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お転婆女と最低男  作者: 腹巻浩二
第一章
10/13

革命前夜

 

事務所の内部にある中庭につくと、エンリルは長椅子に腰掛け、私にとなりに座るように促してきた。私はありがとう、と言って彼の横に一つ間を置いて座った。男同士すぐ隣に座るのも気色が悪いと思ったからだ。私は何も言わずにエンリルの言葉を待っていた。エンリルは気安く、私はすべてを語ってもよいと思える男だが、こんな話の時こそ、思い切れない弱さを持っていた。エンリルの口からはなかなか言葉がでてこない。眉間にしわをよせ、ずっと思案するような苦い顔をしていた。こうなったエンリルは、どうしようもないのである。

私は、エンリルが口を開くまで辛抱しようと決心した。それまではあえて何もしゃべらないでいる事にする。今日の仕事は何であったかや、家に帰ったら母をどう慰めようかなどを考える。水をかけてもらったばかりでしずくの垂れる観葉植物をぼうっと眺めていた。

五分ぐらいした後だろうか、エンリルはようやく私の方を向いて意を決したように目をかっと見開いた。


「――なあ、俺はお前の友のよしみで単刀直入に言ってやる。お前はこの件から手を引け」


「!!」


「勿論『鷹の団』も抜けろ。みんなには俺から伝えておこう」


「引けってなんだ、今更。私たちはもう引き返せない所まで来てるんだぞ」


「それでもだ。お前はこの計画に参加してはならない」


「計画の要は私なんだぞっ。私が抜けたら計画は白紙になってしまう。もう一度練り直す程の時間があると思ってるのかっ!

きっと団長だって認めてはくれないぞ」


「…わかってる。わかってはいるんだが…」


エンリルは頭をかきむしってああと情けない声を出した。私はエンリルの裏切りともいえる発言に正直怒りを隠せないでいた。エンリルもそんな私の挙動に気づいたのだろう。言った事を後悔するようであった。後悔するぐらいならば言わなければいいものを、エンリルは何を考えているのだろうと思った。


「お前の気持ちがわかるからこそ、お前には手を引いてもらいたいんだ。やっぱりこの計画は危険すぎるよ。失敗したら後がなくなってしまう」


「そんなこと分かりきってたことだろう、でももう二度とチャンスはないかもしれない」


「けれど、確実じゃない。もしかしたらもっと安全に確実にこの戦争を終わらせられるかもしれない」


「それで、私たちが安全な所で手をこまねいているうちにこの国は死んでしまうぞ。お前も身にしみてわかってるだろう、どれほど人民が苦しんでいることを。中央の連中は分かっていないんだよ、人がいてこそ国が成り立つっていう基本的な事をな」


「それでも俺は、この計画に賛同できない」


「なあ、一体どうしたっていうのだ。私たちの今までの努力はどうなるというのだ?」


エンリルは黙った。さっきと同じで一度こうなってしまうとエンリルは喋らなくなってしまうのだ。言いたくない事があると分かりやすくエンリルは黙る。私はそこまでしつこい方の人間ではないのでこうなってしまったエンリルの口を無理やり開けようとはしてこなかった。聞いてほしくない事を聞いてくるのは面倒だし、デリカシーがないと思う。それに聞いたところでどうするというのだ。それをネタにして人を

いじるほど私は暇ではないし、もっと他に有意義な時間の使い方があるだろう。

が、今回だけは納得できない。大事に練ってきた計画を、いきなり無かった事にしようというのだ。それなりの言い分がなければ納得できない。エンリルにはどんな思いがあるのかしらないが、私には私の生きる目的というものがあるのだ。


「どうしても、というのなら私はお前なしでも計画を実行する。不可能ではないし、是が非でもやらなくてはならないと思っているからな」


「!!」


「誰かが止めなくてはいけないのだ、この国の崩壊を。例え犠牲となったとしても民を救えるなら私はそれでいい。死んで本望だよ」


ここまで言われて黙っているわけにもいくまい。少し姑息な搦め手ではあるが、エンリルも多分分かって聞いているだろう。けれど、この手を切られたら参ってしまうのがみそなのである。先に言ったもんがちな所を持っているのだ。だから普段は使わないようにするのが、エンリルと私の暗黙の了解だ…というか人間の倫理観の問題として、人の情につけこむというのは人間としてどうなのだろう。

私がそんな益体もない事を考えている内にやはりエンリルは仕方なくという感じで口をすぼめる風にやってきた。


「別に俺は尻込みしたわけじゃあない。ただどうにもアイツ等の手の平で踊らされてる気がしてならないんだよ。お膳立てされた中で遊ばれてるみたいな」


「中央政府にか? 馬鹿な、この計画は誰にも言っていないし、権力と金に目がくるんだ奴らに見抜かれるはずがないだろう」


「それは表向きだけかもしれないぞ。実際奴らはこの戦争の一切を仕切ってる。聖軍の指揮権も聖王直属の部隊である大聖堂護衛隊たって奴らのもんだ」


「けれど大体奴らが計画に気づいてるとしたら、なぜ私たちをほっとくのだ。私たちを潰そうと思えば奴らはいつでもやれるだろうに」


「それはなにかを待ってるのかもしれない。俺たちが動く事が奴らにとって都合のいいように状況が変わるのかも」


「なにかってなんだ」


「それは…中央政府に聞いてみるしか」


「はん、話にならないぞ。エンリル、やはりお前は何かを知ってて隠しているな。そろそろ白状したらどうだ?」


「………分かった。できれば言いたくなかったが…聞いてくれ。

―――――お前と俺はこの計画で要となる中央政府の要人バラス伯を捕らえる役目を背負ってる。バラスは滅多な事じゃ表に出てこない大物だ。俺も奴自身の顔は見たことがない。実際裏で国を操ってるとんでもない悪党だってことしか知らない。そんなバラスが地方に出てくるまたとないチャンスなんだから、逃すわけにはいかない事は俺にもわかる。

でも、謎だったのがバラスがこの時期に南方政府を訪れる理由だ」


「それは南方政府の視察と、星流祭のためだろう?」


「確かに星流祭は国を挙げての祭典。多くの政府関係者が今年の開催地ノースに訪れるだろう。しかし、バラス伯は普段は参加しないんだそうだ。それが今年に限ってやってくる」


「…なるほど」


「だから、俺はおかしいと思った。俺たちが鷹の団に入ったのは去年だ。去年の星流祭は聖王様の代替わりで、喪に服し中止になっただろう。だからノースでの開催が今年にずれ込んだ。そして、ノースの事務所に今年俺たちが配属になった。どうにも状況が出来上がっているように思えないか?」


「考えすぎだろう、私たち事務局員が中央に逆らうなんて夢にも思わないだろうからな」


「しかし、お前は”悲劇の英雄”ユーリの息子だ。ネームバリューは十分に持ってる」


「だからこそなんじゃないか? 父を殺された私ならば裏切るわけがない、とさ」


「そうだとしてもだよ。バラスがこのピンポイトで俺たちの手が届くところにやってくる理由にはならない。俺は偶然なんてものは信じないたちだからな、バラスが今まで表に出てきた記録を洗ってみたら…」


「洗ってみたら?」


「…落ち着いて聞けよ。

以前バラスが表に出てきたのは星紀1345年。今から十年前…『ジャーシャ宣言』が出され聖戦が始まり、史上最低最悪の第一次戦役が行われ、死人で”地獄の野”が埋め尽くされた忌むべき年。

―――そしてお前の父”悲劇の英雄”ユーリが死んだ年だ」


「っ!!」


私の頭の中で恐ろしい光景が巻き戻った。父が死に、街を離れた後に起こった第一次戦役。その時に駐屯地として使われた住んでいた街に私は母に黙って見にいったのだ。みんなに街を離れるよう伝えたくて。馬車に飛び乗って二つ街を超えた先に私たちの街はあった。そこで見たのは私たちの街が燃え盛るすがた。人が焼き焦げ、空には火炎が飛んでいる。まるで巨大な大蛇が街を飲み込もうと、うねっているように見えた。

私は隔離されている柵を飛び越え、鍛冶屋へ向かった。飛び交う炎と怒号、それに血で街は染まっていた。人間が人間を襲い殺し合っているという状況。自らの種を自らの手で滅ぼそうとしている姿は、際限ない食欲で世界を飲み込み、自分の体さえも食いつくそうとするウロボロスそのものであった。私は普段人が使わない細い隠れ道を進んだ。途中横から不意に現れた腕に頭を掴まれ、ひいっと振り向くと焼き爛れた体で私を掴んでいるマ二国の兵士のようだった。無我夢中で腕を払い除けると彼は膝をついてそのままうつ伏せに倒れて何も言わなかった。恐ろしい、その一念でその場を急いで後にし、涙や鼻水でぐしゃぐしゃになりながらあの鍛冶屋にたどり着いた時、そこにあったのは人間のカラダと、胴から離れさった三つの首だった。何かの拍子でごろりと転がった彼の瞳が私をジロッと睨みつけてきた時、私は意識を失った。


「――――お、おい、大丈夫かっ! ゆっくりだ、ゆっくり息をしろっ」


「ハア―ヒイヒイ―――――も、もう大丈夫だ」


どうやら私は過呼吸を起こしていたようだった。あれから十年経った今でもあの記憶は頭に焼き付いたままである。あの後、聖軍の兵士に助けられ、母の所へ返された私だったが、あの経験は一生消えないトラウマとなって私を苛み続けるのだ。戦争というものに強烈な拒絶感を持ったのはその時からだった。エンリルも似たような体験をしている。この国の多くの人間が戦争を憎悪しているのだ。


「やはりもう話は辞めようか、お前にはつらい話になる」


「いや、それでも私には聞く権利がある。戦争を起こさせてしまった父ユーリの為にも」


「…そうか。

それで、俺はバラスがユーリと何か関係があったのかを調べた。すると、バラスはその時も視察にやって来ていて、ユーリと対面していたんだ。そして、その日、ユーリは任務中に死んだ。絶対何かある、そう確信したがそこからは前に進めなかった」


「なぜだ?」


「ユーリについての資料は隠滅されていたんだ。あの街での経歴も第一次戦役の際に燃えて消失してしまってる」


「そんなっ! じゃあ私の父の存在が消されたようなものじゃないか」


「死体も骨だけになっていたんだろ。そしたらそいつが本物だったという証拠もない」


「―――つまり、ユーリは何かの陰謀に巻き込まれて死んだ可能性が高い訳だ…」


「そういう事になる。その時、俺は怖くなったんだ。俺もその陰謀に巻き込まれているんじゃないかって。そして、マールお前も…」


「フン、そうかもしれないな。確かに私も何か怪しいとは思っていたのだ。勇敢で誉れ高いあの騎士ユーリがたかが異教徒に殺されるなどと…。

しかし、これで私は決意を新たにした。バラスを捕らえ父の真相を暴く。そしてこの戦争を終わらせてやるのだ」


「お前はそう言うと思ってたから言いたくなかったんだ…。

クソッ、こうなりゃヤケっぱちだ。マールお前と一緒に死んでやるよっ」


「私たちなら大丈夫さ」


私たちは庭園を後にした。







満月が光る夜道を私とエンリルは歩いていた。

黒いフードを被った人間たちが、いたる所で歩いている。皆、行き先は同じようだった。その動きに乗って私たちも動く。

闇夜の中でひっそりとたたずむ洋館の扉の向こうへ進むと、荒廃した建物だからかエントランスホールに壊れた屋根から満月の光が入ってきて明るかった。人はホールに入りきるかという量でごった返している。しばらく待っていると、後ろの入り口の扉が、屈強な男二人によってガチャンと閉められた。一気に緊張感が増して、皆息さえも遠慮するように動きを止める。

すると、ホールの正面にある大きな階段から、コンコンと歩く音が聞こえてきた。月の明かりに照らされて現れたその影は…


「ようっ! 今夜はよく集まってくれたなっ! 俺は嬉しくてたまらねえっ!!」


よっ我らが団長っー! 鷹の団ッーーー! ワーワーっ!

その朗らかな声に呼応して私たちは歓声をあげた。洋館が壊れんばかりの声で騒ぎ立てる。すると、団長は唇の前で人差し指をあてて


「ッシーーーっ! お前らの声で中央の奴らがびっくりして起きちまうだろっ」


ダハハハハハハと笑い声が響く。団長も一際大きな声でガッハッハッハと笑う。すると、団長の隣でもう一人の男がごほんっと咳払いをした。


「…はやく本題に移ってください」


「おっと、みんな副団長様がお怒りだぞっ。真面目にやれってさっ」


ハハハハハハ、ロイズ副団長が切れるぞっ

黒いフードをいつの間にか脱いだ鷹の団のみんなは、ロイズ副団長にはやし立てた。


「切れませんっ!」


ロイズのその大きな声に団長は指で耳栓をして黙った。そして咳払いをして


「え~っゴホン、俺たち鷹の団によって国が変わるのは明日だっ!

腐った中央を倒し、人民の平和を取り戻そうっ!

今日は大いに騒いで皆英気をやしなってくれっ!!」


うおーーーっという歓声と共に宴は始まった。

普段は街で働いている商人や畑仕事をしている農家など、業種は様々だが老若男女関係なく鷹の団は形成されている。その中には酒売もいて、樽いっぱいの酒やジュース、牛や豚の肉、色とりどりの野菜などとんでもない量が振舞われている。


「計画は明日実行だってのに、こんなんでいいのかな?」


「こんなんだから私たちだって受け入れてくれたんだろう。これくらいでいいのさ、私たち鷹の団は」


エンリルは躊躇しているようだが私も酒をもらってグイッと飲み干す。ジョッキを出されたテーブルの上に置いた。


「あらら、久しぶりじゃあねえかよ、エンリル、マールよお」


「お久しぶりです、団長」


「いろいろありまして動きづらかったんです」


「まあ、お前らはお堅い官僚だもんな。あんまり動きづらいのは分からあ」


「それだけではないですよね」


気づくと、団長の他にロイズも顔を少し赤くしてやってきていた。団長は振り向くとロイズに尋ねた。


「それだけじゃないってどういうことだい、ロイズよお」


「私はまだあなた方を信じられていないという事ですよ。政府のスパイじゃないかとね」


「っそんな!」


エンリルは絶句して顔を青くしているが、それは仕方が無い事だろう。私とエンリルは腐っても政府の人間。他の鷹の団員と違って戦争による直接の被害は受けていない。スパイだと思われてもしょうがないのだ。むしろ、そんな私たちを鷹の団に誘ってくれた団長がおかしいと言える。


「まま、いいじゃねえかよ、ロイズ。スパイだろーがなんだろーがこいつらは鷹の団の一員だ」


「また、いつもそうやって適当に…。私はそういう所が信じられないんです。明日の計画も政府に筒抜けになってるかもしれないんですよ。

それに対策も打たずにパーティーなんて開いてしまって…」


「ロイズ、俺はいつもこの国のみんなが幸せになってほしいと思ってる。でもよ、今のままじゃ誰も幸せになれん。だから中央を倒すって決めたんだよ。

けど、明日の計画には犠牲無しってわけにはいかない。怪我するヤツもいるだろうし、死ぬ奴もいるかもしれねえよな」


「だからこそ犠牲を減らすために、彼らを除いて計画を立て直そうと…」


「違ーな、ロイズ。俺の言いたい事はそういうことじゃねえ。こんだけの大人数が参加してんだ、多かれ少なかれ情報は漏れてるだろうよ。

それでも俺らはやらなきゃならん。計画がバレていたとしても起こさなければならないんだよ」


「…なぜですか?」


ロイズは眼鏡の奥で眼光をギラっと光らせて団長に問うた。私やエンリルもその意外な言葉に耳を傾ける。


「…誰かが示さなきゃならんのよ、国を変えるという意思をさ。そうすりゃ俺らが変えんでも国は変わる。中央を打倒するまでもないさ、マ二国は改革できる」


「!!」


「鷹の団のみんなには申し訳ないけどな。でも奴らは覚悟してる、俺らが死んでも国が変われるならってな。

ま、もちろん団長である俺もな」


ロイズは自らを恥じるように俯いた。私たちも思わず目を地面に落とす。そんな悲壮な覚悟を持って計画に挑もうとしているとは…。


「申し訳ありませんでした、…団長」


「いやいや、ロイズの言ってることも間違いじゃねえ。犠牲は少ないに限るし、俺らが国を変えられるんならその方がいいさ。

けど、こいつらも信じてやってくれてもいいんじゃねえか。俺らを裏切るんなら当の昔に鷹の団は潰されてるさ。政府を裏切る真似をしてでも俺らについてくれてんだから」


「団長、そんなの全然いいんですよ。俺らこそ分かってませんでした。そんな覚悟を持ってたなんて」


「いや、私も疑って悪かった、謝罪しよう。エンリル、マール」


「止めてくださいよ、本当に」


「はははははっ! いいもんだなあ、絆ってやつが見えるようだぜっ! やっぱり鷹の団はこうでなくっちゃよ。命預ける仲間同士仲良くいこうじゃねえかッ!」


団長が豪快に笑い、私たちもつられて笑う。生真面目なロイズも呆れたように苦笑を浮かべた。こんな団長だからこそ、多種多様な人間が集う鷹の団が成立しているのだと思う。そして命を預けてもよいと思えるカリスマを感じるのだ。


「お~っ、団長達何やってるんだ? なんか楽しいことでも?」


「えっ、楽しいことだって。団長たちだけズルいっすよ」


酒に酔った男どもが集まってくる。みな愉快そうに明日、死を分かつ決戦があるとは思えないほどのお気楽さだ。が、ここに悲痛な覚悟がある事をエンリルと私は知った。


「ロイズ副団長~。なーんかまだ全然飲んでないんじゃねえか?」


「っな、そんな事はありません」


「いやいや、まだまだ飲めるっしょ。ヨーシ、みんな副団長をかつぎあげろっ!」


「っな!」


男達に担ぎ上げられ、豪快に運ばれていくロイズは必死でさっきの真剣な雰囲気が嘘のように慌てているようだ。団長もフラフラとまた違う所へジョッキを取りにいったようだった。


「ほんとにこれで大丈夫なのか~」


本気で嘆くエンリル。私はなんだかおかしくなって笑った。


「お、おい。なに笑ってんだよ~、マール。俺ら明日ほんとに生き残れんのか~」


「さっきも言ったろ、私たち”鷹の団”はこれで大丈夫なのだよ!」


「なんだよ~。お前のその根拠のない自信は」


もう半泣きのエンリルは私に文句をつける。

そこへ図体のでかい工場で働いている職人の人間たちが通りかかった。エンリルと肩をぶつけて、


「あれっ、てめえ何泣きべそかいてんだ。

…よしっ、こっちこい、俺らの酒に付き合え!」


「へ? ってうわあああ!」


瞬く間に男連中に囲まれたエンリルは両腕を掴まれ連行されていくのだった。

私はひどく良い気分になって酒を飲み干した。


「っぷはあ、……私たちなら国を変えられるよな」


そう呟いて、酒を浴びるように飲まされてるエンリルのもとへ救援に向かったのだった。











お久しぶりです


ポイント入れてもらうと頑張れますので、よろしくお願いいたします!

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