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黒い夢と白い夢Ⅲ ――攻撃の科学――  作者: 葉都菜・創作クラブ
第4章 心の妖 ――連合軍・シンシア支部――
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第24話 産んでみるか……?

 【シンシア支部 24階 監獄エリア】


 重要囚人のトワイラルがいなくなった。残されたのは血の跡だけ。


「警備のバトル=ベーゴマーも何機か破壊されたようです」

「ったく、なぜ連中がパスコードを知っている?」

「分かりません。もしかしたら、ケイレイト将軍を拷問して聞き出したかも知れません」

「……拷問、ね」


 私はケイレイトを信じてはいない。今回の侵入も、ケイレイトと共謀してシンシアに行ったに違いない。パスコードもケイレイトが教えたに違いない。

 ケイレイトはあの忌々しいヒュノプスと仲がいい。クローンを大切にする、という点でも同じだ。私のようにクローンを扱わない。


「絶対に捕まえろ」

「は、はいっ!」

「出来なかった時は、――」


 私は懐からハンドガンを取り出し、すぐ近くにいたクローン兵の頭に押し当て、引き金を引いた。乾いた音と共に、そのクローン兵は血を撒き散らし、倒れた。


「“これより酷い目”に合って貰うぞ」

「…………!」


 私の目に黒色の怪物が映る。生物兵器アサシンだ。爬虫類の魔物と同じウロコを有しながら、人型の怪物。ヒーラーズ・グループが開発した生物兵器。


「“これ”を産みたくなかったら、さっさと捕まえるんだな」

「イ、イエッサー!」


 6人のクローン兵とアサシン、バトル=メシェディはその場から走り去っていく。アサシンはクローンに産ませた生物兵器。1匹のアサシンが生まれる時、1人のクローンが死ぬ。出産でほとんどのクローンが死んでいた。


「ヒュノプス、ケイレイト…… お前たちも産んでみるか……?」


 子宮にアサシンの受精卵を入れられた時に浮かべる絶望の顔。日々、ゆっくりと腹の中で育っていくアサシンを見て、恐怖に怯える顔。出産の激痛と死への恐怖で歪む顔。ああ、一度、ヒュノプスとケイレイトで見てみたい……



◆◇◆



 【シンシア支部 10階 大廊下】


 大きな廊下に出た。あと少しでヘリポートに出られる。ヘリポートに出ればガンシップがある。それを奪えば逃げられる。……逃げられるんだけど……


[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]

[攻撃セヨ! 破壊セヨ!]


 無数の敵がいた。

 クラスタが6足歩行し、傘状の胴体を有するバトル=ガンマに飛び乗り、その頭に剣を突き刺し、機能を停止させる。

 私はサブマシンガンでひたすら近寄ってくるバトル=アルファを撃ち壊していく。私の後ろにいるのが気絶したトワイラルを背負ったミュートだ。


「ふふ、あきらめが悪いですぞ、クラスタ閣下!」

「ログリム准将……いや、もう中将か。私がいた頃は准将だったのに、ずいぶん出世したんだな!」

「わたしの記憶ではあなたは将軍だった。なのに今や中将とは、ずいぶん降格なさったんですな! 捕えよ!」


 ログリムの側に控えていた4体の騎士のような機械が動き出す。バトル=パラディン。ナノテクノミアが開発した騎士型機械兵だ。彼らは先端に電撃を纏った槍をぐるぐる回しながら、クラスタに近寄っていく。

 クラスタ1人だと危ないかも知れない。手を貸したいケド、こっちも手一杯だ。次々と近寄ってくるバトル=アルファやバトル=ベータを相手にするだけで精一杯!


「パトラー将軍、後ろからも!」

「…………!?」


 私は目の前のバトル=ベータを斬り壊すと素早く振り返る。通って来た道から、赤い装甲服を纏った人間型軍用兵器(?)が何体も飛んでくる。

 赤い装甲服の兵士たちは腕をコッチに向ける。普通の腕じゃなかった。先端が2つの銃口を有するツイン・ハンドガンのようになっている。


「な、なんだ……!?」

「アレって、あの時の……! パトラー将軍、逃げて!」

「えっ?」


 私は近寄ってくるバトル=アルファの相手をしながら言う。あんな軍用兵器(改造人間?)は見た事もない。……ただ、どこかクローン兵と似ていた。

 ツイン・ブラスターをコッチに向けると、空中を飛ぶ軍用兵器は一気に攻撃してくる。飛んできたのは銃弾じゃない。レーザー光線だった!


「う、うわっ!?」


 私は慌てて避ける。起爆性の強いレーザー光線は着弾と共に強烈な爆発を引き起こし、周りのバトル=アルファやバトル=ベータを吹き飛ばす。

 避けても、彼女たちは次々とレーザー光線を飛ばす。私とミュートはバトル=アルファを蹴倒しながら、必死に逃げる。


「バトル=アサルト……! 開発したのか!」

「あなたとケイレイト将軍が反対なさったバトル=アサルト、別の名をアサルト・フィルド=トルーパー。ナノテクノミアの新製品です」


 気が付けばクラスタとログリムのすぐ側まで走って来ていた。


「“また”ナノテクノミアの開発した軍用兵器…… ほんと、厄介な組織だな!」


 私はデュランダルを引き抜き、バトル=パラディンに斬りかかる。それは槍で防がれる。その時、ジェット機の音がした。後ろを振り返るとバトル=アサルトが追って来ていた。ツイン・ブラスターがコッチに向けられている。発砲。白に近い黄色のレーザー光線が飛んでくる。

 私は素早く離れる。レーザー光線はバトル=パラディンを一撃で木端微塵に砕き、さらに地面に着弾すると、爆発する。私とクラスタも爆風で吹き飛ばされる。


「バトル=パラディンってあんなに硬いのに、一撃で砕き壊すなんて……!」

「アレはクローン兵を無理やり改造した軍用兵器だ。魔法エネルギーであの光線を造り出す。……あんな強力な魔法攻撃、相当苦しいハズだ」

「そ、そう? 平気そうな顔して……顔も機械のように改造されてるだけか……」

「……スレイヴ=ドール(奴隷人形)化されてるだけ。操り人形だ」


 そう言うと、クラスタは私の手を引いて走り出す。ミュートたちがバトル=アルファに囲まれている。私とクラスタは剣を引き抜いて機械の軍団に斬りかかる。


「はははっ! 全部隊かかれ! この数に叶うハズもない! 捕えよ!」

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