか強い。本人だけの実力なら、バトル=オーディンを超える」

「そんなに……」


 スロイディア将軍の言葉に私は不安を抱く。でも、ここで留まっているワケにはいかない……

 その時、背後から爆音が鳴り響く。私たちは後ろを振り返る。また爆音が鳴り響く。それと同時に建物の角から、ピューリタンたちが飛び出してくる。


「ピューリタン!?」

「走れ! またアレが――!」


 彼女が続きを言う前に、建物の角から何体ものバトル=フィルドが飛んでくる。シンシア支部で見たレーザー光線を撃って来る改造クローン兵!

 私たちも慌ててその場から正門前広場に向かって飛び出す。……あっ!


[あ、リーグ中将、パトラー=オイジュスたちデス!]

「いたか……」


 鋼のフェイス・ガードを被ったリーグがゆっくりと立ち上がる。何千もの軍用兵器たちもこっちを向く。

 前にはテクノミア=エデンを取り囲む黒い軍用兵器の大軍。後ろからは赤い装甲服に身を纏ったバトル=フィルドたち。完全に挟み撃ちだ!


「強行突破しかないか……」


 クディラス将軍がそう呟き、大軍に向かって走って行く。あの大軍を突っ切れるのか!? いや、テクノミア=エデンに行くにはそうするしかないのかも知れないのだけど。

 クディラス将軍を先頭に、私やスロイディア将軍、ピューリタン、トワイラル、ミュート、クラスタも走って行く。


[うっそ!? リーグ中将、突っ込んで来ましたーッ!]

「ハッハッハ、勇ましき国際政府の軍人たちだな! だが、無謀だ。かかれ!」


 リーグ中将の命令で、一斉に軍用兵器たちがこっちに向かって来る。私は、いや、私たちは物理シールドを張り、突っ込んでいく。


[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]

[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]


 サブマシンガンを握り、襲い掛かってくる軍用兵器を相手にしていく。これだけ数が多いと、どこにを狙って撃っても、ほとんど確実に当たる。

 ここまで数が多い敵を相手にしたのはビリオン・ポート本部以来だろうか? あのロボットの女王と称されたコメットが支配するビリオン・ポート本部のときも数が多かった。


[攻撃セヨ!]

「邪魔だっ!」


 背後からアサルトライフルを片手に走り寄ってくるバトル=コマンダーに向けてサブマシンガンで発砲する。銃弾はバトル=コマンダーの額に当たって倒れた。

 その間にも、私は次の敵を撃ち倒す。バトル=アルファ4体をまとめて撃ち倒す。更に近寄ってきたバトル=ベータ2体も一気に倒す。

 でも、これじゃキリがないな…… 敵はまだまだ無数にいる。この調子じゃ朝が来ちゃう。

 私は正門の方じゃなくて、戦車の方に向かう。周りのバトル=アルファやバトル=ベータを撃ち倒し、戦車に飛び乗る。蓋を開け、操縦していたバトル=メシェディを撃ち壊すと、その戦車の操縦席に座る。


「喰らえっ!」


 私は敵軍に向かって砲弾を撃つ。爆音と共に何十体もの軍用兵器が吹き飛ぶ。次々と近くの軍用兵器たちを吹き飛ばしていく。

 やがて私の乗った戦車を破壊しようと、1機のガンシップが近づいてくる。私は戦車の銃身をやや上方向を向かせ、砲弾を撃つ。砲弾はガンシップ正面に当たって爆発する。ガンシップは炎に包まれながら軍用兵器たちの真上に墜落する。


「よし!」


 私は砲撃しながら戦車を進める。戦車を使えば、敵を倒す速度が格段に速くなる。敵を蹴散らしていると、誰かが戦車に飛び乗ってくる。


「パトラー将軍、小さな敵への狙撃は任せて!」

「ミュート!?」


 視線を外に向けると、何体ものバトル=エアロが飛んできていた。バトル=エアロやバトル=サンダーは肩に付けられた小型ジェット機で空を飛べる軍用兵器だ。

 ミュートは魔法アローを使って、近づきつつあるバトル=スカイやバトル=エアロを狙い撃ちにしていく。これは助かる。素早い小型軍用兵器を砲弾で狙うのは至難の技となるからだ。


「このままテクノミア=エデンまで行けるかな……?」

「……どうだろうね」


 私は敵軍を見渡す。まだ戦車やガンシップは何十台もある。この戦車がいつ破壊されるか分からない。そこを考えると、簡単には行かないのかも知れない……

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