表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

歴史若道書き、かく語りき (3)

線路は続くよどこまでも。

調子乗りついでに、えらーいせんしぇい方のご意見からの考察をば。

何故BLを読む、および生産するのか、という事についてはだいぶ人によって主張が異なる様ですね。榊原史保美氏(以前は『姿』保美だった様です)は意識的、あるいは潜在的なFtM(女性の肉体を持ちながら男性の精神を持つ、性同一性障害の一つの型)の欲求からだ、と主張(彼女自身がそうな様です)、ある人は女性という社会的弱者としての精神的不満からの現実逃避、またある人は男女には決して望めない打算のない純愛の渇望、はたまたフェミニズムの亜型だ、完全に自分から切り離した形でのフィクションの世界にどっぷり浸かりこむ為だ……と、まあ人の数だけ主張はある。

誰かも指摘していた通り、やおい(BLを含む広義で)は男性同士の恋愛を扱っているという一点のみで一括りにされていて、そのジャンルは非常に広い。だから好みの相違が相当にある訳で、実際には一つの考えでは説明がつかない事が多いと思うんである。

ひと昔前の説、ただ性的快楽のみを追い求めているというのも違う気がする。だったら男女のポルノを読めば、あるいは書けばいい訳で、まあそうすると自分から断絶した形で、という説がちょっと有力になってくる訳だけど、じゃあどうして断絶しなきゃならない? と。そこで現実逃避説が浮上するのであります、軍曹。女性劣位うんぬんだけじゃなくて、精神的な何かからの逃避。それはいじめかもしれないし、思いのままにならない恋愛かもしれない。あるいは虐待かもしれない。そもそも性的快楽のみを追い求めるって相当に歪んでいる気がする。だとすればそういった快楽のみを追っている、という時点で何かしらの抑圧なり不満がある訳で、そういうものの発散によって自我を保っているという意味では性的快楽説も正しいのかもしれない。言ってる事と矛盾する様だけれどなあ。そして現実逃避説を全面的に肯定するものでもないけれど。

しかし快楽と言うなら知的快楽という面はないのか? と。と言うのは、BLってかなり専門知識を持った特殊ジャンルを扱っている事が多いのですよ。エロ主眼だけど。ただ気持ちよくておしまい、という事じゃなくて、例えば登場人物がパティシエだったり特殊部隊員だったり、音楽家だったり貴族だったりする訳さ。そうなると恐らくは自分の詳しくない分野にも接する事になる。興味の対象という枠はあったとしても、その事についてこんな実態があるのか、それなりに詳しいと思っていたけれど、こういう考え、視点もあるのか、と、そういう期待を求めている人がいないと言い切れるのかね? 君、と。大多数を論じるのが評論だとしても、この説はちょいと頂けない。実態から著しく離れている気がします。

(まだ続くのである)

(4)へ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ